ニジガクカウントダウンウィーク! #5 Fire Bird/Märchen Star

 虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会2ndライブまであと5日!

 3回目となった「ニジガクカウントダウンウィーク」。前回、前々回記事は下を参照してください!

 

tsuruhime-loveruby.hateblo.jp

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 今日9月7日は、朝香果林『Fire Bird』、そして近江彼方『Märchen Star』です。それでは、早速いってみましょう!

 

※本記事は、アプリ「ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル オールスターズ」、虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会2ndライブ公式パンフレット、雑誌『LoveLive!Days虹ヶ咲SPECIAL』、書籍『にじよん』などを参考にしており、それらの内容への言及、引用、ネタバレを含む場合があります。予めご了承ください。

M4:『Fire Bird』 「クール」を脱ぎ捨てて魅せる熱量


【ニジガクみゅ〜じっくウィーク!〜6週目〜】Fire Bird / 朝香果林(CV.久保田未夢)

 「セクシー」系スクールアイドルの朝香果林ちゃん。

 読者モデルもこなす果林の特徴は、なんといってもその圧倒的なプロポーション。「オトナの魅力」全開の果林は、賑やかな同好会メンバーのなかでもひときわ落ち着いた存在で、まさに大人な高校三年生。しかし、実は負けず嫌いだったり、子どもっぽいところがあったり、そのギャップでも私たちを虜にする、そんな魅力たっぷりなメンバー。方向音痴という特性も持っていて、そのプロポーションを含めてキャラクター的にはアイドルマスター三浦あずささんに近い感じもします。

 オトナな果林は、「あなた」との関係構築の方法も実に大人。他のメンバーではかなり主導的にスクールアイドルの関係を構築する「あなた」ですが、果林ちゃんのキズナエピソードでは、いきなり果林さんが食事に誘って自分のことを理解してもらおうとするなど、積極的です。ある意味で受け身な「あなた」の姿勢を見るのも貴重かも。「あなた」ちゃん、いっつも女の子に押せ押せなのに、意外と押されると弱いとこある気がしない?

 読者モデルで活躍し、それによってお金も稼いでいるとあって、果林の生活はストイックそのもの。食生活から運動まで、その意識の高さはさすがのものがあります。

 しかし、果林自身は、何だかさばさばした印象を受けます。それだけ高い意識をもって取り組んでいる読者モデルの活躍にも謙遜に謙遜を重ね、その「努力」を自分ですごいとはひとことも言わない。自分の実力と、それから自分より「上」を知っている。そんな雰囲気が漂っています。 

 実は負けず嫌いなのにも関わらず、自分の実力に関して達観しているこの雰囲気。わたしは、この雰囲気は、果林が「本当にすごい人を知っていて、自分がそのレベルより劣っていることを明確に感じている」のではないか、そう思うのです。早くから読者モデルとして一線で活躍する果林は、その競争社会のなかで長い間揉まれてきたのでしょう。その分、「自分を知っている」というか、良く言えば落ち着き払った達観が、悪く言えば、例えば歩夢やせつ菜が持っているような強いパッションを持ちえない諦観が、そこにある気がするのです。

 しかし、キズナエピソードで「あなた」が目撃していく果林は、決してその一面だけをもった女の子ではありません。

果林「ありがと、でも「負けないくらい」か。「せつ菜ちゃんより上」には程遠いかな」

         スクスタ 果林キズナエピソード3話より

 自分の実力をしっかり客観視しながら、せつ菜と「同じくらい」では許せない。果林が隠し持った「負けず嫌い」な一面が、見え隠れします。

 その後も、ゲームセンターでダンスゲームに苦戦し、何度も挑戦する姿を見て、「あなた」は果林が秘めている感情に気づいていきます。それは、ファミレスでの一幕をもって、確信に変わります。

 ファミレスでメニュー選びに悩む同好会メンバー。果林なら即断即決で、スイーツも我慢できるんだろうなあ、と言うメンバーの手前、果林は即決でドリンクのみの注文を決める......と思いきや、一瞬の逡巡を見せる果林。「あなた」は、そんな果林の違和感を見逃しませんでした。

 実は、朝香果林という人間は、心の底にとんでもなく熱いものを秘めているのではないか......。果林がやけにさばさばしている理由は、ファンクラブの設立を提案したときに、明らかになります。

 ファンクラブ設立を拒む果林。その理由は、「読者モデル時代にファンクラブで苦い思い出があるから」というものでした。

 努力を惜しまない果林は、読者モデルとしてももちろん成功を掴みました。そんな果林のもとに、「何人かのモデルでファンクラブを作らないか」という提案が舞い込みます。

「読者モデルなんて、少し目立つ子がカメラの前で笑っているだけ」 

 負けず嫌いな果林は、そんな評価を見返そうと、さらに努力を重ねます。

 ファンクラブの活動でも、高い理想とやる気に満ちた果林は、その活動のなかで、必ずしも果林ほど理想も高くなく、果林ほど努力を惜しまないわけでもないメンバーとの間で、衝突を起こしてしまいます。

 それは必ずしも、彼女たちも全くやる気がないというわけではありませんでした。与えられた仕事はそつなくこなしていた......。彼女たちを責めることは、必ずしもできないかもしれません。果林が一人で空回りしている。果林の熱量と努力を理解しない人からすれば、そう取られても仕方ないような、そんな状態でした。

 自分のことをきちんと客観視できる果林は、そのことをわかっていたでしょう。だからこそ、彼女は「ほどほど」が一番いいと、この機会にそう学んだのだと。そうやって、果林はこの衝突を自分のなかで処理していきました。

果林「私はあの時「ほどほど」を学んだわ。多分それが一番ちょうどいいの、私は、ほどほどでいたいのよ」

       スクスタ 果林キズナエピソード17話より

 しかし、この言葉は明らかに嘘です。果林がだれよりも負けず嫌いなことは、すでに果林自身の行動が証明しています。「ほどほどでいたい」。果林は、モデル時代でのファンクラブで負った傷を塞ぐために、嘘をついて自分の秘めた熱量に、蓋をしてしまっていたのです。

 それを見抜いた「あなた」は、持ち前の熱量をもってファンクラブ設立を果林に迫ります。果林の熱量に応えてくれる人はいる、その熱量を発揮できる舞台はある、それを、果林が心の奥底に押し込めてしまった熱量をもって、果林に伝えたのです。

 

 悩みを吹き飛ばした果林の行動は早いものでした。積極的に動き出した果林。再び「あなた」は、果林に振り回されます。果林に振り回されてる「あなた」ちゃん、ちょっと可愛いよね。いつものかすみみたいで。

 これまで、「クール」という殻を被っていた果林。しかし、今回の『Fire Bird』は、クールな雰囲気は完全に封印して、果林の持つパッションを前面に押し出した、情熱的な一曲です。

「もう籠の中の鳥はやめたのよ 高く高く自由に空を羽ばたいてる」

                       『Fire BIrd』歌詞より

 果林がそれまで被っていた「クール」というヴェールは、そのあふれだす熱量によって、かつて負ったやけどを隠すためのものでした。しかし、果林の本当の魅力は、その熱量にあるのです。負けず嫌いで努力を惜しまない果林。それまでの果林は、「クール」なキャラクターに縛られて、自分の思うように動くことを我慢してしまっていました。ファミレスでの一件は、まさにそれを象徴しています。

 しかし、もうそのヴェールははがされたのです。『Fire BIrd』は、果林にとっては大きな変化となる曲のはずです。我慢して隠してきた果林の熱量、それがこれからは、余すことなく私たちに降りかかってくることでしょう。

 そう、果林は「クール」系スクールアイドルではありません。「セクシー」系スクールアイドルなのです。決して「セクシーであること」と「クールであること」は、同一ではありません。熱量を全開にした果林。これからもステージで、その熱量に溢れた「セクシー」で、私たちを悩殺してくれること間違いありません。

 

 朝香果林役の久保田未夢さん。i☆Risのメンバーとして、2012年から芸能界で活躍する久保田さんは、すでに実績を持っており、ニジガクのキャストの中でも「お姉さん」的なポジションを務めています。このポジションは、まさにニジガクにおける果林の立ち位置と酷似していて、久保田さんが果林を演じることによって、さらにキャラクターに説得力が増す印象があります。

 一方で、i☆Risでの活動や普段の生放送で見せる久保田さんと、果林のキャラクターは、必ずしも「似ている」とは言えないかもしれません。しかし、それは同時に、果林がこれまで『Starlight』、『Wish』、それからこの『Fire Bird』と幅の広い楽曲を披露してきたように、久保田さん自身の幅を証明している部分だと思います。なにより、実績のあるベテランの久保田さんが、全く違うタイプのキャラクターをしっかり演じているだけで、ニジガクとしてのパフォーマンスは数倍引き締まる印象があります。

 そんな久保田さんが、ステージ上で披露する『Fire BIrd』。すでに『Wish』で完全に、果林の魅力の虜になっている私たち。今回のステージがどんなものになるのか、期待は高まるばかりです!

 

M5:『Märchen Star』 わがままなステージはまさに夢。そう、夢の世界。


【ニジガクみゅ〜じっくウィーク!〜5週目〜】Märchen Star / 近江彼方(CV.鬼頭明里)

 「マイペース」系スクールアイドルの近江彼方ちゃん。いつも眠そうで、やることをやったら(やらなくても?)ところかまわず寝てしまう彼方は、果林がアイドルマスター三浦あずささんに似ているとしたら、彼方は星井美希ちゃんの属性。

 そうだとすれば、もしかしたら、普段寝ていても実はスペックがとっても高いのは、「眠り系女子」の定番なのかも。彼方も、実は料理上手であるという一面を持っています。意外性だね。

 彼方に関しては、その背景が誰よりもしっかりと描かれています。そして、それはなにより深刻です。

 彼方の家庭の事情はなかなかにシビアなものです。「特待生」としてニジガクに通う彼方。成績が下がると特待生としての資格は失われてしまうらしく、彼方は夜な夜な勉強をして、特待生から外れないように必死の努力をしています。

 おそらく、学費の面で優遇のある特待生。彼方自身が特待生の資格を死守するように努力しているのは、近江家の財政状況が決して良くないからでしょう。もしかしたら、溺愛する妹の遥の学費分のために、という意味もあるのかもしれません。奨学金についても言及があります。これも、成績要件があるよう。彼方ちゃんの努力には、ほんとうに頭が上がりません。

 彼方の特技、そして趣味が料理であることはすでに述べましたが、それは実用的な面も大きい部分を占めています。彼方は、毎朝自分の分と、それから遥の分のお弁当を自ら作っています。時には、「あなた」のためにお弁当を作ってくれることも。彼女かな?歩夢ちゃんに狙われてない?夜道では背後に注意するんだよ。

 そんなお弁当も、節約の知恵に満ちています。嫁力が高いよね。やっぱり歩夢ちゃんといつか衝突しそう。嫁枠は一つしかないもんなあ。「あなた」は大人気だし。それはさておき、やはりこのあたりからも、近江家の厳しい財政状況が見て取れます。さらに言えば、両親(もしかしたら母子家庭/父子家庭かも)がお弁当を作れない状況を意味しているかも知れず、心配は募るばかりです。そういえば、特売に関する寝言も言っていたような......?買い物も、彼方の役割の一つなのかも。なおさら大変だ!

 

 一方の彼方は、深刻そうな素振りは全く見せません。いつもマイペースに、のらりくらりとしています。夜の勉強も、お弁当作りも、決してつらそうに見せないし、弱音は一つもはきません。

 マイペースではあるものの、彼方は話すときは非常にはっきりしています。何かを沢山隠してるとか、そういう雰囲気はあまりありません。遥とすれ違ったときも、「あなた」が不審がって問いかければ、彼方はきちんと答えています。「お嫁さんになってよ」にもはっきり答えるのはちょっと怖いかな。歩夢ちゃんが。いつも歩夢ちゃんは目の端に捉えて、警戒しておくんだよ?あと、なんで彼方にはこんなに「あなた」は積極的なのさ。もはや求婚してるでしょ。歩夢ちゃんに怒られるよ?

 しかし、さすがは「お姉ちゃん」と言うべきか、彼方はすべて「あなた」の助けを受けるのではなく、比較的自立的に物事をこなしていきます。この辺は果林に似てるかも。さすがは3年生だね。

 

 彼方のキズナエピソードを読むと、どうしても気になるフレーズがあります。

彼方「彼方ちゃんにとっては、わがままなんだな~。っていうか、彼方ちゃんてスクールアイドルをやってること自体、ちょっとわがままって思ってる。」

              スクスタ 彼方キズナエピソード6話より

 

  そう、「わがまま」。スクールアイドルをしているからって、誰も彼方のことをわがままだとは言わないでしょう。しかし、彼方はわがままだといって譲りません。どうも、彼方にはやりたいことがたくさんあって、その中でも特に譲れないのがスクールアイドルであるようです。しかし、それは、彼方はそれ以外のやりたいことを、すべて我慢しているということを意味しています。

 きっと、彼方にとっては、勉強をして特待生の資格と奨学金を維持すること、節約しながら遥ちゃんのお弁当を作ること、そのすべては「当たり前にやらなくちゃいけないこと」なのだと思います。彼方はそのことを、全く疑ってはいません。嫌がってもいません。だからこそ、彼方にとっては、時間がないのにスクールアイドルをすることは「わがまま」なのです。いや、もっと言えば、彼方にとっては自分がどうしても譲れないスクールアイドルをすること、それでさえも、彼方の中では「わがまま」になってしまうのです。

 この「わがまま」は、彼方のステージに対するイメージそのものでもあります。ステージに立つときは、いつも追われているすべてのことを忘れて、自分のすきなことができる。そんな時間です。

 そう、ステージは彼方にとって、まさに「夢」の世界。彼方が昼間に寝ている時に見ている夢は、勉強に追われて夜に見れなかった分なのだと考えれば、むしろ彼方にとってステージこそが、彼方の人生の中で唯一現実から離れて見る「夢」そのものだと言えるのです。

 

 彼方のソロ曲は、そのすべてが統一されたイメージを持っています。

 「メルヘン」な世界で眠る「眠り姫」。「夢の世界」が、彼方の楽曲・ライブ演出に共通しているテーマです。

 しかし、「夢の世界」が彼方にとってどういう意味を持っているのか、既に知っている私たちにとっては、彼方のソロ曲の歌詞は全く違うものに見えてきます。

「眠れる森の美女さん あぁ憧れだよ

だってずっと寝てていいんでしょ?

幸せすぎるよ!」

                『眠れる森に行きたいな』歌詞より

  彼方にとって、寝ている時間は唯一現実から離れられる時間。だから、彼方は眠れる森の美女すらも、羨ましく思えるのです。「憧れ」ということばは少し強くて、そしてその強さが心に響きます。思い切り寝られる生活は彼方にとって憧れなんだなあ。決して言わないし、そして「思っていない」だろうけど、彼方にはきっと諦めてしまった「やりたいこと」がたくさんあるんだろうなあ。

 彼方には、すべてを大切な人に捧げてしまうような、少し過剰な献身性があります。自分のやりたいことのすべてを「わがまま」にしてしまうような。

 妹の遥も、彼方の献身性を心配していました。自分が自立しないと、彼方はいつか、唯一譲れないスクールアイドルすらも、自分のために辞めてしまうのではないか......。

 自立を目指した遥と、遥を大切に思う彼方の想いはすれ違います。しかし、「あなた」の助けもあってお互いの気持ちをわかりあった二人は、さらにその絆を強くします。自立を始めた遥に助けてもらった彼方は、スクールアイドルにさらに取り組める態勢が整ってきます。

 そういえば、彼方と遥の関係が直ったあと、「あなた」に感謝と今後のサポートをお願いした遥に対し、彼方が「あなた」に対する独占欲を見せているシーンが......。

 やっぱり気を付けて!彼方ちゃん!歩夢ちゃんが狙ってる!!!

 

 気を取り直して。

 これまでよりスクールアイドルに取り組める余裕ができた彼方。彼方は、理想のライブの実現に向けて、計画を始めます。

 そのライブのコンセプトは、「夢の世界でライブをする」。そのために作られた曲が『Märchen Star』です。

 『Märchen Star』の歌詞には、彼方が理想とするライブのイメージがふんだんに盛り込まれています。彼方がイメージする「夢の世界でライブ」とは、どのようなライブなのでしょうか。

彼方「ステージの上にベッドを置いてね、おやすみなさ~いって寝るのと同時に、照明を落として真っ暗にしちゃうの。」

「そして~、天井にプラネタリウムみたいに星を投影するんだ~」

「天井から星が降ってきて、ステージの背景をロマンチックでスイートで、ほわほわ~な世界に変えちゃう!」

「そこで、魔法使いになった彼方ちゃんが、メルヘンな世界を飛び回るの!」

              スクスタ 彼方キズナエピソード19話より

 これまでのライブでも、彼方のステージではベッドが登場したり、スモークで雰囲気を演出したり......。彼方のライブのイメージをより近い形で実現するために、様々な演出が行われてきました。近江彼方役の鬼頭明里さんも、まさに彼方そのものとして、ステージのベッドを使って「近江彼方」を全身で表現してきました。

 今回の楽曲『Märchen Star』では、10人の中でも特に、明確にステージの構想、演出が描かれています。きっと、ライブ本番でも、彼方のイメージする「夢の世界でのライブ」にできるだけ忠実なライブが、見られることでしょう。

 ステージの上にベッドがあって、彼方が寝たら暗転して。ここまではできそう。天井にプラネタリウムは投影できるかなあ。星が降ってくるのはもっと難しい?彼方ちゃんが飛んだらほんとうにびっくりしそうだけど......。どうでしょう。今から、想像は尽きません。でも、彼方の想像するステージがそこに再現されることは、間違いないと思います。東京ガーデンシアターの空に、満点の星空、見たいなあ。

 

 

 ライブまであと5日。今日は『Fire Bird』。それから『Märchen Star』についておはなししてきました。

 果林と彼方。似ているような、似ていないような。そんな二人。でも、二人とも、2ndライブでこれまでとは違う、私たちの想像の斜め上、いやもう垂直くらい上のステージを見せてくれることは、間違いないと思います!

 それではまた、明日お会いしましょう。

 ライブまで一日一日、頑張っていきましょうね!

 こばと