ニジガクカウントダウンウィーク! #2 Margaret

 虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会2ndライブまであと2日!

 6回目の「ニジガクカウントダウンウィーク!」。ついに、ここまで来ましたね......!

 前回記事は下に貼っておきます。カテゴリー「ニジガクカウントダウンウィーク」でまとめてみることもできるので、ぜひ!

 

tsuruhime-loveruby.hateblo.jp

 

 今日9月10日は、中須かすみ『Margaret』。

 

 

 私にとって一番の推しであるかすみちゃん。そんなかすみちゃんに関しては、既に『無敵級*ビリーバー』発売に合わせて、考察記事を発表しました。

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  この記事では、『無敵級*ビリーバー』の歌詞やアニメーションPVを軸に、スクスタのメインストーリー、かすみちゃんのキズナエピソード、サイドエピソード、さらには「ニジガクみゅ~じっくウィーク!」で先行公開されていた3rdアルバム『Just Bellieve!!!』収録曲の『Margaret』のワンコーラス分(一番)の歌詞を耳コピし、それらを総合して「中須かすみ」というスクールアイドルを、いやひとりの女の子を、考察したものです。

 一方、これまで連載してきた「ニジガクカウントダウンウィーク!」は、基本的にはそれぞれのメンバーのサイドストーリーを1話から21話までなぞって、それから3rdアルバム収録曲へと進んできました。

 既にキズナエピソード18話までは上記の記事で言及しています。改めて読み返してもいいのですが、現状私のかすみちゃんへの認識は上の記事から変わったということではありませんので、本記事はキズナエピソード19、20、21話と『Margaret』のフルコーラスを題材に、上記の記事の補足という形にさせていただきたいと思います。長くて読みごたえがありすぎるかもしれませんが、ぜひ上記の記事を読んでいただければと思います。自信作ですので......!

 もちろん、考察記事というのは書き手の作品にとってはコバンザメでしかありません。上記の記事も、今回の記事も、これからスクスタや、あるいはアニメなどでかすみちゃんに関して様々な描写がなされていけば、そのかすみ像は砂上の楼閣のように崩れてしまうこともあり得ます。しかし、ある意味で考察記事というのは、対象のキャラクターを自分の人格に投影して、キャラクターという鏡越しに「そのときの自分」と向き合う行為でもあると思っています。「物語」というのは、いつだって自分を映す、澄み切った鏡なのです。いつも「鏡」と向き合うかすみちゃんのように、私も中須かすみという「鏡」にまっすぐ向き合って記事を書いていきたいと思います。

 前置きが長くなりました、それでは、行ってみましょう!!

 

※本記事は、アプリ「ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル オールスターズ」、虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会2ndライブ公式パンフレット、雑誌『LoveLive!Days虹ヶ咲SPECIAL』、書籍『にじよん』などを参考にしており、それらの内容への言及、引用、ネタバレを含む場合があります。予めご了承ください。

M9:『Margaret』 「ヴェールを脱いだ私、かわいいですか......?」


【ニジガクみゅ〜じっくウィーク!〜1週目〜】Margaret / 中須かすみ(CV.相良茉優)

  「中須かすみは、素顔を見せない」。

 完璧な「かわいい」で覆われたかすみの素顔は、まだ誰も見たことがない。

 これまで、メインストーリ―でもキズナエピソードでも、完璧な「かわいい」を身に纏ったかすみしか、私たちは見たことがなかった。確かに、「かわいい」はかすみの最大の個性であり、トレードマークであり、「かすみそのもの」とっても過言ではないかもしれない。しかし、同時に私たちはかすみの「かわいさ」に僅かな綻びを感じていた。そう、きっと素顔のかすみが、その「かわいさ」のヴェールの裏側にいるのだと.......。

 

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悩むかすみ。スクスタかすみキズナエピソード18話より。

 キズナエピソード18話は、かすみと「あなた」の物語のなかで、一つの大きな転機となった。これまでどんなことがあっても弱さを、そして本心を見せることのなかったかすみが、初めて「弱さ」を見せたのだ。

 ファンクラブ会員が思ったように増えないかすみ。時間が経つとともに、それは他のメンバーとの明確な差ともなり、かすみに焦燥感を与えていった。

 かすみの本質のひとつは、既に触れたように「自信のなさ」。そしてもうひとつの本質は、「自己評価の高さ」にあるのだと思う。自分の可愛さに自信のないかすみ、しかし、一方でかすみには「自分ならやれる」という自己評価の高さがあった。もちろん、この自己評価の高さは、かすみがどんな困難に直面してもどうにか折れずに立ち上がる強さでもあったが、一方でかすみにとって、理想と現実の、徐々に埋めようがなくなっていくギャップは、耐えきれないものとなっていったのだ。

 

 「あなた」は、そんなかすみを、決して追及することはなかった。ほんとうは、踏み込んでかすみの心の奥深くを知りたい。しかし、それはかすみにとって、まだ避けなければならない事態なのだと思う。逆に言えば、まだかすみの本心に斬りこむのは危険なのだ。「あなた」は、それを理解した。だからこそ、「あなた」はかすみを励ましただけだった。一人でも、かすみを好きでいてくれる人がいる。それだけで、かすみは立ち直ることができることを知っていたのだ。

 

 ところで、前回記事では触れなかったが、補足的に毎日劇場を紹介したい。7月19日の毎日劇場である。

ことり「 で~きた! かすみちゃん、鏡見てみて?」

かすみ「 ……! か、かわいい! かすみんが、かわいすぎます……っ!」

ことり「 かすみちゃんてなんでも似合っちゃうから、お洋服を選ぶの大変だったよ~。でも、ことり的サマースタイルは、これ!」

かすみ「うわあああ~! かわいいかわいいっ! ほんとにかわいいですっ、ことり先輩!」

ことり「 ふふ、ちょっとだけメイクもしたもんね♪
かすみちゃんはビタミンカラーが似合うから、元気いっぱいの夏メイクが似合うよ」

かすみ「 私、こんな自分、初めて見ました……」

ことり「 かわいいかわいいかすみちゃん、これから、ことりと一緒にお出かけしませんか?」

かすみ「え! このお洋服を着てお出かけしていいんですか?」

ことり「うん♪ こんなにかわいい恰好してるんだから、遊びに行こう~!」

かすみ「ことりせんぱぁい!!」

       スクスタ 毎日劇場 2020年7月19日 「ことりせんぱぁい……♡」より

  これまでで一番好きな毎日劇場かもしれないこの回。ことりとかすみのあまりに愛おしい会話に見落としてしまいそうになるが、大事なポイントがあった。

 そう、かすみの一人称である。想像以上にかわいくなった自分に驚いたかすみは、一瞬素の姿を見せたのである。「私」。学園や同好会での一人称は「かすみん」だが、それがある意味では「作られたキャラクター」であることの、これがひとつの証左であろう。ところで、ここで見せたかすみの素顔は、キズナエピソード18話での「追い込まれたかすみ」の素顔とは、質が違うものだと思う。かすみが、取り繕わずに「私」として我々に向き合ってくる瞬間がいつになるのだろうか。いつか来るのだと、今は信じていたい。

 

 話を戻そう。18話で素の部分をみせたかすみだが、あなたの励ましもあって、すぐにもとのかわいいかすみに戻る。そんなかすみが言うには、次のライブでは「アンニュイ」なかすみで、みんなを驚かせるというのだ。

 かすみはこう言う。

かすみ「ほら、この前、アンニュイなフリをしたかすみんを見た先輩の反応!あそこからピーンッ!ときたんです!」

            スクスタ かすみキズナエピソード19話より

 あれは決して、フリではなかった。かすみは、ごまかしているだけだ。

 しかし、「あなた」は素のかすみが見れたことが嬉しかったのだろう、それが表情に出ていたらしい。かすみがこれまで頑なに封印していた「弱さ」を見せたにもかかわらず、「あなた」は悲しんだり遠ざかったりしなかった。それは、かすみにとっては大きなことだった。

 かすみの中で、確かに化学反応は進んでいるようだった。今はまだ、素顔のかすみを見せるのは、ちょっとした秘策。そう、ファンクラブの会員を喜ばせたり、会員の数を増やしたり......。まだ、かすみの中では、少し不本意な選択肢なのかもしれない。

 しかし、みんなは必ず素顔のかすみを受け入れるだろう。むしろ、もっともっと喜ぶに決まっている。まだ、かすみにはそこまでの自信はないかもしれない。しかし、それは確実に起こる。それが、かすみの心の中で、大きな変化を起こしていくに違いないのだ。

 まだ、素顔を見せるのは不安なかすみ。しかし、これはかすみにとっての第一歩だ、いつか、かすみが被った「かわいいかすみ」のヴェールを完全に取り払って、まっすぐに、飾らずに、私たちに向き合ってくれるまでの、そんな長い物語の、第一歩なのだ。

 

 ライブは大成功。「あなた」は、ファンクラブ用のこのイベントの動画を、アップロードしてみんなに見てもらうことを提案する。かすみは断らなかった。ファンクラブのみんなが素顔のかすみを受け入れてくれた。それは、かすみのなかで、一つの自信となったのだ。

 

 「あなた」の提案も大成功だった。かすみの動画は、大反響を呼んだ。かすみのファンクラブの人数も激増。ようやく、かすみのスクールアイドルの物語は、動き始めたのだ。

 同好会のみんなの前では、それまでと同じように振る舞うかすみ。しかし、かすみの中で確かな変化が始まっていることは、疑うまでもないことだと思う。

 

 

 『Margaret』は、そんなかすみが見せる「アンニュイ」なかすみ。と、本人は言っているが、それは恥ずかしさ故だろう。この曲は、まごうことない「素顔のかすみ」の曲だ。

「聞いて!

 泣き顔も笑い顔も 全部見て欲しい

 たまに出る変な顔も 笑って許してね

 いつも好きでいてくれる君にとって 一番でいたい

 想いのままを歌に乗せたよ

 これからも頑張ろう、君のために!」

                  『Margaret』歌詞より 

  それまでのかすみが、自分が「かわいい」ことを主張するときに、自分の努力、あるいは身につけているものなどを挙げて、自分自身のことを一つも挙げていないというのは、既に前の記事で述べた通りだ。

 しかし、『Margaret』は違う。劇的に違う。サビに入って真っ先に出てくるのは、繰り返し出てくるのは、かすみの顔。それも、笑顔だけではない。泣き顔。変な顔。これまでかすみにとっては不本意だった完璧ではないかすみも、高らかに見て欲しいと歌う。かすみ自身を見て欲しい。初めて、かすみはこう言ったのだ。

 一見すれば、ただ「自分を受け入れて」という歌詞かもしれない。しかし、かすみにとってこの歌詞は意味が違う。初めてかすみは、自分の素顔と向き合えたのだ。

 

「聞いて!

全部伝えたとしても 離さないでほしい

大事にしてきたものよりも 大事なものできたよ

 

ヴェールが包む 隠れた私

驚かせちゃってほんとにごめんね

でもどうしても繋がりたいから!

スペシャル・マーガレット!」

 『Margaret』歌詞より       

 「大事にしてきたものよりも 大事なものできたよ」。

 ここは、少し難しい。かすみが大事にしてきたものとは何か。それは「かわいい」だろう。「かわいいだけは、負けるわけにいかない」。それがかすみの意地だった。唯一のアイデンティティーだった。しかし、それは同時に足枷でもあった。

 一番じゃなければいけないというこだわりは、結果の出なかったかすみを追い込んだ。かすみが唯一のアイデンティティーだと思っていたものは、崩れ去ろうとしていたのだ。

 しかし、かすみは気づいた。「完璧な、一番のかわいさ」ではなくても、かすみのことを肯定してくれる存在がいることに。それまで、かすみは自身のない、嫌いな素顔の自分をみせてしまったら、(それはもしかしたら昔のように)、みんなが離れていってしまうのではないかと怖がっていた。

 

 かすみは自分に魔法をかけた。かわいいの魔法を。

 

 完璧なかわいいを演じるかすみは、嫌いな自分と向き合わなくてよくなった。過去の自分と決別した。かすみは「かわいい」のヴェールを被った。それは、言い換えれば「殻」のようなものだった。かすみを守るためのものだった。

 しかし、「かわいい」のヴェールは、皮肉にもかすみを苦しめた。ヴェールを被ったかすみは、ほんとうのかすみではない。偽物のかすみがいくら褒められても、それはかすみにとってほんとうの自信にはならない。それに、素顔が見えないかすみは、人によっては魅力的に見えないと感じたのかもしれない。血が通っていないような怖さが、あったのかもしれない。だからこそ、かすみのファンクラブは、思ったより広がらなかった。

 

 しかし、かすみは変わった。かすみは、少しづつヴェールを脱ぎ始めたのだ。かわいいの魔法は、解け始めた。しかしそれは、かすみにとって不都合になってしまった「殻」を、脱ぎ捨てることでもあった。

 ともすれば、この曲の私にとってのイメージは、ウエディングドレスに身を包んだかすみが、そのヴェールを取り払う瞬間の、その瞬間のメロディーだ。ヴェールを取り払ったかすみが、どんな顔をしているかはわからない。いや、そんなことは問題ないのだ。どんなかすみの、とびきり魅力的でかわいいんだということを、そのままでいいんだということを、息が切れるまで伝えたい。かすみのすべてを、そのままに受け入れて抱きしめたい。その気持ちは、ようやくかすみに届くようになったのだ。

 

 

 ところで、「スペシャル・マーガレット」という歌詞。それから『Margaret』という曲名。どうしてマーガレットなのだろうか?

 マーガレットには花言葉がある。基本的なマーガレットの花言葉は、「真実の愛」とか、「信頼」というイメージだ。

 しかし、黄色のマーガレットには、「美しい容姿」という花言葉がある。これは、かわいいかすみちゃんには、ピッタリな言葉だと思う。「これまでのかすみ」を表すなら、これでぴったりだ。

 しかし、『Margaret』を歌うかすみは、きっと純白のドレスに身を包んでいるのだと思う。白のマーガレットの花言葉は、「心に秘めた愛」。かすみの素顔を、心の中の気持ちを表すには、こちらの方がぴったりだ。

 事実、今回のかすみのライブ衣装では、黄色はかなり少なくなっている。そして、かすみが着ているのは、ウエディングドレスに見えなくもない、フリルの綺麗な白のドレスである。

 ちなみに、よく見ると胸元のコサージュには、黄色のマーガレットが使われている。そして、ピンクやオレンジ(?)のマーガレットも。どうして白いマーガレットが無いのか。それは、白いドレスに身を包んだかすみ自身が白のマーガレットだからであろう。

 さらに、よく見ると、花弁の小さな白い花が添えられている。これはかすみ草ではないだろうか。

 かすみ草は、花嫁のブーケや花冠にも使われる。やはり今回の『Margaret』のイメージは、ウエディングドレスに身を包んだかすみなのだと思う。

 

 ヴェールを脱いだかすみを迎えに行くのは、私たちだ。待っている時間はない。素顔のかすみを全身で受け入れるための準備は、もうできているはずだ。

 

 

 

 最後の花言葉とかかすみ草とかは、ちょっと自信ないかなあ......。こじつけといえばこじつけかも。それでも私の中での『Margaret』のかすみは、純白のウエディングドレスを着てるんだけどねえ。

 ライブ当日の相良茉優さんのパフォーマンスも楽しみですね。相良さん、ほんとうにかすみちゃんそのものなんだよね。まさに一心同体と言うべきか......。『無敵級*ビリーバー』の相良さんも見れるんでしょ?こりゃ、いのちがいくつ必要なんだか.......。

 最後まで自分の妄想を引っ張りますが、2ndライブの『Margaret』ステージでは、相良さんがヴェールを被って出てきたら嬉しいなあ。曲が始まるとヴェールを脱ぐ相良さん。おっと、妄想はこのくらいまでにしておきましょうか。

 

 ライブまであと2日。今日は『Margaret』についておはなししてきました。

 もうすぐですね。楽しみだな。明日は生放送もあるみたいだしね。高まります。

 それではまた、明日お会いしましょう。

 ライブまで一日一日、頑張っていきましょうね!

 こばとん