こばにゃんの2023-2024POG指名馬リスト

昨期POGの総括と今期POGの展望

 今年の日本ダービーも、またクビ差、届かなかった。目前にして叶わなかったPOG指名馬による日本ダービー制覇の夢を胸に、気持ちを新たにして臨む今期のPOG指名馬について皆さんにご紹介したい。

 昨期POGは、勝ち上がりが5頭で、ソールオリエンスが京成杯皐月賞を制覇しダービー2着、ラヴェルアルテミスSを制覇しオークス4着、ドルチェモアがサウジアラビアRCと朝日杯FSを制覇するなどG12勝、重賞5勝。牡馬、牝馬、そしてマイル路線に重賞馬をそれぞれ送り込み、望外の結果を得た。

皐月賞を制し日本ダービーで2着となった昨年の指名馬ソールオリエンス

 一方で、クラックオブドーンは頓挫続きで6月の1勝止まり、ルクスグローリアは調教中の事故で予後不良、ヴァンビスタは装鞍所で厩務員を蹴りレース中に骨折、ランドオブラヴは馬体が増えず気性難でコントロール不能になるなど、順調にレースに使って結果を出すということがいかに難しいかということも改めて実感する結果になった。

 とはいえ、初開催のうま同POGではPOGの先輩方に食い込んで2位の賞金を獲得。POG経験者として一定の実力を示すことはできたと言えよう。

 今期POGの方針は昨期の方針を踏襲し、以下の通りである。

〇高額馬、人気馬はできるだけ避ける。誰も知らない馬を指名してその馬が活躍するのが、POGの醍醐味と考える。

〇賞金のために早熟傾向が強い馬を選ばない。POGで優勝するより、競走馬として、更に種牡馬繁殖牝馬として、これからの競馬界を担っていけるような素材を見出すことを目指す。

〇牡馬5頭、牝馬5頭。様々な種牡馬の特徴を掴むために、できるだけ種牡馬は被らないようにする。

 今期はハーツクライが最終世代。これまでハーツクライ産駒はアクアテラリウム、アッシュフォードと指名してきたが、結果が出ていない。今年は血統というより馬体や評判を重視して、牡馬のエースとして堀厩舎のインクルージョン牝馬のスケール枠で斉藤厩舎のルシフェルを指名した。

 毎年2頭指名してきたキタサンブラック産駒は谷間の世代。母サンクボヌールや母タイキオードリー、あるいはダノンチェイサーやヴィクティファルスの下が人気となりそうだが、ミスヨコハマの走りを見て早くからリストに入れていたクリスマスパレードを指名。父がカレンブラックヒルからキタサンブラックに変わるのは絶対にプラスであろう。大穴と思っていたが、ノーザンファーム早来での評価が高く各種POG本で大きく取り上げられていたのは想定外だった。

 新種牡馬レイデオロとブリックスアンドモルタルから1頭ずつ。マウリノはドルチェモアの近親だが、馬体写真をみてピンと来たので指名。小顔で馬体のバランスも良く、直感に従ってみることに。テラメリタ新馬戦初日にデビュー予定。数多くの活躍馬を輩出した一族の出で、社台ファームが高い期待をかけるブリックスアンドモルタルの看板馬として期待通りの活躍をしてほしい。

 コイヌールは見つけた瞬間指名が決まったおしゃれ血統馬。競馬オタクはこういう馬に弱い。ダイヤモンドビコーの血統も魅力だが、それ以上に父リオンディーズでありながらエピカメサンデーの配合を実現させている芸術点の高さが光る。「血統枠」にふさわしいロマンあふれる1頭。満場一致でJRA賞を受賞して祖母の名を高めたい。

 ベゼルファセットは完全に先物買い。姉のシャドウディーヴァは好きな馬だったが、この母からはまだ活躍馬が出るだろう。2022年産の弟はキタサンブラック産駒で、こちらにも熱視線。既に指名候補にリストアップしている。サトノダイヤモンド×ダイヤモンドディーヴァという絶対に砕けないダイヤモンド配合だが、馬体や気性には不安も多い。宮田厩舎には今年こそ期待に応えて大きなタイトルを奪取してほしい。

 今年はキズナエピファネイアの繁殖の質が高い。しかしエピファネイア産駒の最近の成績はあまりに不信感が強く、キズナ産駒を選ぶことになった。キズナ産駒から2頭指名するプランもあったが、やはりキズナ牡馬が走るイメージが湧かない。キズナ牝馬の中で、これを指名しなかったのに走られたら悔やんでも悔やみきれないということで、イクイノックスの半妹ガルサブランカを指名。兄は既に歴史的名馬の領域に足を踏み入れており、兄ほどの期待は禁物だが、むしろ配合の良いキズナ牝馬らしく堅実に走ってくれるだろう。

 今年からダート路線が大幅に拡充されることから、ダート馬の指名に走ったPOGプレイヤーは多いだろう。しかし、ダート馬の指名は高額良血馬が順当に走るわけではなく、知識の蓄積もないから非常に難しい。当初はシニミニやコパノリッキーホッコータルマエなどガチガチのダート種牡馬から指名する手や、あるいは昨年結果を出したマインドユアビスケッツ産駒の指名も考えたが、JRA-VANPOG動画をみてひとめぼれしたオルフェーヴル産駒のウェックスフォードを指名。姉のサラスやシャムロックヒルは芝重賞を勝っているが、高木登厩舎は芝・ダート両方で受賞制覇の経験がある実力派トレーナー。芝からダートに転向してあっという間に世界の頂点まで上り詰めた厩舎の先輩ウシュバテソーロの後を追いかけて、芝ダート兼用二刀流の怪物として活躍を期待する。

 最後まで迷ったのが牝馬のエースだった。母サミター、母スウィートリーズン、母ウィクトーリア等、様々な候補から選びきれずにいたが、Twitterで出資者の方の最近の馬体写真を見て、非常に良かったのでロードカナロア産駒のティーサファイアに決定した。先日シャンパンカラーがNHKマイルを勝つなど勢いのある血統で、牧場での評価も良くPOG本でも大々的に取り上げられていた。社台Fは近年改革によって成績を再浮上させ、スターズオンアース、ソールオリエンスと2年連続クラシックで結果を残している。今年の社台Fのエース牝馬として、母子桜花賞制覇へと邁進してほしい。

 10頭揃って最後まで心残りだったのが、ドゥラメンテ産駒が入らなかったことである。リバティアイランドの2冠制覇など飛ぶ鳥を落とす勢いのドゥラメンテだが、今年は良さそうな馬が高額馬に集中し、泣く泣く指名なしとなった。最後までリストに残っていたのが母プリティカリーナで、この馬がクラシックホースになったときは悔やんでも悔やみきれないであろうが、それでも悩んで悩んで選んだ今年の10頭を信じて、2024年のクラシックを全力で楽しんでいきたい。

 

指名馬(牡馬)

牡馬 エース

インクルージョン Inclusion

牡/黒鹿毛/1月24日生

ハーツクライ/母インクルードベティ(Include)/美浦・堀/ノーザンF/キャロットF/包括。世代をまとめるような活躍を期待して。

ハーツクライはダービー馬を2頭輩出した名種牡馬で今年が最終世代。母インクルードベティはマザーグースS(米G1)などアメリカで重賞2勝。母父のIncludeは新潟大賞典勝ちのサンデーウィザードやダービー卿CT勝ちヒーズインラヴを輩出したシーズインクルーデッドの父として知られるが、日本では馴染み薄い血統である。デインヒルストームキャットを持たないからハーツクライ産駒の定番POG向け配合とは言えないが、母系にDanzigNijinskyを内包するのはサリオスと同様であり、1月生まれのアドバンテージを活かしてクラシックの時期から一線級の活躍を期待する。セレクトセールではやや案外という価格であったが、ノーザンファーム早来では馬体の成長につれてクラシックを目指せる逸材と日々評価が高まっている。ついにダービートレーナーの称号を得た堀調教師の高い育成力のもと、その活躍で世代を、そして競馬界全体をも包み込む。

 

牡馬 血統枠

コイヌール Kohinoor

牡/青鹿毛/1月21日生

リオンディーズ/母ウインジュビリー(シンボリクリスエス)/美浦・鹿戸/新冠本牧場/キャロットF/世界最古のダイヤモンド

リオンディーズは名牝シーザリオの産駒で、デビュー2戦目にして朝日杯FSを勝利した。種牡馬としてはテーオーロイヤル、インダストリア、アナザーリリックなど多彩なタイプの競走馬を輩出する。本馬はリオンディーズに母父シンボリクリスエス、母母父サンデーサイレンスだから、エピファネイア産駒のデアリングタクト、クラヴェル、スカイグルーヴとは7/8同血の関係にあたる。祖母ダイヤモンドビコー阪神牝馬Sなど重賞4勝。曽祖母ステラマドリッドは米G1を4勝した名牝で、ミッキーアイル、アエロリット、ラッキーライラックなどを輩出した超名牝系の出である。気性面の不安こそあるが、背中の良い馬との評判でマイル〜2000mでの活躍が期待される。既にゲート試験には合格しており、7月にデビューする見込み。血統的にも早期からの活躍を期待できる。美しさすら感じる好配合で、名牝の血はとびきり大きな結晶を生み出す。


牡馬①(スケール重視)

ベゼルファセット Bezel Facet

牡/鹿毛/2月27日生

サトノダイヤモンド/母ダイヤモンドディーバ(Dansili)/美浦・宮田/ノーザンF/サンデーR/ブリリアントカットに8つある輝きを放つ面

サトノダイヤモンドは3歳で菊花賞有馬記念を勝利。種牡馬初年度からサトノグランツ、シンリョクカを輩出したが、種牡馬としてはやや晩成で、距離が伸びる程良いという傾向を見せた。半姉シャドウディーヴァは府中牝馬S勝ち馬。母父父がデインヒルでDanzig5×4だから配合としてはサトノグランツに似て、本馬も3歳になってから本領を発揮するややズブめの中長距離馬だろう。姉のシャドウディーヴァやハウメアが5歳になっても活躍したように、本馬も3歳夏を超えて本格化し、中長距離G1の常連として息の長い活躍を期待する。育成段階の今はフォームや成長度に関してやや不安なコメントも見られ、秋冬のデビューが想定されるが、血統と骨格からみて素晴らしい素質を秘めていることは疑いない。素質馬を数多く預かりながら結果が物足りない厩舎の現状だが、焦ることなく砕けぬ才能を磨き上げ続けることができれば、厩舎、ひいては父の産駒を代表して抜群の輝きを放つだろう。


牡馬②(早期デビュー)

マウリノ Mau Lino

牡/黒鹿毛/3月6日生

レイデオロ/母マウレア(ディープインパクト)/美浦・手塚/下河辺牧場/落合幸弘/永遠の輝き(ハワイ語)

レイデオロはキンカメ産駒のダービー馬で、今季から産駒がデビューする新種牡馬レイデオロ種牡馬としてのポイントはやはりサンデーを持たないことと、それでいてウインドインバーヘアの血を持っていることで、ディープ牝馬との配合はウインドインハーヘア4×3のクロスになる。このクロスがどのように作用するかが、種牡馬としてのレイデオロの未来を左右するであろう。本馬はそのレイデオロにディープ産駒を配合するパターンで、母マウレアは桜花賞アユサンの妹で阪神JF3着。おいのドルチェモアが昨年朝日杯FSを勝利するなど、勢いのある血統である。本馬は初子ながら、馬格は十分で、牧場ではドルチェモアと遜色ない動きと評価が高い。既に6月18日東京芝1600mの新馬戦でデビューが決定している。早い時期からマイル重賞で輝きを放ち、父に待望の初タイトルを届ける。


牡馬③(ダート)

ウェックスフォード Wexford

牡/芦毛/4月18日生

オルフェーヴル/母ララア(Tapit)/美浦・高木登/社台F/社台RH/アイルランドの州名

オルフェーヴルはラッキーライラックオーソリティなどを輩出。近年マルシュロレーヌでBCディスタフ、ウシュバテソーロでドバイWCと産駒が海外のビックタイトルを次々と勝利し、種付け数が増加するなど注目度を増している。母ララアはアメリカの2歳G1馬。全姉のサラス、半姉のシャムロックヒルが共にマーメイドSを勝利しているが、ともに4歳での戴冠で、シャムロックヒルが10戦目で初勝利を挙げたように、晩成傾向の強い血統と言える。母系にSeattle Slew、Sadler's Wellsを持つが、これはどちらもオルフェーヴルの成功配合パターン。母の産駒はサラス、セラピア、シャムロックヒルと牝駒が結果を出す一方で牡駒がこれまで結果を出してこなかった点はやや気がかりだが、牧場では抑えきれないほどの前進気勢で坂路を力強く駆け上がっており、担当する高木登調教師も期待の2歳馬と名前を挙げる。ダート転向から僅か5戦でG1タイトルを奪取したウシュバテソーロを育てた名トレーナーの元、芝ダ兼用二刀流の怪物として活躍し、父が僅か届かなかった憧れの大舞台へと歩を進める。

 

指名馬(牝馬)

牝馬 エース

ティーサファイア Teal Sapphire

牝/鹿毛/4月15日生

ロードカナロア/母ジュエラー(ヴィクトワールピサ)/栗東・杉山/社台F/社台RH/オーストラリアで産出されるブルーグリーンのダイヤ

ヴェールランスの半妹で、母ジュエラーは桜花賞馬。祖母バルドウィナの一族はジュエラーの他にもワンカラット、ワンダイレクト、アラタ、シャンパンカラーら国内で活躍馬を多数輩出。ロードカナロアといえばSpecialの牝系が外れない鉄板配合だが、本馬はSpecialを持っていない。とはいえ、同牝系から、ほぼ成功パターンの近いドゥラメンテとの配合でシャンパンカラーが出ているのだから、カナロアとの配合でも十分成功できる可能性があると言えよう。ただし、ワンカラット、ワントゥワン、ワンダイレクトの親子にしても、シャンパンカラーにしても、母ジュエラーにしても距離適性はほぼマイラーといった状況で、おかげに父がカナロアだから本馬も間違いなくマイラーだろう。生産された社台Fでは芝向きの素軽さを高く評価され、吉田照哉氏は「走る」と太鼓判。馬体重も順調に増え、課題であった前進気勢の足りなさも解決。牝馬三冠の経験を持つ杉山晴紀厩舎のサポートも心強い。へこたれない芯の強さで自身の才能に磨きをかけ、桜の仁川で偉大な母を超える輝きを放つ。

 

牝馬 血統枠

ガルサブランカ Garza Blanca

牝/鹿毛/4月16日生

キズナ/母シャトーブランシュ(キングヘイロー)/美浦・木村/ノーザンF/シルクR/白鷺(西)

シャトーブランシュはミスビアンカ、ヴァイスメテオール、イクイノックスとどんな父との配合でも成果を出し、母としてすでに名牝と呼ばれる域に足を踏み入れつつある。兄イクイノックスはLyphrdとHaloのクロスによってその血統表にちりばめられた名馬の才能を一頭に凝結させた名配合の傑作であったが、父がキズナに代わった本馬は、シンプルに母父キングヘイローや母系のNureyevとの相性の良さを評価すればよい。キズナは既にフィリーサイアーの傾向を示しており、牡馬はディープボンド、バスラットレオン、アスクワイルドモアと切れ味に欠け勝ちきれない先行馬がほとんどなのに対し、牝馬はソングライン、アカイイト、ファインルージュと既にG1級の名馬を輩出している。キズナ産駒最大の傑作も、おそらく牝駒となるであろう。5歳で大成した母の産駒は晩成の傾向が強く、本馬も馬体の完成は早くて4歳に入ってからだろう。しかしながら、その素質の高さからクラシックにおいても兄のように十分な成果を出してくれるであろうし、将来的には父の産駒の代表馬として大きな舞台に羽ばたいていくことを期待する。


牝馬①(スケール重視)

ルシフェル Lucifer

牝/鹿毛/4月8日生

ハーツクライ/母アルアリングスター(Exchange Rate)/栗東・斉藤/ノーザンF/キャロットF/明けの明星(ラテン語)

ハーツクライ産駒の活躍馬を見出すのは難しい。それは一重に、「これが鉄板の黄金配合」という単純な配合傾向がなく、どんな血統の牝馬とも結果を出し、また狙いすましても走らないケースがままあるからである。本馬の母アルアリングスターはBCジュベナイル2着。母母父Jump Startだから配合はハーパーに似るが、全姉のキャラメルシフォンは苦戦した。しかしながら、本馬は牧場において「切れるハーツ」、「背中がいい」等一貫して高評価で、成長曲線はゆっくりだが、クラシックを目指せる馬との評価を受けている。既に入厩の目途も立っており、ある程度早い時期から走れそうな点も良い。距離が伸びていいのは間違いなく、オークス、そして古馬になってから中距離戦線での活躍を期待する。馬名の「ルシフェル」は命名理由こそ「明けの明星」だが、どちらかと言えば「堕天使」の印象が強く、特に海外においてはマイナスイメージもついて回るだろう。しかしながら、「堕天使」は日本においては特にサブカルチャーの分野においてポジティブに使われてきた。「かわいい堕天使」ルシフェルはまずは国内でアイドルホースとして頂点に立ち、「Kawaii」カルチャーを背負って海外進出を目指す。


牝馬②(早期デビュー)

テラメリタ Terra Merita

牝/芦毛/2月14日生

父ブリックスアンドモルタル/母テラノヴァ(ヴィクトワールピサ)/栗東・須貝/社台F/社台RH/素晴らしい大地(ラテン語)

父ブリックスアンドモルタルBCターフ馬で、社台ファームが期待をかける新種牡馬。どのような配合が結果を出すかはまだ未知数で、米国産馬だがやや欧州的な要素が多く、基本はサンデーサイレンスを持つ国内の繁殖牝馬との配合でスピードを補うことになるだろう。祖母は阪神牝馬S勝ちのエアトゥーレで、スキーキャプテンスキーパラダイス以来、長年にわたってJRAで重賞馬を出し続けている点からも血統の優秀さが分かる。また、皐月賞を勝ったキャプテントゥーレ(父アグネスタキオン)や古馬になって長距離重賞で成果を出したシルヴァーソニック(父オルフェーヴル)を見れば分かるように、父の血統の美点を活かす牝系で、かつ母父ヴィクトワールピサだからサンデーサイレンスのスピードも受け継いでおり、父のポテンシャルを最大限生かすにこれ以上ない配合といえよう。父がStorm Birdの3×3と強いクロスを持つから、あまりクロスが濃くならない点も良い。牧場では吉田照哉氏が「超ピン」と評し、6月3日阪神芝1600mの新馬戦に早速エントリーされるなど、父の評価を高める孝行娘としての高い期待が伺える。クロノジェネシス以来の芦毛牝馬スターホースとして、父の名を上げる活躍を期待したい。

 


牝馬③(穴馬)

クリスマスパレード Christmas Parade

牝/青鹿毛/3月29日生

キタサンブラック/母ミスエリカ(Blame)/美浦加藤士津八/ノーザンF/G1レーシング/ツツジ科エリカ属の常緑低木の品種名

キタサンブラックは初年度からイクイノックス、2年目にはソールオリエンスらを輩出し、低評価を覆し次代のリーディングサイアー候補に躍り出た。しかし、今季は種付け頭数が少ない「谷間の世代」で、繁殖牝馬の質も高くない。本馬の半姉ミスヨコハマは赤松賞勝ち馬で、昨年の阪神JFにも出走した。父がカレンブラックヒルからキタサンブラックに変わることで、マイルをスピードで押し切る姉とは違い、本馬は中距離戦でキレを発揮するタイプである。牧場では既に抜群の動きを見せ、クラシックを意識できる馬との高評価を受ける。トップラインの美しさ、量より質の面で優れる筋肉など走るキタサンブラック産駒の特徴を持つ本馬は、厩舎に初のタイトルを、そしてキタサンブラック産駒に初の牝馬G1をもたらすことができる隠れた逸材である。まずは姉が届かなかった年末のビックタイトルを狙い、早速我々にクリスマスプレゼントを届けてくれることを期待する。

 

※競走馬の各種情報はnetkeiba(https://www.netkeiba.com/)の各馬のページを、その他POGに関連する各種情報については

競馬王編集部 『競馬王のPOG本2023-2024』 ガイドワークス 2023

須田鷹雄監修 『POGの達人』 光文社 2023

『Gallop臨時増刊 丸ごとPOG2023-2024』 産業経済新聞社 2023

栗山求 望田潤 監修『パーフェクト種牡馬辞典』 自由国民社 2023

を参考にした。

)