ニジガクカウントダウンウィーク! #1 決意の光
虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会2ndライブまであと1日!ついにここまで来ましたね......!待ちに待った明日が、ライブ当日です!あんまり実感はわかないけど......。
7回目の「ニジガクカウントダウンウィーク!」は、三船栞子『決意の光』。
前回記事は下に貼っておきますね。カテゴリー「ニジガクカウントダウンウィーク」からも一覧できるので、そちらもぜひ。
栞子ちゃんに関しては、同好会への加入が発表されたときに、「10人目のメンバー、栞子の加入」ということをテーマにして、既に記事を発表しています。しかし、こちらではあくまでも「栞子の加入」という一点に絞って記事を書いたために、キズナエピソードや『決意の光』に関してはあまり触れていません。
メインストーリーを踏まえての栞子は、ぜひこちらの記事を参照していただければと思います。本記事では『決意の光』とキズナエピソードを中心に、2ndライブに向けた形で、栞子について書いていきたいと思います。
それでは、いってみましょう!
※本記事は、アプリ「ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル オールスターズ」、虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会2ndライブ公式パンフレット、雑誌『LoveLive!Days虹ヶ咲SPECIAL』、書籍『にじよん』などを参考にしており、それらの内容への言及、引用、ネタバレを含む場合があります。予めご了承ください。
M10:『決意の光』 輝きを紡ぐ、第一歩はあなたと一緒に
※『決意の光』は、10曲目に収録されています。
【試聴動画】Just Believe!!! / 虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会
「まっすぐ」系スクールアイドルの栞子。「10人目のメンバー」である栞子がこれまでの「ラブライブ!」から考えれば特別に異色の存在であることは言うまでもありませんが、途中加入となった栞子自身の物語も、そして『決意の光』も、また極めて異色な存在であるといえるでしょう。
まずは、システム的な問題。スクスタで配信されている3rdアルバム収録曲ですが、これから3DMVを配信、としながらも、これまでおはなししてきた9曲は、未だ3DのMVが配信されていません。つまり、振り付け、演出ともに、2ndライブでどのようなパフォーマンスがみられるか、まだわかっていないということを意味しています。
一方で、『決意の光』は、既にその3DMVが実装されています。それに衣装もすでに実装され、2ndライブの衣装を着て踊る栞子の姿を見ることができる分、2ndライブでの三船栞子役・小泉萌香さんのパフォーマンスも、ある程度イメージを描くことができるでしょう。
キズナエピソードも、その構成は大きく異なります。そもそも、途中からの同好会加入となった栞子には、キズナエピソードが6話しかありません。これは致し方ないことでもありますが、栞子自身に深くキズナエピソードで接近していくのは少し難しくなっています。それに、他のメンバーたちが「あなた」との出会い→ソロイベント(2ndアルバム収録曲)→ファンクラブ設立(メンバーによるが)→再びソロ(ファンクラブ)イベント(3rdアルバム収録曲)といったある程度同じようなプロットのお話になっているのに対し、栞子のストーリーは同好会に入った後の栞子と、お互いに同好会に馴染んでいく様子、それから初めての楽曲『決意の光』が生み出されるまでの経緯が描かれます。
一見すると、まだ少しものたりない感のある栞子のキズナエピソード。しかし、私はこの他のメンバーとは違う段階で始まる、そのステップこそが、栞子と『決意の光』のストーリーにおいて重要なのだと考えています。
なんでもそつなくこなす栞子。その能力の高さは他の同好会メンバーも認めるところです。それはせつ菜との生徒会長選挙でも確かに証明されました。「人の適性を見極める」ことに優れた栞子。生徒会長選挙でもその力をいかんなく発揮し、敗れたせつ菜すらもその能力を認めるほどでした。
栞子の生まれた三船家は、いわゆる「名家」。育ちのよい栞子は、多くの習いごとにも励んでいました。
キズナエピソードでも、日本舞踊に励む栞子の姿が描かれます。生徒会の仕事、普段の習いごと、そして新たに始めたスクールアイドルの活動。そのすべてを、まったくパフォーマンスを落とすことなくこなす栞子の姿は、同好会のメンバーにとっても大きな刺激になっていました。
しかし一方で、栞子は自身の目指すスクールアイドルの姿に悩んでいました。「どんな歌を歌いたいのか」。栞子は、その質問に答えを出すことができずにいたのです。
栞子が聞くと、他の同好会のメンバーは、明確に「なりたい自分」の形を持っていました。それは、栞子にとって衝撃でした。自分は、なりたいスクールアイドルのイメージを持っていない......。一度は「スクールアイドルには向いていない」と結論を出すなど、栞子にとっては悩ましい問題でした。
確かに、他の同好会メンバーは今となっては「理想とするスクールアイドル」像を強固に持っているように見えます。しかし、それは決して一朝一夕に手に入れたものではなく、それぞれ苦悩の末に手に入れたものであるということは、すでにこれまでみなさんが見てきたとおりです。まだ、栞子はその入り口に立っているだけなのですから、「なりたい自分」の姿が無かったとしても、決しておかしいことではありません。
「人のことは見えるのに、自分のことはこんなにもわからない.......」。
悩む栞子に声をかけたのはせつ菜でした。せつ菜は、栞子にどうしてスクールアイドルになりたいと思ったのか、そう問いかけます。
栞子の答えはこうでした。
栞子「どうして......?そうですね......、
毎日の厳しい練習で磨きぬいたパフォーマンスで、たくさんの人の心を動かす姿に惹かれたから......でしょうか」
「スクールアイドル活動をすれば、私の気持ちも少しは上手く伝えられるようになるかもしれない、と思ったんです」
せつ菜「思いを伝えて......その後は?」
栞子「その後......。今より少しでも、善い世界に変えたいです。不幸な人がいない、そんな世界にしたいんです」
スクスタ 栞子キズナエピソード4話より
栞子がどうして「不幸な人がいない世界」を望んでいるのかは、正確なところまではわかりません。確かに栞子は、「皆が適性どおりに生きれば、不幸な人はいなくなる」と信じて、生徒会長をしています。そして、栞子にとって一番その「適性どおり」ではなく、決断によって不幸になった人は、栞子の姉、薫子であったはずです。
しかし、栞子の「スクールアイドルフェスティバル」の成功に携わり、そして自分の気持ちと向き合ってスクールアイドルを目指すようになった今、その薫子に感じていた「不幸」であるという一種の思い込みは、ある程度解消されたはずです。それなのに、栞子はなお「不幸な人がいない世界」を望んでいます。その理由は、もしかしたらもっと根深いものが、きっと他にもあるのでしょう。しかし、今の私たちには推測のしようもないことです。
しかし、その前の、栞子本人の目標は、私たちにもわかるような気がします。栞子は、持ち前の能力である「適性を見極める」という力を使って、様々な提案をしました。そして、それは確かに疑いようもなく正論でした。しかし、それがたとえ正論であったとしても、必ずしも誰もにとって受け入れるものというわけではありません。しかし、栞子はそのことがまだ、よく分かっていなかったのです。さらに、自分の正論が退けられる経験が積み重なった栞子は、いつのまにか他人を信じることができなくなり、また自分を信じることも出来なくなっていったのです。
生徒会長として、徐々に追い込まれていく栞子。そんな栞子を救ったのは「あなた」でした。自分の意見が通らないことを半ば諦めている栞子に対して、「あなた」は決して栞子の意見を否定せずに、他の部活と折衝して妥協案を出す方向へと導いたのです。
「あなた」は栞子にとって、久しぶりに出会った信用できる人だったのかもしれません。同好会に体験入部した栞子は、しだいに同好会メンバーへと心を開いていきました。
そんな栞子が次に直面したのは、「あなた」と歩夢のすれ違いでした。しかし、栞子は「あなた」と歩夢の関係修復を信じて、最後までその機会に協力しつづけました。もうこの時、栞子のこころの中では、変化が始まっていたのかもしれません。
絶望的に見えた、「あなた」と歩夢の関係。そして、スクールアイドルフェスティバルの開催。しかし、歩夢は、配信一つでその全てをひっくり返してみせたのです。「スクールアイドル」。その力を、栞子が思い知った瞬間でした。この時にもう、栞子の気持ちは半分決まっていたのだと思います。
ついに「スクールアイドルフェスティバル」当日。姉・薫子との対話。それからステージで輝くスクールアイドルたち。栞子の気持ちは決まりました。栞子は、虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会に入部、スクールアイドルとしての一歩を歩みだしたのです。
「あなた」、歩夢、それから同好会のメンバー。みんなと出会った栞子は、人を「信じること」を、それから、方法が間違っていなければ、想いは人に伝わるんだということを知ったのです。
栞子には、伝えたいことがあるのです。しかし、生徒会長になっても、それをうまく伝えることができませんでした。せつ菜とも、スクールアイドル同好会とも、それから他の部活の人たちとも、栞子は衝突してしまったのです。
栞子がスクールアイドルをする理由、それは自分の想いをうまく伝えるためです。「少しでも善い世界」に、「不幸な人がいない世界」。栞子が理想だと思う世界をみんなに伝えていくためには、それを実現していくためには、これまでの方法では叶いません。栞子には「スクールアイドル」の力が、どうしても、必要なのです。
自分の曲のイメージに苦しむ栞子。しかし、同好会のみんなの協力もあって、徐々にそのイメージが固まってきます。
栞子「まず、思いを伝えるためには、飾らずにいる必要があるのではと思いました」
「この前、みなさんから頂いた、たくさんの資料を見て感じたんです」
「みなさんが私をどういう風に見てくれているのか、それを飾らずに真っ直ぐに伝えてくれることが、どんなに嬉しいのかを」
「だから、私はまず、自分のことを真っ直ぐ伝えるところから始めることにします」
スクスタ 栞子キズナエピソード6話より
「真っ直ぐ」。これが、栞子のスクールアイドルとしての個性、それから目標です。これまで、うまく自分の気持ちを伝えられなかった栞子。だからこそ、「真っ直ぐ」伝えることこそが、栞子がいま目指す道なのです。
栞子「ありがとうございます。でも......スクールアイドルとしての夢は、まだ見つかっていません。」
「より善い世界を作りたい、という漠然とした想いはありますが、そのためにスクールアイドルとしてこうしよう、ああしようと言えるものは、まだまだ模索中です
(中略)
「でも、私のように、欲しいものがふわふわとしていて不安に思ったり、焦ったりしている人も、きっとたくさんいるはずです」
「ですから、私と同じ不安を抱えている人たちに、今はそれでもいいんだよ、と、支えになれるような、そんな歌を歌いたいです」
「これはきっと、今の私にしか歌えない歌だと思いますから」
スクスタ 栞子キズナエピソード6話より
栞子は、ラブライブ!初の「途中加入」のスクールアイドルです。私たちは、栞子がまだ、全くスクールアイドルではない時から、長い時間をかけて栞子を見てきました。「あなた」、そう、私たちと同じペースで、栞子は虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会の物語を見てきました。その中で、栞子はさまざまなことを感じ、受け取り、変化して、ついにスクールアイドルとなる決断をしたのです。
Aqoursのみんなのストーリーが「0から」のスタートであったとしたら、栞子のストーリーは「マイナスから」のスタートです。栞子は、最初は、スクールアイドルとしてのスタートラインにすら立っていませんでした。マイナスからのスタート。「あなた」と、歩夢と、虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会のみんなと出会って、今ようやく、栞子はスクールアイドルとしてのスタートラインに立ったのです。まだ、栞子は目指す自分の姿を見つけられていません。それは、まだ栞子がマイナスからゼロの地点に立って、歩き出そうとしているところだから、きっと、「あなた」も同じです。まだ未来像が描けないひとも、きっとたくさんいるでしょう。私もその一人です。栞子は、そんな「あなた」たちに寄り添って、二人三脚で同じ速度で歩いてくれる。そんなスクールアイドルなのです。
栞子のストーリーは、「あなた」のストーリーと同じペースで、テンポで、タイミングで、流れていきます。始まりは、みんなより遅かったかもしれません。しかし、それゆえに「あなた」に寄り添えるのが、「あなた」と同じ速さで歩けるのが、栞子の強みなのです。
『決意の光』は、栞子が今しか歌えない歌です。きっと、栞子が歌える歌は、これからもっともっと広がっていくでしょう。栞子の視界は、もっともっと、広がっていくでしょう。
そして、栞子と同じスピードで歩く「あなた」。同じ悩みを抱える「あなた」も、栞子と同じスピードで変化していくのです。きっと、「あなた」も、これからニジガクのみんなからいろいろな刺激を、感動を、感情を、もらうことでしょう。そうやって歳月を重ねていけば、栞子と同じように「あなた」の物語も、きっと新たなステップに進んでいることでしょう。
「たとえ今はまだ漠然とした夢でも
一歩前に踏み出してみれば明日は変わる」
『決意の光』歌詞より
明日、栞子は私たちの目の前で、最初の一歩を歩み出します。そして、それは私たちが一歩を踏み出す瞬間でもあります。ニジガクのみんなの輝きにこころ動かされて私たち。明日という日は、栞子と私たちの、二人三脚の一歩目を踏み出す日なのです。
「揺るぎないキズナ胸に 物語は次の舞台へ
そうここから輝き紡いでゆけ」
『決意の光』歌詞より
さあ、行きましょう。明日は、私を含めた「あなた」の、栞子の、そして新生虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会の、最初の一歩を踏み出す日です。もたもたしていたら、みんなに置いていかれちゃいますよ?もう「その瞬間」を目撃する、こころの準備はできていますか?
「トキメキ」をもらったあなたが、新しい物語を、輝きを、紡いでいくための明日。そして明後日。
皆さんの虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会2ndライブが、素敵な一歩目になりますように。