乗りつぶし帳のおはなし
こんばんは。こばとんです。
昨日未明に投稿した記事は過去一番のPVを得ることができました。ほんとうに誰も読まないようなブログの記事を探し出してくれるエビ中ファミリーたちに心から感服しております。
さて、ああいう7000字越えの超大作ばかりを世に放っていると体が持たないので、今回は余談のような話を。
「乗り鉄」の皆さんにとって必要不可欠なのが「乗りつぶし帳」の類のものだと思います。今のご時世デジタルでも記録することはできるし、デジタルはデジタルの利点もあるのですが、「眺める」という点と「総覧する」という点ではアナログに劣っていると思うんですよね。乗りつぶし帳って結局は地図なのです。スマホアプリの地図って縮尺を自在に変えられたりナビとかついてる分には便利だけど、道を辿っていこうと思ったらスクロールし続けないといけないし、画面の大きさは限られているから一度に見れる範囲は狭いじゃないですか。そういうことです。
まあアプリとかだとパーセンテージが出せるのは大きなアドバンテージなんだけどね。まあ紙媒体と併用するのがベストかも。紙媒体だと「読み物」としての価値が全然違うんだよね。私はいつも乗りつぶし帳を眺めながら次の旅行先を考えます。
さて、ではどんな乗りつぶし帳を選べばいいかという話です。乗りつぶし帳は数種類市販されてると思います。まあ機能的には別にどれでもいいんですが、正直個人的には一般的に手に入るものはあんまり好きじゃありません。というか嫌い。今回はJTBパブリッシングさんの『鉄道全線乗りつぶしログブック』を例にとります。JTBパブリッシングさんごめんなさい。消費者の一意見としてお目こぼしくださいませ。
こういう感じで、多くの乗りつぶし帳は正縮尺じゃないことが多いんですよね。各鉄道会社の路線図のようにデフォルメして路線網が書かれています。でもこれだと、各路線の位置関係もわからないし、駅間がどのくらいあるのかもわからないし、例えば大きく右にカーブしている自分がどの位置にいるのかもわからない。車窓を見ながら地図帳に目を落とすには、得られる情報が少なすぎます。しかもだいたいの場合こういうデフォルメされた地図は限られたスペースに路線を落とし込むので(それはそれですごい大変なんだけどね)だいぶ違和感のある感じになり、普段から地図を見続けている私みたいな人間だとアレルギー反応をおこします。まず無理。
JTBパブリッシングさんはこの本以外にもう一冊大判の乗りつぶし帳も出していて、そちらの方がより正確な地図になっているはず。持ってないけど。
さて、そんな悩みを解決する最高の乗りつぶし帳があります。それがこれ。
新潮社の『日本鉄道旅行地図帳増結 全線・全駅・全廃線乗りつぶしノート』。名前ながっ!
これは北陸新幹線開通後の2015年に発売された第3版ですね。
こいつの最大のメリットは正縮尺の地図であること。ほんとうの日本地図に路線網だけを引っ張ったような形式です。駅間もカーブもすべて正確です。さらにトンネルや湖沼・河川までもが正確に掲載されています。しかも路線を表す線のデザインがシンプルでスタイリッシュ。観光地など余計な情報が少ないのもよいです。
驚くべきは廃線まで収録していること。まあ線のデザイン的にも塗りつぶしに適しているとは言えないんですが、読み物としてはすごく面白いですね。今では想像もできないようなところにも路線があるのには驚かされます。よく鉄道なんて通そうと思ったなってところもいっぱいありますよね。
実際に乗っているときにも、異様に広い構内だったり、不自然に分かれていく空き地だったりを見ながら想像を膨らませることができてとても楽しいです。あ、廃線の魅力に関してはまたお話する機会があると思います。
さて、そんな激推しであるこの地図帳なのですが、みなさんに「おすすめ」はできない事情があります。そう、絶版なんです。
Amazonで調べると中古品が4500円以上で出品されています。いい本なのはわかるけど高すぎでしょ。
新潮社さん、第4版を発刊なさるおつもりはありませんでしょうか。使用用、保存用、観賞用で3冊は必ず買いますので。どうかよろしくお願いいたします。
今回はここまで。それでは、またお会いしましょう。
こばとん
画像1枚目・2枚目 JTB時刻表編集部監修 『JTBの鉄道全線ののりつぶしブック』 JTBパブリッシング 2017より
画像3枚目・4枚目・5枚目 今尾恵介監修 『新潮「旅」ムック 日本鉄道旅行地図帳 増結 乗りつぶしノート 第3列車』 新潮社 2015より
それぞれ引用しました。