こばとんの徒然散歩 #1東京競馬場
お久しぶりです。こばとんです。
しばらくぶりの更新になりました。ここまで更新頻度が落ちたことにはいくつか複合的な理由がありますが、それはまたいつかお話しましょう。少なくとも、ブログを辞めてしまうわけではないことは間違いありません。あとはね、一時はラブライブ!専門ブログっぽくなりましたが、もうちょっと多くのジャンルの記事を書きたいなと思っています。ラブライブ!関連の記事を書いてたら、いろんな人と出会えたんだけど、その人たちとはまたいくつか別の共通点もあったんですよね。本来はなにかジャンル的な縛りのあるブログではないので、いろんな記事を書いて、もっともっとみんなと繋がっていきたいと思っています。この3か月は、しばらく全力疾走して見失ってしまった「なんのために書くのか」ってことを考えてきた時期って感じですかね。そろそろ放牧はやめて帰ってきます。
この3か月、いろんなことがありました。文化的な面で言えば、「インプット」の時期だったと言えるかもしれません。久しぶりにいろんなアニメを一気見したりして......。アウトプットだけじゃ疲弊しちゃうからね。
さて、心奪われたアニメのなかに、『ウマ娘 プリティーダービー』があります。何度も延期が発表されながらもついにリリースされたゲームが有名ですが(マジでよくできてるゲームだから絶対プレイしてくれよ)、アニメもまた素晴らしく面白いです。ウマ娘はもちろん競馬をモチーフにした、艦これや刀剣乱舞のような「擬人化」の作品です。題材となる馬は主に1990年代に活躍した競走馬たち。実在の歴史としての競馬の物語を極めて忠実に再現し、さらにファンに嬉しい小ネタをしっかり丁寧に仕込みながら、普遍性のあるスト―リーで感動を届けてくれる。こういうバックグラウンドにある広い世界の魅力を伝えてくれる作品、良いですよね。「普遍性」がやっぱり大事だと思うんだな。細かく作りこんだ先に、誰にでも感動して共感できる普遍性がある。ガルパンとかもそうだと思うのですが、そういう作品の魅力がしっかり備わった良作です。ぜひ見て下さいね。
オタクにとってはまさに蟻地獄。毎日のように競馬関連の動画やWikipediaを見て、どんどん知識が蓄積されていきます。知識が貯まれば、今度はエビデンスが欲しいところ。「競馬場に行ってみたい」。さあ、お散歩に出かけましょう!
0.9kmのショートトリップ
東京競馬場に向かう時、鉄道ファンには絶対に外せないイベントがあります。
京王電鉄競馬場線。東府中駅から府中競馬正門前駅までの僅か1駅、0.9kmを結ぶこの路線は、完全に競馬の観客を輸送するためだけに存在しているといって間違いないでしょう。
短くて、片側はどの路線とも接続していない。こういう路線を、「盲腸線」と呼びます。盲腸線はそれぞれ特有の理由によって建設され、その分魅力にあふれているのですが、その「理由」が無い限りは、乗ることのない路線ともいえます。できればすべての路線に乗っておきたいという「乗り鉄」の因子を、すこーしだけ私も継承しているようで......。なんにしろ絶好の機会。まずは東府中駅から、競馬場線の短い旅をするとしましょう。
静かに進入してきた電車を一両分独り占めすると、ゆっくり電車は発進します。大きな踏切を越えて、神社の参道を横切って。景色を楽しもうと思った瞬間、電車は減速していきます。流石に短い。ついたのは、競馬場があるとは思えないほどのどかなホーム。春の陽気はうららかに。少し汗をかくくらい。お散歩日和です。
初めての競馬場
やけに広いコンコースを進み、多すぎる改札機を越えると、もうそこから「競馬場」がはじまっていました。長いペデストリアンデッキ。少しづつ競馬場が近づいてきます。
ゲートには警備員さんがいました。このご時世、しっかり検温をしてくれます。少しづつ感染者が増える東京ですから、あえてすいているであろう日を選びましたが、杞憂でした。あまりに広い競馬場のなかには、まばらに人が散らばっているだけでした。今日はレースもありません。誰にも気兼ねすることなく、競馬場探訪を楽しめそうです。
ゲートを入ったら、すぐにエスカレーターをかけ下ります。まずは、パドックをみるとしましょう。
ここは、レース前に競走馬が登場し、周回する場所です。馬券を買う前にここにきて、出走馬の状態を見極めるそうです。ツヤの良さとか、そういうところで状態を見極めるそうですが......。私にはあんまりわかりません。それで状態がわかるってすごくない?体重の増減とか、結構競馬って繊細な部分が判断材料になってるなあって思います。パドック自体には、結構近くまで行けるんだなあって印象があります。水族館のショーの最前列と同じくらいの距離感じゃない?もちろん、馬を刺激することをしたり、例えばシャッター撮影をするのは禁止です。いつか、競馬開催時に一度来てみたいなあ。
そういえば、パドックはアメリカでの言い方(Paddock)で、イギリスではParade Ringと呼ぶそうですが、東京競馬場での表記は後者でした。特に意味のない気づきなんだけどね。やっぱり競馬の本場はイギリスってことなんでしょうか。でも日本ではパドックっていうよね。
パドックを離れたら、競馬場の建物に入っていきます。いやしかし、入る前から建物の存在感に圧倒されてます。長城か?
長城かとおもったら、なかはまるで宮殿のようです。野球場でもなかなかここまで豪華じゃないんじゃない?奥行きはなくひたすら左右に長いのですが、それでも迷子になってしまいそうです。
まずはどこを目指しましょうか。とりあえずコースが見たいかな。しかし、新型コロナウイルスの影響もあって、いろいろと閉鎖されています。行ったり来たりを繰り返しながら、コースへと向かいました。
見えました。大きなビジョンが中央に。ここからだと、全体を見回すのは難しそうです。少し動いてみるとしましょう。
それにしても、広い!とにかく広い!向こう側なんかぜんぜん見えやしません。東京ドームの天井からメインステージを見るより遠いんじゃない?あとは、思ったよりもコースの中央にはいろんな設備があって、さらに視野は完全とは言えません。全体像を観たいならもっと高いところに行った方がいいのかなあ。しかし、今は観客席が閉鎖されているから、それは叶いません。
少しずれたところへ。ここが一番見やすそうです。それでも広いです。あと直線が長い。短い短いって言われてる中山の直線はどのくらいなんだろう。それでも長いんだろうな。これの半分でも十分長いよ。
コースは実際は平坦ではなく、意外と高低差があるのですが、パッと見てわかりやすいほどではありませんでした。それにしても、各競馬場で全然コースが違うの、良いですよね。各球場が唯一無二の特徴を持っているメジャーリーグと同じような魅力を感じます。いろんな競馬場にも行ってみたいなあ。
観客席も大きいです。しかし、ここに10万人以上はいるようには見えませんでした。立ち見がぎっしりいるんだろうなあ。観戦するだけで一苦労だろうなあと、思いを馳せてみるのでした。
んーと、これが「ハロン棒」ですよね?今見ると、これは内側のダートコースのやつなのかしら。ハロンはfurlongが訛ったもので、1furlongは大体200メートル。日本では1ハロン=200mとして運用されてるんですよね。詳しくなったぜ競馬に。
ちなみに、8ハロンが1マイル。つまり1マイルは1600mです。100マイルの直球は大体時速160km。大谷君が投げるよね。なるほどなあ。1ハロン×1チェーンは1エーカー。一気にヤード・ポンド法の解像度が上がった気がしました。
ハロン棒は「ハロン棒」って言うのに、書かれている数字はメートルなんですよね。だから「4」って書いてあったらゴールまで残り400m=2ハロンあるわけです。なんか複雑。
ちょっと競馬場内のショップに行きたかったので、建物内をうろうろします。と、ウオッカさんを見つけました。ウオッカは2007年に牝馬として64年ぶりに日本ダービーを制した馬。ダイワスカーレットさんのライバルですよね。偉大な馬なんだなあと実感しました。屋外にもいたしね、ウオッカさん。
買い物を済ませたら、競馬博物館へと向かいました。清掃員さんがカルガモと会話しているほど誰もいませんでしたが、その分ゆっくり展示をみれました。あんまり学術的な展示はありませんでしたが、歴代の優秀な馬たちの展示があって、ウマ娘に出てくる馬の展示もたくさんあるので、一度足を運んでみてはいかがでしょう。写真を撮れるところがわずかにあって、サラブレッドをばん馬の比較を挙げておきます。ばん馬、化け物みたいに大きくない?別の生き物なんか?
そろそろ帰ろうかなあと思いつつ、でもせっかく来たんだし馬券を買ってみたいなあ、と思いました。とはいえ、馬券の買い方は全くわかりません。なんかマークシートみたいなのに書いて、機会に入れるんだよね。それは分かったんだけど、馬券購入の知識も無ければレースの知識も現役馬の知識もありません。困ったなあと思っていたら、「スマッピー投票」なるハイテクシステムの存在を知りました。スマートフォン上でアクセスすると、購入可能レースと出走馬、人気順とオッズが表示され、選択し掛け金を入力すればQRコードが表示されます。このQRコードを馬券購入に読み取らせれば、あとはお金を入れるだけで(実際は先にお金を入れないと機械が動かなくてちょっと苦戦したけど)馬券が購入できます。素晴らしい。別に記念で買う以上、当日の馬券である必要もないわけですから、4月4日開催のG1レース、大阪杯の馬券を購入します。わたし、運は大事な時にとっておきたい派であるのと、あと近いうちにもう一回東京競馬場に来る気がないことから、あえて当たっても対して儲からない買い方をしました。2番人気の牝馬、グランアレグリアに、ちょうど持っていた小銭の300円。あたっても900円弱。これ、世界で一番意味のない馬券の買い方なんじゃないだろか。
さあ、馬券も買えたし帰りましょう。所沢にもどるには、府中本町駅を使うのがよさそうです。東京競馬場は、京王の府中競馬正門前駅、東府中駅、西武多摩川線の是政駅、それからJRの府中本町駅の4つの駅からアクセスできます。大量の観客も、4駅に分散できるようならすこしはマシになりそう。少なくとも西武ドームよりは。
府中本町駅側の西門からは、ゴールが良く見えます。あそこで、多くのドラマが生まれてきたわけですね。でもやっぱり広いなあ。こんどはレース開催時に来たいけど、そのときは競馬に詳しい人と一緒に来るのがいいかなあ。
さて、帰りましょう。密も避けられたし、いい経験になったし、楽しい散歩だったんじゃないでしょうか。この日は春先にしてはちょっと暑すぎたかな。こちらも長い通路を抜けて、府中本町駅についてお散歩は終わりを告げたのでした。
後日譚
さて、あえて当たってもたいしたことないようにしたとはいえ、馬券を買ったわけです。4月4日の大阪杯、テレビの前に張り付いて、見るしかありません。
阪神競馬場は大雨で、もちろん馬場状況は重。三冠馬コントレイルか、二階級女王グランアレグリアか。ちょっとトウカイテイオー対メジロマックイーンみたいな二強対決の空気を感じつつ、レースを見守ります。
結果は、レイパパレ1着。コントレイル3着。グランアレグリアは4着。競馬って難しいなあ。まあ、こんなもんよねえ。
これからもウマ娘でいろいろ競馬を知っていくだろうと思いつつ、初めての競馬場の思い出をただの紙になった馬券といっしょに、ひきだしにしまいこむのでした。