こばとんの読書日記 『りゅうおうのおしごと! 13』

 藤井棋聖の活躍ぶりの中で、「フィクションがノンフィクションになってしまう」と騒がれ、Twitterを賑わせた『りゅうおうのおしごと!』。先日、最新刊となる13巻が発売されましたので、早速購入して読みました。既に12巻までの読書日記は当ブログでも以下の記事にて発表済みですが、「ほんとうに本の紹介としてこれでいいのか」という感もあります。作者の背景とかに光を当てすぎているので、メタ読みすぎん?と言われてしまえば言い返す言葉はありません。もちろん、とっても好きな本なので、それだけ考えて記事を書いたし、これでもきちんと魅力を伝えきったつもりではありますが......。

 

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  そんな微妙な心残りもありますし、最新刊も発売になったところですので、改めて『りゅうおうのおしごと!』13巻の魅力を伝えられるようなブログを書いていきたいと思います。発売されてすぐですから、ネタバレしないように、という点は十分留意しているつもりです。その分あまり踏み込んだ記事にはならないかもしれませんが......。早速、見ていきましょう!あ、12巻までの展開などにつきましては、過去ブログを読んでみてくださいね。きれいにわかりやすくまとめたつもりです。

 

 

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表紙のあいちゃんの表情が、素晴らしい......。

 13巻で描かれるのは、女流棋士・雛鶴あいちゃんとそのライバルであり友だちである水越澪ちゃん、貞任綾乃ちゃん、シャルロット・イゾアールちゃんの「JS研」メンバーの、お別れのお話。海外に旅立ってしまうことになった澪ちゃん。残されるJS研メンバーは、澪ちゃんの見送りにでかけますが、澪ちゃんが「最後に一つだけお願いがある」と言い出して.......?

 

 この13巻は、(あとがきで筆者も述べているように)8巻のように短編にドラマCDの脚本を織り交ぜたスタイルです。その分、「ラブコメ」としてのライトノベル感は、もはやライトノベルと呼んでいいかわからないほど本質的だった7巻以降の巻に比べれば、だいぶソフトに感じます。

 

 しかし、ドラマパートはむしろ休息であると言わんばかりに、物語は加速します。この人、なんでこんなに勝負を瑞々しく描けるんだろう?どうしてこうも、簡単でいてしかし周到に、見事に文脈をおさえて、本質までたどり着いて書けるんだろう.......?

 とにかく、白鳥先生の対局描写は、これで一つの完成形だと思います。もちろんほんの少し将棋をかじっただけの私がどうこう言える問題ではないのかもしれませんが、将棋の勝負の張りつめた部分が、そして静かながら熱く燃え滾る闘志が、そしてなにより、勝ち負けや善悪を越えた、究極的に本質的な将棋の姿が、見事にライトノベルというエンタメに落とし込まれているのです。もちろん、修辞を尽くせば、もっと律義に上品に、対局を描くことはできるでしょうし、そんな名作もたくさんあるでしょう。でも、『りゅうおうのおしごと!』の対局描写は、とかく無駄なく、美しく、「ライトノベル」という世界で最も完璧な形で描かれていることは、読めば分かってもらえるはずです。とにかくこの対局描写は必見です。

 

 1巻から読んできて13巻にもなると、丁寧に丁寧に描いてきてくれたキャラクターから、気持ちが離れなくなるんですよね。個人的には、ここはすごく本を読む際に大切なところです。あまりにキャラクターの掘り下げが少なければ、キャラクターは私たちのこころのなかに移り住んでこない。一方で、あまりにキャラクターを露骨に掘り下げれば、キャラクターは私たちのこころのなかで動きを失って死んでしまう。例えば『りゅうおうのおしごと!』なら、自分のなかに雛鶴あいや他のみんなが移り住んできて、そこではまた物語が続いている。永遠にこの子たちの話が続いてくれたらいいのに、というくらいにまでキャラクターが私たちのこころのなかに移り住めば、もう愛おしくて離れなくなります。それなのにキャラクターたちの「別離」なんて書かれた日には、気持ちがもう.......。巻を重ねれば重ねれるほど、この愛おしく切ない気持ちはどんどん強くなっていきます。

 

 ところで、13巻は時間的には非常に短い期間を書いているのですが、筆者自身がその理由を「新型コロナウイルスの影響で、外出自粛になった影響が大きい」と書いています。こころのどこかで「やっぱりそうか」という気持ちがありました。やっぱりそうなんだな。それはどういうことかと言うと、「いとも簡単に書いているように見えるシーンだって、丹念で精緻な取材に支えられているんだ」、ということなのだと思うのです。ほんのさりげないシーンから、手に汗握る臨場感あふれるシーンまで、きっとコツコツとした地道な取材に支えられているんだろうな。そんな努力が、この作品を素晴らしいものにしているんだろうな。

 すっかり売れっ子作家になった作者の努力の影をみてなんだか少し安心する一方で、その伏線の回収にはため息が出ます。今回の13巻も伏線になっていて、14巻以降の最終章に繋がっていくとのことですが、それにしてもこれまでも巧妙で大胆な伏線に驚かされてきたものです。特に10巻の伏線回収は個人的には感動したなあ。読んだ人ならわかるでしょう。いやあ、1巻から見てきたことが、いや時にはそれが伏線だったと気づかなかったことが、こんなところまでつながっているなんて.......。八一とあいの師弟関係が綺麗に紐解かれたとき、本当に一杯食わされたなあ、と感じたものです。どこが伏線になってるんだろう、最終章はどんな展開になるんだろう。これからの展開がとにかく楽しみです。

 しかしいったい作家とは、どれほどの全体像をもって作品に取り組むものなのでしょうか。直接聞ける機会があるなら聞いてみたいものです。どんなことを考えてるんだろう、どこまで構成を練っているのかな。気になることばかりです。今のわたしの頭では届かなさそうです。でもその前にきっと、最終章で派手に綺麗に見事に伏線を回収されてまたため息をついちゃうんだろうな。

 

 

 すっかり自分の話に引き付けてしまいましたが、13巻の感想を書いてきました。とつぜん言い訳がましくなりますが、「感想」とか「解釈」って、これでいいと思うんです。その話から何を受け取ったのか、なにに心動かされたのか、そういうのが一番大事だと思うんです。そういう気持ちこそが、人に「好き」を、感動を伝えられるのだと、そう信じています。

 

 わたしも、筆者の見事な筆致に、高い取材力に、完璧な構成に、感服してばかりもいられません。わたしも、私自身も、良い文章が書きたいのだから。そのためには何が必要なのか、そんなことは、この本から一番の感動をもって教えてもらったから。大切に胸にしまいこんだから......。

『うちも、もう才能を言い訳にして逃げるのはやめるのです。なりたいものがあって、そのための環境も整っているのなら、あとは努力をすればいいだけなのです』

『ただの努力で足りないのなら、もっと努力すればいいのです。強烈な......努力を』 

 

 みなさんは、澪ちゃんから、あいちゃんから、綾乃ちゃんから、いや他のたくさんの登場人物から、どんなことを教えてもらい、どんなことを気づかされ、そしてどんなことに感動しますか?誰にでもきっと何か大切なものをくれる、そんな作品だと私は思います。

 『りゅうおうのおしごと!』13巻、必読です!

 

「非公認教習所」で取る、運転免許取得奮闘記・前編

 昨日、普通自動車運転免許取得から2年を迎え、埼玉県の鴻巣運転免許センターまで免許の更新に出かけてきました。

 埼玉県民には「鴻巣」と聞けば免許センターと相場が決まっているのは周知の事実だと思いますが(?)、私はたぶんきっと、他の埼玉県民のみなさんよりも、免許センターの隅から隅まで思い出に詰まった場所です。

 それはなぜかといえば、半年(それ以上だったかも......?)にもわたる、とても苦しく、ちょっと独特で、でも今考えれば楽しくもあった、そんなみなさんとは一風変わった教習所体験があったわけで......。

 免許センターに行く機会も少なくなりそうですし(事故や違反を起こさなければね)、感慨深い気持ちに浸る機会も少なくなるでしょうから、あの、興味深い半年間のことを、ちょこっとだけまとめてみようと思います。まあ誰かの参考になることは無いでしょうが、こんな免許の取りかたもあるんだなあ、と、くすっと笑ってもらえればうれしいです。

 

挑戦の始まり

 その挑戦が始まったのは、池袋の鄙びたビルの2階を訪れた時からでした。

 「免許を取る」のは、大学生にとっては一つの定番イベントと言えるでしょう。大学を推薦で決めたひとは入学前の春休みに取ったり、地道に通う人もいれば友人と合宿免許に行って一気に決める人もいると思います。「男はMT」という謎の観念からMTに挑戦して泣きそうになる人もいれば、堅実にささっとATで免許を取る人もいます。

 しかし、私の方法は、ある意味このどれもから逸脱しています。そして、私の立場から見れば、これらどの方法も同じと言えるでしょう。

 そう、私が「入学」したのは、いわゆる「非公認教習所」なるところです。

 ほとんどすべてのみなさんが通っているのは「公認教習所」のはずです。では、何が「非公認」なのか。みなさんの通う教習所は何を「公認」されているのか。

 それは、簡単に言えば、「試験の際に、実技の試験を免除にできることを許可されている」教習所のことです。みなさんは、免許を取る際にめんどくさいめんどくさいと言いながら各都道府県の免許センターまで学科試験を受けに行かれたと思いますが、実はそれ、「免許センターで受けるべき実技の試験を、教習所の試験によって免除されている」状態なのです。知らなかったでしょ?

 非公認教習所と公認教習所の違いはもっとあるのですが、それはおはなしをする中で少しづつ、見ていくとしましょう。

 

 様々な契約事項を聞き、入所手続きをします。なお、非公認教習所は非常に料金が安く見えますが、払った金額は一定のコマ数分でそれで取れなければ追加の金額を取られる。MTならまず無理。と伝えられます。まず無理なら最初から安いって案内しなければええやん?まあいいけど。MTで取る時点で物好きなチャレンジであるのは否定できんし。

 

 続いて、学科の授業。ここは大きな違いがあります。聞いてビックリ、早く行って頑張って詰め込めば、最速1日、あるいは2日で学科が終了します。ちなみに古ーいビデオを延々と見るだけ。適当か?あと、時期の問題もあってか、同時に受講する人もおらず。座学大嫌い人間には最高のスタイルだわ。まあこんなんじゃ全然覚えられないから試験前日に泣きながら詰め込む羽目になるんだけどさ。

 

 座学をさっさと終わらせれば、どきどきの初乗車。

 と、その前に。地価の高い都内で、おんぼろ教室の側に教習コースがあるわけがありません。ここからバスに乗って、埼玉県内の河川敷までバスに乗ります。首都高が混んでなければ早くて30分くらいかな?この往復1時間は確かに無駄なように感じるかもしれませんが、わたしとしてはそこまで苦ではありませんでした。なにより、首都高に乗れるのが楽しい。朝から夜までいろんな時間に首都高に乗るのですが、街の景色、空の色、運悪く渋滞にはまったりしたら車で通勤する人たちを高いバスの車窓からのぞき込んだりして、存分に楽しんでいました。

 教習コースは荒川の河川敷にあります。が、これまた見たことの無いようなロケーション。普通の教習所って大体駅前にあるもんね。バスを降りたら、そこにはプレハブの小屋がいくつか。半分くらいは事務所と教官の休憩所、それから、もう半分が待合室。この待合室がまた、どこかの田舎の駅のような雰囲気。あまり虫とかには遭遇しませんでしたが、自然の中にいることが嫌いな人には厳しいかも。

 でも、この雰囲気はこれはこれでいいんだよね。ちなみに教習コースには時折顔を出す野良猫なんかがいて、ほのぼのした感じは好きでしたけどね。ちなみにここから直接車で帰った方が遥かに早く家に戻れますが、それは言わないお約束。

 待合室では「乗車票」なるものを発行します。ここには、そのコマで乗車する車の番号が書かれます。Macのパソコンが1台置いてあって、学生証のバーコードを読み取れば発行できます。なんでここだけこんなハイテクなのさ。

 あっ、言い忘れていたんだけど、ここ非公認教習所では一コマは90分です。なお、一日に連続して2コマ入れる荒業も可能です(論理上は3コマもできたのかも。でも忘れちゃった。そもそも一気に270分も教習を受けるのはそうとうな暴挙だけどな)。このトンデモ条件を利用すれば、超最速で免許取得に至ることができます......が、これは論理上のおはなし。これから見ていくように、非公認教習所での免許取得はいばらの道。個人的な意見ですが、早く免許を取れるということはほとんどありません。

 

愉快な河川敷教習

 ここからは車に初乗車するのですが、ここの経験は皆さんとそう変わらないでしょう。MTで免許を取ったなら全く一緒です。「半クラッチ」の状態を作るの、超難しいよね。アクセルを踏んだだけで加速できるAT車はマジでおもちゃだと思う。1コマ目は車を動かせただけで感動した記憶があります。

 一番最初に目標になるのは「仮免許」の取得です。仮免を受けるためには、教官から「みきわめ」なるものを得る必要があります。しかし、仮免を受けるためにクリアしておかないといけない項目は、既に免許を取得した皆さんならご存じの通り、とっても多いのです。ここから、長い長い戦いが始まりを迎えます。

 

 最初に苦戦したのは「左寄せ」。自動車を運転していて、一番怖いのはバイクです。交差点を左折する際に、車両の左側から直進してくるバイクを巻き込んでしまう危険性があるからです。それを防ぐために、左折の前には左後方を確認してから車体を道路左に寄せ、それから左折していく必要があります。

 が、これ、意外と難しいんです。十分に寄せるには、車の側方感覚をしっかりと把握している必要があります。仮免の試験は、かなり厳密な運転が求められる試験です。どんな交差点であれ、しっかりと左寄せをしてから、安全確認をして左折する必要があります。

 まあここまではいいでしょう。いいよ。きちんとできないのは自分が不器用な面もあるしね。たださ、左折をしようとしたらブレーキ踏まれるのさ、で、無言でドアを開けて、隙間を指さすんです。怖いって。怖いよ。泣くかと思ったわ。いや寄せられない自分が悪いんだけども。怖い。左折恐怖症になっちゃう。

 

 ちなみに、教習所特有の条件、というのもあったりします。まあね、他の教習所で運転できる経験なんてないからわからないんだけど、どうやら、うちの教習所のコースは、格段に狭かったようなのです。

 なんで土地のある河川敷にあるのに狭いのさ!と怒りたくなりますが、まあいいでしょう。それはいいんや。時折信号機の電灯が切れてるのもご愛敬。ね。「ああ、あれ切れてるけど青ね。」って言われるんだわ。どんな信号機だよ。すぐなれるけど。というか、在籍中に3回くらい切れてたけど、LEDにしないんか?

 話が逸れました。コースが狭いということは、コース内にある様々なセクションのそれぞれの距離も短くなっています。つまりどういうことか。それは、「たとえ次の交差点までほんの数メートルしかなくても、しっかり左寄せをしなくてはならない」ということを意味します。これがきつかったんだわ。だってさ、酷いとこでは、左折して次に左折するまで3mもない時があるんだわ。いや無理でしょ。だって車の幅より狭いまであるじゃん。毎回ドア開けられるし。正直絶望していました。まあなんだかんだどうにかできるようになったけどね。でもこの技術、どこかで使うんか?

 

 冒頭で触れた通り、非公認教習所では、仮免試験の実技も鴻巣で受ける必要があります。が、鴻巣の仮免コースは、めっちゃくっちゃ広いんです。とにかくバカでかいの。気が遠くなるほど。

 MT車を運転する際は、「クラッチの切り替え」が大きなポイントになります。エンジンをかけたらギア1速で発進。スピードがついてきたらすぐ2速。さらに3速まで、スピードを長時間維持できるときは4速まで入れます。教官曰く「これがMTの醍醐味なんだから、MTで取る以上はギアをどんどん切り替えていかないと」とのこと。わたし、なんでMTにしたんだっけ......?

 さて、もちろん鴻巣で試験を受ける時も、「スムーズなギアチェンジ」というのは評価項目に入ります。スピードが出せて長距離まっすぐ走るときはスムーズに4速まで入れる。これができなかったら減点です。

 もちろん減点が積み重なると試験に落ちるので、狭い狭い教習所の中で必死に練習します。といっても、限度があると思うんだよね。だってカーブを抜けたら直線に入るけど、もうほんの少し走ったらカーブなんだよ?鴻巣の直線の半分くらいの距離ですよ。そこで60km/hくらいまで加速して、4速に入れなきゃいけない。もう修行です。カーブを抜け始めたらストイックに加速!速やかにギアチェンジ!60km/h出た!速やかに減速!次のカーブ!

 .......なんすかこれ。音ゲーのノーツの速度を最大にしてプレイしてるみたいな行為は。こういうのはちゃんと運転できるようになってからでいいの!まあ、文句も言わず、必死にやるんだけどさ。

 

 「S字カーブ」、「クランク」、「見通しの悪い交差点」といった項目ももちろんこなします。でもね、全然余裕でした。そんなことより、S字を抜けた次の交差点よ。こんな距離でどうやって寄せるんですかーーーー!!!!

 MT車の大敵、「坂道発進」もそこまで苦労はしませんでした。あれ、失敗すると怖いよね。半クラッチのつなぎに失敗してエンストすれば勢いよく後退するのよ。超怖いわ。教官が横に乗ってるときはいいんだけどさ、自分ひとりで練習している時の絶望感は異常です。というかATの坂道発進ってなんやねん。お遊びやろ。真っ逆さまに落ちていかないんだから。ねえ?

 ちなみに坂道発進を終えると、急カーブで左折します。この坂、どんな構造なんですか?なお、左折したら超一瞬で次の右折です。寄せも確認も大忙し。どうにかしてくれ......。

 

 練習していくうちに、自分の悪癖がわかるようになります。自分の場合はそうだなあ、寄せの甘さは最後まで言われたし、あとは停車時にギアを1速に戻し忘れる癖とか、ハンドルの持ち方の悪さとかかなあ。何回も何回も一番最初まで戻り、行きつ戻りつを繰り返しました。あまりに悔しいから、帰りのバスで泣きそうな気持ちでiPhoneのメモ帳に反省点を書き出して、次の乗車時まで意識を保つようにまでしていた記憶があります。

 仮免までに使えるコマ数をぎりぎり使って、というか本免まで考えるとちょっとオーバーするくらい使って、ようやく「みきわめ」を得ることができました。ついに、鴻巣行きの切符を手にしたのです。このころになると、必ず満点の運転ができていたわけではありませんでしたが、乗車手順から各項目のクリア、下車手順まで、きちんとどこが良くてどこが悪いか、きちんと意識してできるようになっていました。

 

 これまでの厳しい特訓とかけた時間から、不安をどうにか自信に変えて、わたしは母の運転で鴻巣に向かいました。合格になけなしの希望をかけて。まだ「鴻巣での実技試験」というのが、どういうものなのかということを、一つも知らないままに......。

 

つづく

『無敵級*ビリーバー』と、かすみの鏡の向こう側

※当記事は、楽曲『無敵級*ビリーバー』、あるいはアプリ「ラブライブ!スクールアイドルフェスティバルオールスターズ」のストーリー内容のネタバレを含みます。あらかじめご了承ください。

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無敵級*ビリーバ―』待望の発売!レインボーブリッジの上のアンニュイな表情のかすみんが可愛すぎます。皆さんもぜひ、『未来ハーモニー』もあわせて、聴いてみてくださいね。

 猫被り姫の素顔

「実は私たちは、中須かすみちゃんのほんとうの素顔を、誰も知らないのではないか......?」

 かすみちゃんに出会い、彼女のことを知っていけばいくほど、その疑問が澱のように心の底にたまっていく。

 虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会の部員、スクールアイドルである中須かすみちゃんは、「かわいいものが好きで、スクールアイドルに人一倍の憧れを持つ」女の子である。虹ヶ咲メンバーの中でもスクールアイドルへの想いは人一倍強く、同好会が解散の危機にある中でもたった一人同好会に残り、同好会を守り続けた。

 「一番可愛いのはかすみん」。堂々と言い張る彼女は、いつだって完璧な「可愛さ」を演じている。ファンにはもちろん、ニジガクのメンバーにも、「あなた」にも、かわいさをアピールすることには余念がない。特に「あなた」へのアピールは幼馴染の歩夢と張り合うほどで、「後輩キャラ」も含めて、かすみちゃんの可愛さに惚れてしまったラブライバーは数多いだろう。私もその一人である。

 「いたずら」によって、スクールアイドルのライバルたちを蹴落としていくことを狙うという「腹黒さ」とのギャップも、彼女の魅力となる。もちろん、そこには「他人を蹴落としても自分が一番のスクールアイドルになる」という彼女らしい必死さとアイドルに対するフィロソフィーを投影したものとも言えるが、しかし、そのギャップすらむしろ彼女が計算しているものではないかとも思う。むしろ、いたずらをするときに零れる他人想いな面や負けず嫌いな面、真面目で努力家な面こそが、今私たちがアクセスできる数少ない「彼女の内面的な魅力」であるように思える。

 しかし、かすみちゃんの魅力は、本当にこれだけなのだろうか......?かすみちゃんのことを知ろうとすればするほど、釈然としないものが残っていくような気がするのだ。

 とにかく、「可愛さを演じる」という点では、中須かすみという女の子に隙は無い。「猫を被る」といっても、全方向に向かって猫を被っているのだからすごい。とにかく徹底している。いつどこを切り取っても、かすみちゃんは「可愛い」。

 「猫かぶり系アイドル」なら、他にも同業者がいる。一例を挙げれば、アイドルマスターシャイニーカラーズの黛冬優子ちゃん。彼女は外向きでは「可愛いアイドル」を演じ切っている。しかし、彼女が猫を被る範囲は広いと言っても限られている。同プロダクションの別ユニットの前でも猫を被る姿にはもはや関心させられるが、心を許した相手の前では「素」を見せる。負けず嫌いで、口も悪く素直じゃない。しかし、そんな変化を見せるところこそ、彼女のある意味「分かりやすい」魅力と言える。

 翻ってかすみちゃんはどうだろうか。どのコンテンツを覗いても、どうにももやもやする。例えば、スクスタの「キズナエピソード」。ゲーム内で「キズナ」を積み重ねると親愛度が深まり、アイドルとの関係が深まっていく。大抵の場合は、アイドルの苦悩なんかがよく描かれて、話を聞いて問題を共有して、絆は深まっていく。

 しかしかすみちゃんのキズナエピソードは、どうにもそうではない。とにかくもやもやする。かすみちゃんとまっすぐ向き合おうとすればするほど、かすみちゃんの心は離れていってしまう。かすみちゃんのキズナエピソードは、ファンが増えないという、ライバルに打ち勝って日本一のスクールアイドルを目指すかすみちゃんにとって一番つらいはずの話である。それがかすみちゃんに与えるショックを考えたら、読む前から心配になってしまうほどである。

 しかし、そんな心配とは裏腹に、かすみちゃんはへこんではみせるものの、自分の気持ちや背景には立ち入ることを許さない。それどころか、「あなた」やみんなの励ましの言葉を聞いたらすぐに立ち直ってみせるし、少ないファンにも喜んで、ある意味「オトナな」対応をしてみせる。

 しかし、どうもそれがかすみちゃん自身の「素」であるようには思えないのである。この展開は、ラブライブ!サンシャイン!!1期8話の「くやしくないの?」を彷彿とさせる。サンシャイン1期でも屈指にヒリヒリしている8話では、Aqoursは東京で出演したスクールアイドルイベントで惨敗する。開き直ってみせる千歌ちゃんだが、実はこころのなかに強い悔しさがある。その悔しさを涙を流し、受け入れることで力にするとき、Aqoursは次のステージへと進んでいくのだ。それを踏まえてみると、ここでのかすみちゃんはどこか割り切った時の千歌ちゃんのような雰囲気がある。絶対に悔しいはずだ。1番になりたいに決まっている。本当は泣いたっていいんだし、投げ出しそうになってもいい。そういう気持ちを否定せずに、しっかり向き合うことこそが、私たちを強くする。

 しかし、かすみちゃんはあっさりとオトナに開き直ってみせる。これにはむしろ危うさを感じる。泣いたってわめいたっていいのだ。やっぱりどこまで行ってもかすみちゃんは猫を被っている、誰にも心を許していない。そんな気がしてならない。

 そんなもやもやした気持ちを少しでも解消して、「素顔のかすみちゃん」に近づいていくために、かすみちゃんが見せる言動について考えていきたい。

 

 その鏡に映るもの

 「キズナエピソード」では、さらに最新の18話に注目したい。部室で鏡と向き合うかすみちゃん。「あなたちゃん」は、かすみちゃんの独り言を聞いてしまう。

「鏡よ鏡よ、鏡さん。世界で一番可愛いのは、だ~れ?

それはもちろんかすみんです!早起きしてブローをしてる髪型も最高だし、爪も磨いてぴかぴか、制服のシャツをいい匂いの柔軟剤で仕上げちゃうとこなんかもう、可愛すぎです!

......なーんてね、はぁ......。

かすみんのファンクラブだけ会員が増えないなんで変なの......。誰かの陰謀じゃないかな?そうじゃなきゃ説明がつかなくない?

......もしかして、かすみん実は......可愛くないとか......? 」

       スクスタ 中須かすみキズナエピソード18話より

  「鏡」は、かすみちゃんを語る上で絶対に欠かせないアイテムである。「鏡よ鏡」と問いかけるかすみちゃんの姿は、『無敵級*ビリーバー』へとつながっていく。

 さて、最後の一文も核心に切り込むところだが、ほかにも違和感がある。

 それは、鏡をみたかすみちゃんが、可愛い点にひとつも自分の容姿を挙げていないところ。

 向き合っているのは鏡なのだから、見えているのは自分の顔である。あれだけ「かすみんは可愛い」を連呼するかすみちゃんなのだから、かすみちゃん自身の可愛さに気づかないわけがない、はずなのだが......。

 気になって調べてみる。すると、一つの気づきを得る。

 かすみちゃんは自分の「可愛さ」をアピールするときに、ほとんど自分の外見をアピールしない。いや、すべてのコンテンツ、すべての発言を確認できないので確証はないが、全く語っていないのではないか。そうとすら思える。かすみちゃんが「可愛い」とアピールするのは、ありのままのかすみちゃんではない。「かわいい」を目指して努力を重ね計算ずくで演じる「可愛いかすみん」のことなのだ。

 かすみちゃんが自分自身のことを「可愛い」と自負するのは、自分自身の外見、もしくは内面でもなく、「可愛い」へとアプローチする努力のことを指しているように思う。

 例えば、スクスタのサイドストーリーでも、「鏡の前で笑顔の練習をしている」、「可愛く見える仕草を研究している」と、ポイントは「可愛く見える笑顔」や「可愛く見える仕草」など、自分があらかじめ持っている部分ではなく、努力して手に入れる部分ばかりを話す。「努力しているからかすみんは可愛い、そうでないはずがない」。

 裏返しにすれば、「努力していなければ、かすみんは可愛くないかもしれない」。

 そういうことに、なりはしないか......?

 そして、上に引用した通り、かすみちゃんは、「かすみんは実は可愛くないんじゃないか?」と問いかけるのだ。

 この違和感を決定づけるのは、スクスタのメインストーリーのエピソード。「自分の魅力に自信を持つのは大切、自分を好きでないと他人を好きでいられない」とかすみちゃんを褒めるあなたちゃん。一見すると特別なことを言っているようには思えないのだが、かすみちゃんの反応は異なっている。

かすみ「......先輩、変わってますね」

あなた「えっ、そ、そうかな?」

かすみ「はい、そうです。今までかすみんのことそんな風に言ってくれる人なんていなかったですもん......。」

         スクスタ メインストーリー一章4話より

  あれだけ自信満々に自らの可愛さをアピールしてきたかすみちゃんなのに、褒められただけで「変わっている」というのも不思議である。褒められて「やっぱりそうですよね!かすみんはすごいんです!」とならない、それはなぜなのか......。もしかして、かわいさの猫を被ってるかすみちゃんを、今まで心から褒めてくれる人はいなかったのかもしれない。

 ここまでのことで導き出される推論。それはこうなるだろう。

 

 「かすみちゃんは、自分自身のことをかわいいと思っていない、あるいは、ありのままの自分のかわいさに自信がないんじゃないか?」

 

 かすみちゃんが見つめる鏡には、どんなかすみちゃんが映っているのだろうか?

 

 硝子の心を持つ王女

 どうして、かすみちゃんはいつも「かわいい」を演じていて素のかすみちゃんをみせてくれないのか。どうして、かすみちゃんはありのままのかすみちゃんをかわいいと思わないのか?

 直接的な答えは、まだ私たちは知ることができていない。しかし、そのヒントは、随所に散らばっているように思える。

 かすみちゃんのキズナエピソードを読んでいくと、どうにも引っかかるところがある。

 「絶対一番になってみせます。可愛いだけは.........。

 可愛いだけは、絶対、負けるわけにはいかないから......。」

        スクスタ 中須かすみキズナエピソード5話より

  かすみちゃんの高いスクールアイドルへの意識を表しているように見えるシーンだが、これまで考えてきたように読めば、気になる点がある。

 そう、可愛い「だけ」は負けられない。2回も繰り返すこのセリフだが、やはり「だけ」が気になる。他のところは負けてもいい、あるいは負けているのか......?

 裏を読みすぎといわれるかもしれないが、やっぱり気になってしまう。「可愛さでは、かすみんは一番ですから!」ではない。「かわいさだけは、負けられない」のだ。

 もちろん、一つの見方とすれば、これはかすみんの負けず嫌いさを象徴していると言える。かすみちゃんは他のスクールアイドルに対して、並々ならぬライバル意識を持っている。スクールアイドルの公演に感動しても、せつ菜ちゃんは熱く語ってみせるが、かすみちゃんは悔しがる。かすみちゃんの持っている「良さ」、「魅力」のひとつであろう。

 どうして「可愛いだけは負けるわけにはいかない」のか、どうしてかすみちゃんはスクールアイドルに強いこだわりと憧れをもつのか?

 それは、かすみちゃん自身が、自分のアイデンティティを「可愛い」だけだからと思っているからではないだろうか。

 ニジガクのメンバーは、それぞれソロで活動しないと摩擦が起きてしまうほど、個性の強いメンバーが揃っている。スクールアイドルマニアとしてもスクールアイドルとしても他を寄せ付けない情熱と実力を持ち、さらに裏の顔まで持つせつ菜ちゃん、表情のなさを「ボード」を使ってカバーし、独自の表現をもつ璃奈ちゃん、抜群のコミュニケーション能力をもつ愛ちゃん、プロポーションは読者モデルとしてお金を稼げるほどである果林ちゃん、マイペースで独自の世界観をもつ彼方ちゃん、スクールアイドルと両立する演劇部で磨いた演技力を持つしずくちゃん。スイスからスクールアイドルが好きで日本に留学してきて、日本語も上達したエマちゃんがキズナエピソードで個性に悩むほど、ニジガクのメンバーは個性にあふれている。

 それに比べれば、かすみちゃんは確かに苦しいのかもしれない。「可愛さ」も「いたずら」も、それは天然ではなく、かすみちゃんの多大な努力と計算によって生み出された理想の「かすみ像」である。それ以外にかすみちゃんを個性づけるとしたら、「パン作り」くらいだろうか。

 「そうじゃない!!」という大きな声がたくさん聞こえてきそうだ。うんうん。私もそう思う。既に述べたように、かすみちゃんの魅力は違うところにもっともっといっぱいある。負けず嫌いなところ、努力家なところ、人のことを想って行動できるところ、とにかくファン想いなところ......。

 しかし、思い出してほしい。かすみちゃん自身はこれらの部分を自分の魅力だと思っていない。キズナエピソードで「ファンレターを読むかすみちゃんの反応を隠し撮り」した映像を流すという提案を、かすみちゃんは断固拒否している。かすみちゃんは「自分自身」のことを、まだ本当には好きになれていない。自信を持っていないのだ。

 「可愛いものが好き」なかすみちゃんは、自分の周りを「可愛いもの」で覆い尽くすことによって、自身をかわいく見せている。かすみちゃんは、それを自分の唯一の拠り所だと信じ、頑なにその場所を守り続けている。しかし、かすみちゃんは未だ「自分自身のほんとうのかわいさ」には気づいていないのだ。この、ちょっとしたことで壊れてしまいそうな危うい自我と、それを覆い尽くす完璧で隙のない「かわいいかすみん」の二面性こそが、中須かすみというアイドルそのものなのである。

 ところで、ここからは完全に余談であり、かつ妄想なのだが、これだけかすみちゃんが自信を持てずにいる理由は何なのであろうか。

 私は、そのヒントは「かすかす」にあるのではないかと邪推している。その語感が悪いのはもちろんだが、かすみちゃんは「かすかす」と呼ばれるのをかなり強く嫌がる。特に中の人側では半ば「ネタ化」している感もあるが、それでもかすみちゃんはやはり「かすかす」呼びを嫌がっている。歩夢ちゃんがかすみちゃんと初対面の時に「かすかす」と呼んだとき、かすみちゃんは「なんで昔のあだ名知ってるんですかー??」と言っている。「かすかす」は、昔のあだ名なのだ。しかし、本人が嫌がるあだ名を呼ばれてしまうような環境って、どんな環境なのだろうか。少し考えただけでもどうしても暗いことしか考えられない。もしかして、かすみちゃんは昔いじめられていたのでは......?これ以上はとりとめが無いのでやめておくが、いつかかすみちゃんともっと仲良くなれたときに、かすみちゃんが「昔」の話をしてくれるかもしれない。そういう時に、そんなかすみちゃんのすべてを受け止めることができていればと、強く思う。

 

『Margaret』

 近づこうとしても取り付く島もないようなかすみちゃんだが、ここまでかすみちゃんの内面に踏み込むことができたのも、ひとえに先に示したキズナエピソード18話のおかげである。

 そして、さらにかすみちゃんの内面に切り込んでいけそうなのが、先日発表された3rdアルバム収録のソロ曲『Margaret』である。


【ニジガクみゅ〜じっくウィーク!〜1週目〜】Margaret / 中須かすみ(CV.相良茉優)

鏡に映る自分に問いかけてみたの
今の私は魅力的に見えますか?
まだ答えは返ってこないままで

誰よりもいっぱい笑顔絶やさないように
今日も私はちゃんと可愛くいなくちゃ
部屋で一人考えたのこんな素顔だけれど
もっと好きになってくれるかな?

聞いて!
泣き顔も笑い顔も 全部見てほしい
たまに出る変な顔も 笑って許してね
いつも好きでいてくれる君にとって一番でいたい
想いのままを歌にのせたよ
これからも頑張った君のために

  3rdアルバム収録曲 『Margaret』歌詞より 歌詞は耳コピしたもの

 

 これまでの『ダイヤモンド』、『☆ワンダーランド☆』が「可愛いかすみん」を完璧に投影した正統派アイドルソングだったのに反して、『Margaret』は、むしろこれまで全く踏み込まれることのなかった「素顔のかすみちゃん」を表現した曲と言える。

 この曲はキズナエピソード18話のエピソードの答えになるような曲であることから考えれば、「かすみんは本当は可愛くないんじゃないか」という自身への問いかけに対して、かすみちゃんが出した自分なりの答えということになる。

 そしてそれは、ついにかすみちゃん自身の口から「素顔」に言及されるというものになっている。「完璧な笑顔で可愛いかすみん」とは、あきらかに違うかすみんがそこにいる。この歌詞だけではこれ以上のことを言うことができないが、きっとこれからかすみちゃん自身が、自分のことを好きでいてくれるファンの、そして「あなた」のために、素顔を徐々に見せてくれることを予言している。その時を今か今かと待ち遠しくまつことしか、私たちにはできないけれど。でも、ついにかすみちゃんが「素顔の自分」と向き合ってくれたことが、これまでのかすみちゃんを見守ってきた私たちにとっては、涙が出るほどうれしいことには変わりはない。

 

 

『無敵級*ビリーバー』


【試聴動画】無敵級*ビリーバー / 中須かすみ(CV.相良茉優)

  かすみちゃんについてこれだけ考えたことを踏まえて、ついに待望の『無敵級*ビリーバ―』を聴いていきたい。

 イントロで歌われる「Mirror on the wall」は、"Mirror mirror on the wall, who's the fairest of them all?"(鏡よ鏡、世界で一番美しいのは誰?)という「鏡よ鏡」を表し、いつも鏡に向き合うかすみちゃんを描いている。そもそも、『白雪姫』で白雪姫の継母である王妃が鏡に上記のフレーズを問いかけるのは、継子である白雪姫が自分より美しいのではないかという不安が背景にあるのではないかと思う。鏡に向かって「自分が一番美しいのか」と問いかける王妃の心の奥底にあるのは、「自分より可愛い人がいる」ということを認めたくないという、自信とプライドの喪失に対する不安に他ならない。

 つまり、ここでは今まで見てきた「ありのままの自分に自信が持てない」かすみちゃんの不安が表される。「鏡」は、常にかすみちゃんを語る上で欠かせないアイテムになる。

 続く「あの子」が誰なのかという話はよくされているし、たとえばそれがせつ菜ではないか、とはよく聞くが、私はここで結論を出したくない。それがどんなスクールアイドルであっても、自分よりかわいくまぶしい人がいたら自信を失い、負けず嫌いからため息をつく、それがかすみちゃんだから。

 私服・そして各衣装ともに、どのカットもとびきりかわいいかすみちゃんがみられる点は、まさに「可愛いかすみん」そのものと言えるし、選挙で1位を取ったかすみちゃんの魅力を最大限に引き出している。一番印象に残るのは『ダイヤモンド』衣装のカット。夕日を浴びながら立つかすみちゃんは、ケーキ、ぬいぐるみ、王冠といった「可愛いもの」の上に傲然と、勝利者のように立っている。これまでのかすみちゃんが、「可愛いものが好き」という点を武器にして、この選挙を勝ち抜いたことを表しているように思えるし、同時に、「可愛いもの」に拠らない、新しいかすみちゃんの誕生を象徴しているようにも見える。

 

かすみの鏡の向こう側

 「可愛いかすみん」を完璧に表現するこの曲だが、『ダイヤモンド』や『☆ワンダーランド☆』とはその内容は違っている。最もそれを象徴するのが、Bメロ部分の掛け合いである。

「努力しても追いつけないのかな」

『ううん!弱気で凹んでちゃダメ!』

「私にだってできるはずなのにな」

『超絶 誰より イチバンだもん』

       『無敵級*ビリーバー』歌詞より 

  一番はこうである。これはかすみちゃんのソロ曲であるし、かすみちゃん自身と、それから鏡(背景のビジョンは鏡を表しているように思う)の中のかすみちゃんとの会話を表している。

 「」が、素顔のかすみちゃんのコメントであり、『』が、鏡の中のかすみちゃんである。根拠は文脈以外にもある。「」の部分ではPVの私服のかすみちゃんが動いて歌う。『』の部分では、背景のビジョン(=鏡?)の中のかすみちゃんが動いて歌う。

 『ダイヤモンド』や『☆ワンダーランド☆』は、鏡の中のかすみちゃんが歌う曲だ。逆に『Margaret』は、鏡と向き合う素顔のかすみちゃんが歌う曲である。『無敵級*ビリーバー』は、どちらであろうか?

「手強いライバル現る 焦る」

『がんばる姿 見ててほしいな』

「計画通りにはいかないな」

『ねぇ ますます目が離せなくない?』

        『無敵級*ビリーバー』歌詞より 

  結論から言えば、『無敵級*ビリーバー』はどちらでもない。上に引用したのは2番Bメロの歌詞である。一番と同じように、素顔のかすみちゃんと鏡の中のかすみちゃんが掛け合いを見せる。

 しかし、PVの背景に注目してほしい。1番サビ前で鏡の向こう側へと誘われたかすみちゃんだが、2番のこの部分では『無敵級*ビリーバー』衣装に身を包んだかすみちゃん自身が鏡の外で両方の歌詞を歌い、むしろ鏡(ビジョン)の中にはかすみちゃんの内面が映し出される。そしてついには『ねえ ますます目が離せなくない?』の部分で、鏡の外のかすみちゃんと鏡の中のかすみちゃんは完全に動きがシンクロする。最後にかすみちゃんがとびきり可愛くダブルピースすると、ついに鏡を表すビジョンは雲散霧消し、鏡の中のかすみちゃんと鏡の外のかすみちゃんは完全に同一のものになる。

 そう、『無敵級*ビリーバー』は、かすみちゃんが演じる「可愛いかすみん」の歌でもなければ、鏡と向き合うありのままのかすみちゃんの歌でもない。これは「鏡の向こう側」にたどり着いたかすみちゃんの歌なのだ。

 ここまで読んでもらったみなさんであれば、「この世界中の全員がNoだって言ったって」という歌詞も誇張に感じないであろう。これまでかすみちゃんは、そんな逆風の中でも、「かわいいかすみん」を演じることをやめてこなかった。たとえそれが「作り出した可愛さ」であったとしても、それが自分の魅力であり、それが誰にも負けない一番であると信じ続けてきた。

 かすみちゃんの最大の魅力は、武器は、一番誰にも負けないところは、「信じること」だ。

 「もう絶対めげない 負けないって決めたの」という歌詞からは、もしかしたら一度かすみちゃんが自信を失って、折れてしまったことがあったかもしれないということが伺える。

 しかし、かすみちゃんは再び自分を信じることができた。だからこそ、かすみちゃんは努力を重ね、めげずに負けずに、「可愛い」を追求し続けている。

 かすみちゃんは強い。それは誰よりも、「あなた」が、ニジガクのみんながわかっている。だから、かすみちゃんが少しへこんでいてもみんなは必要以上に励まさない。みんな、かすみちゃんが強く、自分で問題を乗り越えられることがわかっているからだ。

 かすみちゃんの強さを一番表しているのが「この世界中でたったひとりだけの私を もっと好きになってあげたい」という歌詞だろう。この歌詞の、こころの底から湧き出るような力強さ、自信に驚き、感動した人は多いだろう。これまで心配していたかすみちゃんの弱さ、危うさは、まるで乗り越えてしまったかのようである。かすみちゃんの成長には、目を見張るしかない。

 『無敵級*ビリーバー』は、一つのかすみちゃんの到達点だ。努力を重ねたかすみちゃんは、ついに鏡の向こうの理想の自分へと、たどり着いてみせたのだ。

 しかし、そんなかすみちゃんも、いつか心が折れてしまいそうな時がくるかもしれない。負けてしまいそうな日がくるかもしれない。

 だから、いつか必ず、かすみちゃんの「素顔」を知りたい。いつでもかすみちゃんが本音を話せる相手になりたい。そして、困ったときにかすみちゃんを助けてあげたい。

 いつでも「喜ばせる側」でいたいかすみちゃんは、どんどん進んでいってしまう。かすみちゃんがどこまでも進んでいくのについていって、いつかかすみちゃんが壁にぶつかったときに、かすみちゃんに手を差し伸べられるように、必死にかすみちゃんについていく。

 「無敵級のビリーバー」を、支えられるような「あなた」でいたい。

 そんな気持ちを強くさせられる、最強で無敵の曲だった、と思う。これだけの感動を与えてくれた、DECO*27さんとAyaka Miyakeさんに感謝したい。

 

 

 「Let's go! 無敵級*ビリーバー」

 

 

 かすみちゃんの鏡の向こう側に、できるだけ早く、置いていかれないようについていきたい。かすみちゃんは絶対に待っていてくれる。そして鏡の向こう側で会った時、かすみちゃんはきっとこう言うのだ。

 

 

 「遅いですよ、先輩!かすみん、待ちくたびれちゃいました」

『Fantastic Departure!』とAqours6thライブツアーのおはなし

 お久しぶりです。こばとんです。

 今日、7月21日はAqoursの6thライブツアーテーマソング、『Fantastic Departure!』のフライングゲット日です!ラブライバーの皆さんはもう手に入れましたか?

 今日は、『Fantastic Departure!』収録曲の感想、Aqours6thドームツアーに関することなど、Aqoursの新曲とこれからについていろいろ思っていることをおはなししていこうと思います。『Fantastic Departure!』をまだちゃんと聴いてない!という人は、ネタバレになってしまう部分も多いと思いますので、ブラウザバックして、最高な曲を存分に聴いてから戻ってきてくださいね!

 

 

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『Fantastic Departure!』フラゲ!みんなも買おう!

『Fantastic Departure!』

 表題曲『Fantastic Departure!』は、EDMっぽい曲調が印象的な、カッコよさに全振りした曲です。2020年に開催されるはずの、Aqours5大ドームツアー「Aqours 6th LobveLive! DOME TOUR 2020」のテーマソングです。ポジション的には4thライブの時の『Thank you, FRIENDS!!』に次ぐ曲ですね。

 さて、これは試聴動画公開時にも言っていたことですが、明らかにこれまでと曲調と変えてきました。おしゃれでかっこいい曲調は近年激増している海外のファンに特に響いたようで、『Fantastic Departure!』の試聴動画のコメントは日本人を探すのが難しいくらいの状況ですね。

 歌詞は、「5大ドームツアー」という、これまでアニソン歌手・グループが一度も成し遂げていない大規模公演への挑戦をテーマにしたような歌詞になっています。個人的には2番の「時代(とき)は波よりも速い 寄せては返さない ただ前に流れる ああ前に だからしっかり進んでこう ファンタスティックな出発は 飛沫をあげながら そう前に」というところが好きですね。多分ここのソロパート、曜ちゃん→鞠莉ちゃん→善子ちゃんの順番だよね?あいにゃとあいきゃんのいい声が好きすぎる。

 

イルカが呼んで クジラに乗って

 そんな歌詞の中で圧倒的な存在感を放っているのが(畑亜貴さんだからまあこんなもんなのかもしれないけど)、サビの歌詞中に登場する「イルカ」と「クジラ」ですね。「クジラ」の方は、先日生放送で名前がきまった「ポエポエ」ちゃんのことを指しているのだと思いますが、「イルカ」の方も気になるところです。単に表現としてそうなのか、なにかを「イルカ」で表しているのか、それとも......?

 気になる「イルカ」はとりあえず置いて、1番でも2番でも「クジラに乗ってしまうんだ」という歌詞は共通しています。言葉を額面どおりに取ればAqoursメンバーが「ポエポエ」にのって登場するといった展開が想定されるわけですが......。

 「なぜだなぜだ!」という歌詞や、「ありえないことが起きる」という歌詞があるのも気になるところです。「ありえない冒険」はほんとうに5大ドームツアーだけを指しているのか、それともわれわれの度肝を抜くような演出がライブ当日にあるのか......。これ以上はただの妄想になってしまいますし、ライブ当日までのお楽しみと言うことにしましょう。私はきっと想像以上のものが待っていると信じています。

 それにしてもラスサビ前の「手を伸ばして!」は本当に雰囲気がありますね。会場で聴いたら絶対に鳥肌ものです。早く「かっこいいAqours」が見たいなあ。

 

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先日発売の「ヤングジャンプ」を購入すれば、着せ替えCDジャケットも手に入るぞ!それはそうと、このふりさん可愛くない?

Aqours Pirates Desire』

 B面の『Aqours Pirates Desire』は、十分インパクトがあったA面を上回るインパクト。「海賊」をイメージした曲は、これまた今までのAqoursに無かったような曲調。すこし暗い雰囲気のダンスチューンは、ライブ会場で流れればさらに化ける曲になるはず。Dan-Da-Danが癖になるよね。絶対ライブで楽しいやつっしょ。

 歌詞の強い雰囲気も印象的。「奪いとれ」、「どんなモノも私のもの」。強気なAqoursも新鮮です。

 ラスサビのとこの最初のソロって誰のソロパートなんでしょう?わかる人いる?教えてくださいな。声を低く抑えて歌ってるのがすごくいいですよね。こういう抑えた感じから一気に展開していくのにオタクは弱いからね。もう負けたよ。

 

 

「フェンシングのまち沼津」と、オリンピック?

 この『Aqours Pirates Desire』、「勝利」という言葉も入っていますし、何となくスポーツの応援ソング感があるんですよね。そして、収録のドラマパートもスポーツにちなんだ雰囲気のあるものになっています。7番目のトラックに収録されている「フェンシングってなんだろな?」は、「フェンシングのまち沼津」のポスターに起用されたAqoursにちなんだ内容。ひょっとしたら『Aqours Pirates Desire』はこれにも関連しているのかなあという感じかもしれません。『君の瞳を巡る冒険』みたいに正式になにかとのタイアップと発表されているわけではないですが。

 ところで、Tr.5「Aqours流、勝利論」、Tr.6「魅惑のロードバイク」も、スポーツを題材にしているのが気になります。きっと1年かそれ以上前から計画・準備していたであろうAqours6thライブツアーですから、オリンピックイヤーであったことは考慮していたのかなあ、と邪推します。もしかしたらオリンピックにちなんだ演出もあったのかも。それにしてもコロナでオリンピックが延期されたのは各所に大きな混乱をもたらしましたね。イベントというのはかなり長期間をかけて準備するものですから、簡単に方向転換することもできないので、イベントの開催者は相当頭を悩ませていることでしょうね。

 

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珍しい組み合わせが楽しめます。

Aqours活動休止は近いのか?

 まとめサイトのような見出しになりましたが、この問題はラブライバーにはいつも脳内にちらついている問題だと思います。スクールアイドルは「限られた時間」が題材の一つとなっていて、突然のμ'sの活動休止の報はラブライバー全員を驚かせると同時に、「ラブライブ!の時間は限られている」という事実を否応なく実感させられたのでした。

 すでにアニメ1期2期、劇場版も終わっているAqoursがいつまで活動するのか、それはいつも頭の片隅にある問題なのです。4thの時に、感謝を伝える内容の『Thank,you FRIENDS!!』が発売されたときも、「まさか!?」という思いを抱いたラブライバーの皆さんは多いと思います。

 しかし、今回のシングル収録2曲にはそういう雰囲気はありません。むしろ、前向きな挑戦の雰囲気がひしひしと伝わってきます。それに、「みんなと一緒に作ってきたAqoursの物語」という感じではなく、「これからはAqoursが走っていってみんなに新しい景色を見せてやるんだから!」という雰囲気を強く感じます。まあ、こうやって安心したときに「それ」が発表されるのは死ぬほど怖いんだけど......。自分がナンバリングライブに漏らさず参戦しているのは、「それ」がいつ来てもいいようになのです。コロナによってAqoursのライブが中止になったことを「Aqoursの1年が失われた」と重く見る人が多いのも、やはりこの「限られた時間」への意識によるものが大きいでしょう。「燦々ぬまづ大使」に2020年までの任期でAqoursが就任したとき、「ああ、2020まではAqoursはやってくれるんだ」と思った記憶もあります。とにかく、できれば永遠に、でもそれは無理なら一秒一瞬でも長くAqoursの活躍を見ていたいものです。

 

6thライブへの期待

 このブログを執筆中に、Aqours6thドームツアーについての概要が発表されました。国が5000人以上のイベント開催許可を延期する決定をしたことを受け、9月いっぱいに行われる名古屋・埼玉両公演は無観客開催となることになりましたね。まあいろいろな決定についての感想や意見は、この記事の話題とは文脈を異にするものですからここでは言及しません。

 なにはともあれ、6thドームツアーが9月から始まることになったわけです。その内容にどんな期待をしているのか、お話していきましょう。

   Aqours6rhドームツアーの公式HPはこちら→http://www.lovelive-anime.jp/uranohoshi/sp_dometour.php

 これまで、1st、3rd、5thの各公演は、アニメや劇場版のストーリーに沿って、その挿入曲を中心にセットリストが組まれました。

 今回の6thは、2ndや4thと同様、アニメのストーリーに沿った演出はないことが想定できます。私が期待するのは以下の点です。

 

 〇かっこいい曲が多いセットリスト

 『Fantastic Departure!』は、これまでの曲なら『Daydream Warrior』、『SKY JOURNEY』、『君の瞳を巡る冒険』のような、芸術性の高いかっこいい曲調です。セットリスト全体も、ライブ映えするような曲や、芸術性の高い「魅せる」曲が多くなることが期待できると思います。ああ、『Wake up, Challenger!!』も聴きたいなあ。唯一残念な点は、こういうライブ映えする曲はコールを含めて価値がある、という点でしょうか。

 

 〇セットリストの柔軟性

 もちろんライブの練習に充てることのできる時間は限られているので、短い期間・少ない公演数の中ではセットリストの幅はあまり広くなりません。しかし、比較的期間をもって行われるライブツアーでは、2ndのときがそうでしたが、セットリストを比較的大きく変えることも考えられます。これだけの大きな公演なのですから、より多くの曲を聴くことができるのではないか、と期待するのです。加えて、先ほど発表された概要を見る限り、各公演ごとにサブタイトルが違うようです。きっと各公演、それぞれの公演テーマに合わせた内容になるのでしょう。クリスマス後の福岡公演では『ジングルベルがとまらない』が聴けるかもしれない!とかね。楽しみは尽きませんな。

 

 〇ライブ演出

 今日の発表では、今回も4thに続いて、アニメラブライブ!サンシャイン!!の劇伴を作曲した「カトタツ」こと加藤達也さんと、「浦の星交響楽団」のみなさんが参加することがあきらかになっています。4thでは、オーケストラによる劇伴演奏や彼らの演奏による『キセキヒカル』など、それまでのラブライブ!シリーズのライブでは見られなかったような演出がみられました。評価はそれぞれかもしれませんが、Aqoursのこれからの可能性という意味でも、またコロナ禍下での無観客、あるいはコール無しのライブの演出としても、いろいろな挑戦がみられたらいいなあ、と思っています。

 

 こんな感じでしょうか。とにかくどんな形でもライブが開催されるということでしたら、Aqoursが見せてくれる景色をしっかりとこの目に刻んでおきたいところです。

 

 

 以上、『Fantastic Departure!』を聴きながら、その収録曲と6thドームツアーについておはなししてきました。みなさんも、『Fantastic Departure!』を聴きながら、Aqoursがこれから切り拓いていくであろう未来に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。どんな未来を描きますか?ちなみに私は、沼津でのライブと、国立競技場でのライブができたらいいな、と思っています。「こんなのもいいな」っていうのがあったらぜひ教えてくださいね。

 

 それではまた。来週はついに『無敵級*ビリーバー』発売です!早く聴いてブログでお気持ち表明したいなあ。それまで一週間、頑張っていきましょう!

 こばと

にじよんのおはなし

 新しいコンテンツへと足を踏み入れた時、特にアイドルなどでは、たくさんのキャラクターをいきなり提示されて、だれがどんな子なのかわからない......ということが多々あると思います。

 そういう時に各キャラクターの個性や性格を知り、推しを決めていくのに最善の方法の一つが、公式の4コマ漫画を読むことだと思います。アイドルマスターシンデレラガールズだったらアニメ化もされた『アイドルマスターシンデレラガールズ劇場』だったり、ミリシタやシャニマスにも4コマがあり、ゲームアプリ内で閲覧できます。これはスクスタも見習ってくれよ。アイドルではないですがFGOやマギレコにも4コマがありますね。とりあえずアプリを入れて粗方キャラクターを確認したら4コマに行く、というのは個人的にはアリだと思います。

 

 今日7月15日は、ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドルの4コマ、『にじよん』の発売日でした。私は早速市内を駆けずり回って手に入れ、何度も読み込んでいます。

 

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『にじよん』は右。左のにこちゃんとルビィちゃんが可愛いラブライブ!総合マガジンVol.08も、表紙がとてもかわいいのでぜひ買ってください。

 『にじよん』はミヤコヒト先生によるゆるっとして可愛い絵も魅力です。それでいてそれぞれのメンバーの特徴を捉えているのもいいですよね。ニジガクメンバーの個性を掘り下げ、魅力的なキャラクターとして独り立ちさせるという点では、未だ駆け出しのコンテンツであるニジガクに対して非常に大きな貢献があったなと思います。『にじよん』や各生放送、それに媒体別活動とそれぞれの4コマによって、ニジガクの各キャラクターに少しづつ息が吹き込まれていったと思います。

 先日は『にじよん』で一番好きな4コマを投票する企画まで行われるほど、ファンからも愛される『にじよん』。単行本発売をお祝いすべく、私の好きな4コマについて、ベスト4(?)を選んで、ゆるっとお話していこうと思います。

 

 それぞれの4コマをお読みになりたい方は、こちらから!

 #01~#60→https://lovelive-as.bushimo.jp/special/nijiyon/

 #61以降→http://gs.dengeki.com/web_rensai/niziyon/

 YouTubeにて、フルボイスのコミックムービーも公開されています!↓↓


【にじよん】コミックムービー「にじよん シーズン3」#01「紹介動画①」#02「紹介動画②」

 もしお気に召したら、ぜひ単行本をお買い上げくださいませ!

 

 

 4位 #18 4コマらしい寸劇にほっこり

 #18「バレンタインデー2」は、#17から続くバレンタインのお話。スクールアイドル活動に全力でなにかと能力値の高さを感じるせつ菜ちゃんですが、絶望的に料理ができないという欠点を抱えています。

 果林とかすみの2人はまだしも、彼方・エマ・歩夢というどちらかといえば寛容で温和な3人に、激しく拒絶されるほどのせつ菜ちゃんのチョコレート、一体どんな仕上がりなのか、むしろ怖いもの見たさがありますね。

 突然イタリア語をしゃべり出すエマちゃんは何だかえも言われぬ怖さがありますね。フォントもゴシックだし。食べてもいないのに「もう少し刺激を抑えた方が」「チョコらしさを前面にだして」とコメントする果林とかすみの2人も好きです。この漫才コンビみたいな2人、絶対仲いいよなあ......。

 

 3位 #53,54 ギャップにやられる1コマ

 『にじよん』でより個性と魅力が増したな、と思うメンバーは何人かいるのですが、果林ちゃんはそのひとり。「読者モデルをしている、セクシー系アイドル」の果林ちゃんは、持ち合わせるピュアでかわいい一面とのギャップが一番の魅力となるわけですが、『にじよん』ではその魅力がほんとうによく活かせていたと思います。

 #53,54「誕生日(果林)」は、タイトルの通り果林ちゃんの誕生日。ファンの私たちとおなじように、果林ちゃんのミステリアスさに悩んでいたメンバーは、迷った末に誕生日プレゼントとしてぬいぐるみをプレゼントすることに。不器用に感謝を言葉を一つ述べて、部室を去っていく果林ちゃんにメンバーは心配するのですが.......。

 彼方ちゃんが言っていたように、心配は無用だったよう。部室を出てすぐに、満面の笑顔でぬいぐるみを抱きしめる果林ちゃんの一コマはあまりに愛おしいですよね。この一コマだけで1時間は語れるわ。完璧に見えて実は不器用、大胆にみえて素直になれない果林ちゃんのあまりの可愛さが狂おしいほど愛おしい4コマです。

 

 2位 #67,68 璃奈ちゃんボードの魅力

 虹ヶ咲のプロジェクトが発表になって、メンバーの概要が初めて紹介されたとき、もっともインパクトを残したのが素顔を「璃奈ちゃんボード」で隠すアイドル、天王寺璃奈ちゃんでした。

 そもそも「素顔を隠す」アイドルってどういうことなんだろう。どうして璃奈ちゃんは素顔を隠しているんだろう......?シリアスな理由はスクスタのストーリーの方で明らかにされますが、同時に「璃奈ちゃんボード」を使う璃奈ちゃんの日常がどんなものなのか、という疑問が湧いてくるわけです。

 『にじよん』では、ボードといつも共にある璃奈ちゃんの日常を沢山書いてくれました。これによって、璃奈ちゃんという女の子がどんな子なのか、ということがわかり、璃奈ちゃんへの愛着をもった方も多かったのではないでしょうか。

 #67,68「表情」は、璃奈ちゃんボードの可能性を見せてくれる4コマ。ごくごく限定的なシチュエーションや、メンバーみんなのカオの特徴を的確にとらえて璃奈ちゃんボードをノリノリで書く璃奈ちゃんは、なにより生き生きとしています。感情を顔に出すのは苦手だけれど、感情は豊かで、積極的な面もある璃奈ちゃん。なにより、顔に表情を出すのが苦手、というコンプレックスからつけているボードだけれど、璃奈ちゃん自身がそれを自分アイデンティティーとして認識して、みんなをいじったりして、ポジティブに活用しているということが、一番うれしく、そしてまたこの上なく璃奈ちゃんというキャラクターの魅力であると感じるのです。

 

 1位 #10,31,32,70,90 かなしずをすこれ

 1位とかいいながら5個も選んでるのは反則だって?そりゃあそうかもしれないけど、かなしずの魅力には勝てないんだよ。選ばざるを得ないの!

 『にじよん』最大の推しカプは彼方ちゃんとしずくちゃんの「かなしず」です。一番『にじよん』で輝いていたカプはかなしずだと思うの。異論は認める。

 しずくちゃんは1年生ながらしっかり者、一方の彼方ちゃんは3年生ながらいつもおねむでだらだら。年齢は逆ながら、姉妹のような関係を見せる二人。最高でしょ。

 もっと最高なところがあるんですよ。それは、いつもは不甲斐なく見える彼方ちゃんは実はお姉さんでしっかり者な部分があって、逆にいつもしっかり者に見えるしずくちゃんが妹っぽい面を見せる時もある。この逆転が良いんです!わかりますか?わかりませんか?いいでしょう、さっそく4コマの方を見ていきましょうか。

 #10「身だしなみ」は、まさにかなしずの尊さが凝縮された4コマ。時間まで寝ていて寝ぐせがついたままの彼方ちゃんに対し、しずくちゃんは甲斐甲斐しく寝ぐせを直してあげるのですが、ほんのちょっとの隙に乱れたしずくちゃんのリボンを直して、知らんぷりをしています。いや素晴らしいでしょ。あまりに尊い。リボンを直してあげている時の彼方ちゃんの顔がまた良い。いつまでも絡みを見ていたくなる2人です。

 #31「誕生日(しずく)」では、愛犬オフィーリア大好きなしずくちゃんに、歩夢ちゃんが犬にちなんだプレゼントを渡すのですが、彼方ちゃんは犬にちなんだプレゼントの用意がなく自信が犬になりきってしずくちゃんのプレゼントになろうとします。が、しずくちゃんは歩夢ちゃんの方が犬っぽいと犬になった彼方ちゃんを一蹴。いやこれは完全に私の妄想なんですがね、ここでしずくちゃんが先輩のかなたちゃんをにべもなく一蹴できるのは、それだけしずくちゃんと彼方ちゃんの間に信頼関係があるからだと思うのです。きっと歩夢ちゃんを選んだ後に、そんなことないですよ、彼方さんも可愛いです、というような展開がある、と思うのです........。でもそれはきっとみんなのいないところでするんだろうな......。もう付き合ってるでしょ!この2人は。

 #32「寝ぼけ」では、寝ぼけた彼方ちゃんがしずくちゃんのことを、溺愛する妹の遥ちゃんと勘違いします。しずくちゃんは一瞬迷いながらも遥ちゃんを演じたところ、彼方ちゃんはそのまま遥ちゃんと勘違いしてしずくちゃんを可愛がります。

 「もう少しだけこのまま 遥さんを演じていようかな...」というしずくちゃんの発言が最高ですよね。きっと「遥ちゃんを演じて居れば彼方ちゃんは幸せな思いができる」という気持ちと、「このまま遥ちゃんを演じていれば、いつも遥ちゃんにしているように彼方ちゃんが猫可愛がりしてくれる」という期待が半々なのかな、と思うと、もう......。

 #70「言い間違え」は、人気のある4コマ。今度は地べたで寝ていた彼方ちゃんを起こしたしずくちゃんは、さっさと面倒見良く彼方ちゃんの身なりを整えますが、最後にとんでもない言い間違えをします。彼方ちゃんを愛犬オフィーリアと間違えて呼んだのです。王道のかなしずですねこれは。最後二人で手をつないでるとこも良い。

 これは#32と対をなしている感じもありますよね。しずくちゃんもオフィーリアを溺愛しているわけですから、つまり、かなしずは両想いというわけになるのです?えっ、論が飛躍していないかって?さあ......。

 かなしず上級者になるとちょっとしたかなしず要素も見逃しません。#90「記憶喪失」では、記憶喪失の役を演じるしずくちゃんに対して、果林ちゃんがどこぞの童話にちなんで「キスで記憶が戻る」という案を提案します。ロマンチックな案にしずくちゃんは惹かれますが、彼方ちゃんとかすみちゃんが反対し、果林ちゃんから「あなたたちはしずくちゃんのなんなの......?」と質問されるという内容です。

 そう、つまりこれは、「かなしず」と「しずかす」の正妻争いなのです!わかりますか?もちろん私には選びかねますが、やはりここは......(以下検閲

 彼方ちゃんが珍しく大きい声を出していることからも、かなしずの絆の深さを感じとれたと思います。『にじよん』では、このように様々なメンバー間の関係も描かれています。私たちの想像もどんどん広がっていきますよね。

 

 

 かなしずの魅力が『にじよん』の魅力が伝わりましたでしょうか。いいよね『にじよん』。これから何回も読んで、ニジガクメンバ―への想像を膨らませていきたいと思います。ニジガクを知りたいというかたは、『にじよん』を入り口にしてみるのもとても良いと思います。皆さんも『にじよん』で好きな4コマがあったら、コメント欄でもリプでも、ぜひ教えてくださいね!

 それではまた。

 こばと

ラブライブ!スーパースター!!のおはなし

 


ラブライブ!新シリーズプロジェクト 紹介動画

 

 

tsuruhime-loveruby.hateblo.jp

 

 先日ブログでもおはなししたラブライブ!シリーズの新プロジェクトですが、名称が2か月前に発表されたときの「ハロー!!!ラブライブ!」ではなく「ラブライブ!スーパースター!!」となることが発表されました。なんで?エクスクラメーションマークの数が結局サンシャインと同じ2個じゃん。増えるんじゃないんかい。あとタイミングが早すぎない?もっとニジガクを大事にしてほしいぞ......?まあね、この「ラブライブ!スーパースター!!」は先日サンライズが商標登録したという情報があって、一体なんのコンテンツなんだとひそかに騒がれていたのですが、何のことはない、新プロジェクトの名称だったわけです。

 ちなみに同時に公式サイトもオープンとなりました。

 

http://www.lovelive-anime.jp/yuigaoka/story/

 

 細かいことは前回のブログに書きましたので、そちらをご覧くださいませ。全体的に「アイカツ!」っぽいって書いたけど、名前までそんな感じになっちゃったね。

 

 さて、明日発売のラブライブ総合マガジンVol.08において、「ラブライブ!スーパースター!!」のグループ名投票について詳細が発表されるようです。これ表紙がにこルビなんだよね。絶対買います。

 ご存じない方もいらっしゃるかと思いますので軽くご紹介すると、ラブライブシリーズにおいては、「みんなで叶える物語」を象徴する一つのコンテンツとして、グループ名・ユニット名・学校名・校章、果ては登場人物名やライブマスコットキャラクター名に至るまで、ファンの公募・投票によって決定しています。「μ's」、「Aqours」はもちろん、「Printemps」、「Guilty Kiss」のようなユニット名も、公募→候補選定→投票という流れで決定されたものです。

 

 もちろん今回もこの投票に参加するわけですが、どんな名前がいいのか、これまでに公開されている情報を整理しながら少し考えてみましょう。

 

 

私立結ヶ丘女子高等学校、
表参道と原宿と青山という3つの街のはざまにある新設校に初めての入学生がやってきた。

歴史もない、先輩もいない、名前も全く知られていない、ないない尽くしの新設校で、
澁谷かのんを中心とした5人の少女たちは"スクールアイドル"と出会う。

私、やっぱり歌が好き! 歌でなにかを……叶えたい!!

まだ小さな星たちの、大きな想いが重なっていく――。

全てが真っ白で、無限の可能性を持つ彼女たちとのみんなで叶える物語スクールアイドルプロジェクト」。
はばたけ!私たちのラブライブ!

 

 公式サイトの「ストーリー」の欄にはこうあります。あっ、そういえば「私立結ヶ丘女子高等学校」のネーミングも同じ流れで決まったものですね。このときは食指が動かなかったから応募してないわ......。

 この短い文章を読んだだけでも、それまでのラブライブシリーズ各作品とは違う部分が見つかりますね。

 

 まずは「初めての入学生」、「先輩もいない」という点から、全員が高校1年生の同い年であるところ。これまでは1年生から3年生まで3人づつスクールアイドルが所属していましたが、今回は先輩後輩の関係を見ることはできなさそうです。

 

 次に「新設校」というところ。

 μ's、Aqoursは「廃校の危機」に対してスクールアイドル活動によって学校を救おう!というストーリーでしたが、今回は廃校の危機に直面することは無さそうです。一方で、「スクールアイドル活動で学校を有名にする」という目標はありそうですね。

 

 「まだ小さな星たち」とわざわざ洒落た言い方をしているのは気になります。「スーパースター」なのですから、彼女たちは「星」であるという点にストーリーでこだわるかもしれませんね。「小さな星」たちが「スーパースター」になることを目指すのが「ラブライブ!スーパースター!!」なんだ、ということなのかもしれません。個人的には天文サークルに所属していたほど星はとても好きなので、星にちなんだストーリーがあったり、星をイメージした曲があったりしたら嬉しいですね。

 

 「すべてが真っ白で、無限の可能性を持つ彼女たちの」という部分もおもしろいですね。「真っ白である」ということが彼女たちのアイデンティティーである、ということなのでしょうか。歴史もない、先輩もいない、名前もまったく知られていない。さらに言えば、メインキャスト一人をオーディションで取った、ということもそういうことなのかもしれません。つまり「未だキャリアがなく無名な女の子をストーリーの中心に据えたかった」ということなのかなあ、と。このコンセプトも、「ラブライブ!スーパースター!!」というコンテンツを語る上で大切になってくるのかもしれませんね。

 

 メンバー紹介の方に目を移せば、たしかに澁谷かのんちゃんのプロフィールは「まっさらで普通の女の子」というイメージがありますね。やはりオーディションで選ばれた人が演じるのはきっとこの子でしょう。

 葉月恋ちゃんは、完全に松浦果南ちゃんだった一番最初のビジュアルから一変して、魅力たっぷりの黒髪和風少女になりました。ポニーテールを飾るリボンが可愛いですね。現状の推し候補一番手です。

 そんなことはさておき、この子は「学園創設者の娘」であるようですね。南ことりちゃん、小原鞠莉ちゃんのポジションということでしょう。この2人もアニメのストーリーのなかでとても大切な役割を担っていましたし、キーパーソンとなってくることが想定できそうです。

 ところで、嵐千砂都ちゃんが「怒ると怖いっていわれたりするけど、気のせいだと思うよ。」と言っているのが気になりますね。なんか棒読みだし、これ怒ると怖いキャラってことでしょ.......?「怒ると怖いキャラ」といえば園田海未ちゃん、黒澤ダイヤちゃんといった大和なでしこ枠が継承してきたもので、見た感じではそうじゃない千砂都ちゃんがどんな感じになるか、気になるところです。

 

 

 さて、今日のところはこのあたりまでにしておきましょう。ここまで考えてきたことを軸に、どんなグループ名を応募するか、しばらくじっくり考えてみるとします。どんなのが良いかなあ。何かいいアイデアがあったら教えて下さい、というより、ぜひ皆さんも応募してみてくださいね!もしかしたら、選ばれるかもしれませんよ......?

 

 それではまた。

 こばと

 

これからのアイドルアニメのおはなし

 少し更新間隔があいてお久しぶりとなりましたね。こばとんです。

 なんだか大仰なタイトルがついていますが、要するに虹ヶ咲とミリオンのアニメがどうなるかなあ。こんなんだったらいいなあ。というお話です。

 

 前日3周年を迎えたミリシタですが、そこで「ミリオンライブアニメ化」というファンにとっても青天の霹靂といった発表がありました。


『アイドルマスター ミリオンライブ!』アニメ化プロジェクト始動ムービー

 これまで長い間アニメーション作品という媒体を持っていなかったミリオンライブは、良く言えばディープで深い、悪く言えば少しとっつきにくい面のあるコンテンツだったのですが、これでだいぶファン層が広がるかもしれないな、と思います。まあアニメの出来にもよるけど。発表された映像では3Dのアニメ―ションが印象的でしたね。

 

 

 アイドルマスターシリーズのアニメ化としては本家のアニマスシンデレラガールズ、SideMに次いで4作目のアニメとなるわけですね。私はSideMを見ていないのでそこについては詳しくお話できないのですが、それ以外はしっかりと履修しています。

 本家のアニマスは、やはりアイドルアニメのひとつの原点なのかなあ、と思います。765プロダクションに所属するアイドルとプロデューサーの「お仕事」としてのアイドル活動を描いたアニマスですが、その特徴は一人ひとりのアイドルをしっかり掘り下げているところにあるかな、と思います。

 ストーリーが少しづつ進んでいってアイドルが成長していくのはもちろん、ひとつひとつのストーリーで一人のアイドルをフィーチャーして、丁寧に掘り下げていくのは本当によくできていると思います。話数は限られているなかで、一人漏らさずキャラクターを掘り下げていくのは見事です。私は3話で雪歩を好きになり、7話で伊織を好きになりました。

 ちなみに、アニマスには決まったエンディングが無く、回ごとに登場人物や内容にちなんだそれぞれのエンディングがかかります。これもまたストーリーの内容と相俟って感動するから好きです。ただ、最近のアニメではこの手の演出はちょっと減ってきたような気もしますが......。

 全体としてお仕事とプライベートとのバランスも、ポジティブなエピソードとネガティブなエピソードとのバランスも取れている感じがあります。まあ個人的には、もうちょっと黒井社長を単なる悪役にしてほしくなかったかなあ、という感じがあるけど。まあそうじゃないというような言及もあるんだけど、何となくもやっとしないこともないです。というか、これ以降の各アニメがここから少しでもオリジナリティーを出そうとしている感はあるよね。劇場版まで見てM@STERPIECEは絶対聴いてくださいね。そうすればすっとミリオンにも入ってこれるだろうし。

 

 ミリオンライブが本家アイドルマスターの系譜を継いでいるのに対して、シンデレラガールズは完全に世界観の違うコンテンツです。デレアニは......そうですね、より「おしごと感」の強いアニメです。346プロダクションは有名芸能事務所のような大きなプロダクションで、765プロのような事務所を一丸として頑張ろう!といった雰囲気はあまりありません。ここがオリジナリティーと言えるかも。

 ただ、この特徴をストーリーで上手く生かしています。作中で起こるいろいろな問題は、よく言えばより芸能界としてリアリティ―のある問題になってきます。悪役が出てきてストーリーをひっかきまわしてきて、それを撃退する!というような爽やかな勧善懲悪感よりは、むしろ組織としてのゆがみや理不尽が良く表現されているかな、という感覚があります。

 その分、アニマス赤羽根Pより、デレアニの武内Pの方が、いろいろと考えさせられる深いキャラクターになっています。朴訥で実直な彼が個性あふれるアイドル達と向き合っていく様子はアニマスには無い良さがあると思います。あとは武内さんの出す雰囲気がすごい。当時高校生とは思えん。個人的な注目ポイントはそこです。

 他のコンテンツとは違い膨大な数のアイドルを持つシンデレラガールズでは、14名の「CINDERELLA PROJECT」と呼ばれる企画メンバーによってストーリーが進行します。アイドル一人ひとりを描くのではなく、ユニットごとに行うお仕事とその葛藤を描きました。アニマスよりはまじめに(?)お仕事している印象が強いアニメになっています。何というか、より「芸術性の高い」二作目です。二期で卯月が「S(mile)ing!」を歌うシーンが一番最高なのでそこを見てくれ。あと、いろいろネタにされている未央の「私アイドルやめる!」のシーンは結構重くてしんどいので、毎回辛くなってしまう......。

 

 さて、この流れの中でミリオンがどういう展開になるのか。

 監督、作画などを見ても、本来の系譜であるアニマスのストーリーを完全に継承しているという可能性は低そうです。私が注目する点は2点。

 〇3DCGを多用しそうだが、どういう出来になるか?

 これまでアイドルマスターシリーズはあまり3DCGに頼らず、ライブシーンも2Dにこだわっていて、この点を信条にしているファンすら散見されるほどです。2大勢力である「ラブライブ!」との最大の相違点ともいえるかもしれません。しかし、3DCGでの作画には好き嫌いがあります。「ラブライブ!」は、セル画と3DCGをハイブリッドで使うという革新的な手法を生み出して、年月作品を重ねるごとにそのクオリティ―は上がっているのですが、ミニオンのアニメではどうなるでしょうか。発表のムービーを見る限りはちょっと不安ですが......。

 〇39人のアイドル全員をしっかり描けるか?

 ミリオンライブには本家765PROALLSTARSの13人以外に、各属性13人づつ39人のアイドルがいます。ミリオンライブの一つの魅力は、アイドル間の競争が少ないこと。比較的出番は39人で等分されていて、その差は圧倒的実力主義シンデレラガールズに比べてはるかに少なく、非常に平和です。「自分の推しを一番にする」というモチベというよりは、「安定した供給の中で自分の推しを楽しむ」という雰囲気のあるコンテンツです。しかし、尺の限られたアニメにおいて、39人全員の出番を等分に確保し、その全員を掘り下げるというのは容易ではありません。デレアニみたいにグループに分けても(その可能性も有力ですが)、出番はだいぶ薄まってしまいますし、多分信号機組(未来・静香・翼)の出番が増えることになるのだと思いますが、それでミリマスの良さが維持できるのか......。脚本の手腕に期待です。

 

 

 「お仕事としてのアイドル」を描くアイドルマスターに対して、アイドルを「部活もの」に昇華させてより広い層からの人気を獲得、一時は社会現象まで引き起こしたのが「ラブライブ!」シリーズです。

 東京・神田を舞台として、音ノ木坂学園のスクールアイドル、「μ's」の9人の成長を描いたのが本家の「ラブライブ!」です。監督の花田十輝さんの影響も多々あると思いますが、「ラブライブ!」の展開は圧倒的にミュージカルです。超ポジティブな主人公・高坂穂乃果を中心としたμ'sは、壁にぶつかりながらもその壁を壊して乗り越え、スクールアイドルの大会である「ラブライブ!」の優勝の成し遂げ、それによって学校を廃校から救う、よく言えば「ポジティブで明るい」、悪く言えば「かなりご都合主義な」ストーリーです。まあミュージカルっぽく進みご都合主義なのがラブライブ!のいいところなんだけどね。好き嫌いは確かにあるわな。ニューヨークまで舞台を広げる劇場版は記録的興収を誇りますが、最後の『僕たちはひとつの光』は必聴。ついでにファイナルのライブ映像を見れば完璧。『M@STERPIECE』もそうなんだけど、アイドルアニメの大切なところはそこに詰まっています。

 社会現象にまでなったμ'sたちの後を継ぎ、ちょっと過剰なくらいの期待と不安を背負ってスタートしたのが静岡・沼津を舞台として、浦の星女学院のスクールアイドル、「Aqours」の活動を描いたのが後継作の「ラブライブ!サンシャイン!!」です。こちらも前作とは一線を画した内容となりました。

 ちょっと過剰なくらいにμ'sの影を感じつつ始まったラブライブ! サンシャイン!!ですが、こちらはよりシリアスな展開になることが多くなりました。意気軒高に臨んだ東京でのイベントでは1票も得られず惨敗。8話「くやしくないの?」は、ラブライブ!サンシャイン!!らしさが一番出ている回です。本家のご都合主義はどこへやら、彼女たちは廃校すら防ぐことはできませんでした。2期に入ってくると、その違いは存分に生かされてきます。どちらかといえば挫折の多いAqoursのストーリーは、μ'sのストーリーとは決定的に異なるメッセージを伝えてくれます。個人的おすすめは2期6話。かつての3年生組の挫折とそれに再び挑戦する千歌のストーリーは、このアニメのハイライトの一つでしょう。

 


TVアニメ「ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」ティザーPV

 さて、この流れのなかで虹ヶ咲のアニメがどういう展開になるのか。

 何度か当ブログでも言及しましたが、虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会はμ's、あるいはAqoursとは明らかに違う展開が特徴で、なんならその系譜を継いでいると言えるかわからず、ともすれば不遇と見えなくもないコンテンツでした。そのため、アニメ化の発表は予想できなかったほどではありませんが、それなりの驚きがあったことは間違いありません。

 これまでのラブライブ!のストーリーの形を引き継いでくるかどうかさえ微妙なところですが、私が注目したいのはこの2点。

 〇作画をはじめとして、前2作品との違いがどう出るか?

 ニジガクでは、それまでのラブライブと大きく異なる点が多々あります。その一つが作画です。正直、これまでとは相当イメージが違います。これをどう捉えるのか、なんとも言えない面があったのですが、『無敵級*ビリーバー』と『未来ハーモニー』のPV公開によって不安より期待が大きくなってきた感があります。これまでのラブライブに無かったようなポップなタッチの絵も魅力的ですし、それでいてラブライブ最大の特徴である「手書きと3DCGをハイブリッドさせたダンスシーン」でもむしろ今までを超えるかのようなクオリティーをみせてくれました。どちらかといえば期待の高いポイントですが、少なくとも前2作品とは違ったテイストになってくることは確かでしょう。

 〇「ソロ活動」メイン、そして「あなたちゃん」。ニジガクたちのストーリーがどんなものになるか?

 それまでのラブライブでは、スクールアイドルをやりたい!メンバーを集めよう!廃校の危機を救いたい!ラブライブで優勝したい!と、いわばお決まりの流れでストーリーが進んできたのですが、ソロ活動をメインとし、また学校も巨大であるニジガクでは、そのストーリーの流れに乗る可能性は低そうです。まあ「ラブライブ!」で優勝したいという点は変わらないと思うけど......。9人のスクールアイドルだけではなく、プロデューサー的立場の10人目、あなたちゃん「高咲侑」の存在も大きく違うポイント。彼女がどうストーリーに関わってくるのか、注目です。

 

 

 以上、これからアニメ化される「アイドルマスターミリオンライブ」と「虹ヶ咲学園スクールアイドル」について、私の視点からいろいろお話しました。どちらも「3作目」で(まあミリマスは4作目というべきかもしれないけど)、圧倒的な1作目と、それから違いを出して上手く描いた2作目に次ぐ作品となるのですが、しっかり流れを継いでくるのか、あるいはあっと言わせるような変化を見せるのか、期待は高まるばかりですね。

 毎週ミリマスや虹ヶ咲のアニメを楽しみに生きていけるような日々がやってくることがいまから待ち遠しい気持ちです。皆さんもぜひ見ようね。そしていろいろお話できたら最高です。

 

 それではまた。

 こばと