こばにゃんのPOG2026-2027 候補馬リスト

サトノセブンス

サンセットキスの2024

イーデンキーの2024

グリマー⭐︎

ダイメイプリンセスの2024⭐︎

ミルトアフター

プロテウス

ヴィエナブローの2024⭐︎

ルフトシュピール⭐︎⭐︎

メダルボーイ

フェステグラウベ ⭐︎⭐︎

ウィクフォード⭐︎

スーパーフライデー

アレオクール⭐︎⭐︎

デイジーバローズ ⭐︎⭐︎⭐︎

ネーロノワール

ハニーベル⭐︎⭐︎⭐︎

レポゼッションの2024

プリミエール ⭐︎

マーゴットプレ

ゼフィール

フレイコン⭐︎

サプジェクト

エルヴァスIIの2024

トナリティ⭐︎⭐︎

エデンヴァレー

ジェットシェヴロン⭐︎⭐︎

ブルーマーブル

フランケンストーム

サウンドスケイプ⭐︎

セントベルナール

インピードの2024

ブレイクアウェイ

ハナビ

フラジオレット

セプタードアイル⭐︎⭐︎

パパラチアボーイ

ユリア

ガネット⭐︎

リムリックアイル

ファーストアライヴ

フルークべライト

タイドビート⭐︎⭐︎⭐︎

シャルマンスリール⭐︎⭐︎⭐︎

オーソロンビック⭐︎⭐︎⭐︎

スターフラッシュ

テールエメール⭐︎

フクチャンヨシ

フローズンスタイルの2024

クレイドルの2024

ディスクリートサム

オレンジピール

サントシャペル

ミズバショウ

パッションシーザー

フラムルージュ⭐︎⭐︎

トップチェッカー⭐︎⭐︎⭐︎

スターリーデー

ドンクラッシュ

ステラルーチェ

ファウナード

ペルチュザート

デュアルサイン

ミラージュスター⭐︎⭐︎⭐︎

スイートリディア⭐︎⭐︎⭐︎

シャリーフ

スパイダー

アドマイヤミラ

エバーラスティング

インヴィディア⭐︎⭐︎

マリナーヴァレイ⭐︎⭐︎⭐︎

デフィレドール

エトワールビズー⭐︎

ティアーモの2024

エルカミニート⭐︎⭐︎

テンポアニマート⭐︎

アルコデラルーナ

インカルナータ

エテルノアーラ

スタースポット⭐︎⭐︎

セイレイカ⭐︎⭐︎⭐︎

ノヴァルクス

パンジュアーブ

アルティメットラヴの2024

イモージェン⭐︎

クリスタルクリア

サリーレ

タクティシアン

ペントザリス

ホワイトフレアー⭐︎⭐︎

フロムザブルー⭐︎

ワイルドモーションの2024

アルテクィーン

ピンクダイアモンド

プリムローズ⭐︎⭐︎

アセンシオン

アルティマノヴァ

ニクスルーナ

イルーシヴハピネスの2024

ヴァイスハイトの2024

スウィングフィール

ビスケットサンド⭐︎⭐︎

ブラックカルダモン⭐︎⭐︎

チャランダマルツ⭐︎

バイコーンハット

フェスタベラ

ベルポリーグレイス

リーベラーリア

ルナパッショーネ

フェイムシーカー

ビューティフルワン

ヴェルソドルチェ

グルドロッティン

ラガッタレアーレ⭐︎

ミスティークローズ

トリニティプレイスの2024

エクラオール

ローザドーロ

マチネ

シグロデオロ⭐︎

カーリーウィップ⭐︎

ムーンキャスト⭐︎

リボンロゼッタ

プリンセスバローズ

ブルーフェイブル

シエログラーナ

マジカルブラック⭐︎

ラードンチェイス⭐︎⭐︎

ヴィアマネンス

リントヴルム

ジュベルシャムス

シャンデヴァーグ

クラフティ⭐︎

キャンディリヒト

リリコイ⭐︎

ジーティーサクラ⭐︎⭐︎

ギャルズマインド⭐︎⭐︎

セレニティマリン

ロマリア⭐︎

ソプラノクイーン

アスクゴクジョウ

ノーブルグランツ

フォルトナレガーロ

ヘルズゲート

ルパドゥクール

アリアニコ

ケープルグラン

ゴレスターン

プラチナブロンドの2024

シープメドウ

トキシックチャーム

バミューダブーケ

オールドリーキー

ポルトブルー⭐︎

サールナート⭐︎

シャムリベルク

シャムスクッカ

オプティミスタ⭐︎

アストラルライト⭐︎⭐︎

フォンテキアーラ

グロスミッシェル⭐︎

レインインザスカイ⭐︎

ラストハピ

ブライトレジーナ⭐︎⭐︎

ビヨンドザスカイ

エルヴァーレ

エクラドリオン⭐︎⭐︎⭐︎

エールヴォル

シャーロットタウン

クリムゾンヒート

オオヤマカイチョウ

ヌーベルフィズ⭐︎⭐︎

トリプライトの2024

ゼットターム⭐︎

アズライトティアラ

ユアグレース

アーデルプレミア⭐︎

バーンユアハート⭐︎

マーズウェーブ

ロイヤルローズ

ラガリーガ⭐︎

ブラスオルケスター⭐︎

フラッドウォーニングの2024

ピクニックデー⭐︎

ハーレムラインの2024

ビエントゾンダ

イシュバランケ

ネクターサイン

コルキス

シャムロックレーヌ⭐︎⭐︎⭐︎

アウェイクの2024

ビタミン⭐︎

スイートリベンジ

マーレノストルム

ウィールズアップ

ゼノスフィア⭐︎⭐︎⭐︎

サンリットブーケ⭐︎⭐︎

エクシプノス

アズールドーン

ブックオブケルズ⭐︎⭐︎

コンテスタード

ヴィクトリアピースの2024

ブロッサムスピア

サンフラワー

フィルムフランセの2024

ミッドナイトフレア⭐︎⭐︎⭐︎

アニメイトバイオの2024

ハーキュリーダイヤ

アメリの2024

ジオ

 

 

こばにゃんのPOG2025-2026 候補馬リスト

ラフターラインズ

ブレットパス

エクラドット

ランウェイミューズ

オラヴィンリンナ

イットガール

レダトミカ

アルファリラエ

ブレナヴォン⭐︎

ビタールート

デイトナチャンプ

コロナドブリッジ

クラックアスマイル

アルティマローネ

ウェイクフィールド

トライアンフパス⭐︎

ジェーロドラート

マンサニージャ

カタフラク

クラークスデールの2023

フィジーポップ

プルミエショコラ

シルバーリム

オーブレーヌ

ダイヤモンドノット

アグアフレスカ

ショコラ

アリス

フロレセール⭐︎

マイコンチェルト

サンヴァランタン⭐︎⭐︎

プリマグラードの2023

ティンクルバレット

カスタニッチャ⭐︎

アドマイヤジェミニの2023

マーチャンシップ

ノーブルサヴェージ

ゴディアーモ

カムアップローゼス⭐︎⭐︎

ソリタニア

ノチェセラーダ

スターアニス⭐︎

チアファンファーレ

エバーシャンティ

ビートマッチの2023

ビジュアライズ

グリーンバナナズの2023

カルダモン⭐︎⭐︎

エンジェルボイス

ガーネットフレア

ラディアントスター

ルリスタン

アンジュドジョワ

トゥレイス

コケレールの2023

テンダーワーズ

クールフィデル⭐︎

リボンインザスカイ⭐︎⭐︎

カーブドフェザー⭐︎

アーティキュレート⭐︎

パーシャングレー

ヴンダーバール

フランジヴェントの2023

アメリカンドミンゴの2023

マスアンジュ

ミスバレンシア

イモータリス⭐︎

ドルチェラヴィータの2023

クールフラン

ポルトフィーノの2023

エコールナヴァール⭐︎

ジャポニカーラの2023

アッシズオブローズ⭐︎

イヌボウノユウヒ

マーズローバー

レッツエンジョイ

プリュスエクラ

ジョイアミーア

ウィンザーロック

ペトリコール

グレートロッタリー

アロハフリューゲル

クラシオン

シージャムブルース

メルカントゥール

ムーンリットレイン

ハイティー⭐︎⭐︎

スサーナトウショウの2023

リエヴェメンテの2023

ソラネルマン

スウィープシャルム

ソレイユルヴァン

ゼフィルス

ラルルジェンヌ

マジカルアメジスト⭐︎⭐︎

ブランドブラン⭐︎⭐︎

グランブーケ

エラルディーク

ヒートエミッション

ワントゥワンの2023

アーデルブリックス

フォーチュンライド

アドマイヤシュラ

ブランドブラン⭐︎

ザタイムハズカム

フォルストランキル

バロッカネーラ

プラウディッツ⭐︎

ブラックシャリマー

ブラックオリンピア⭐︎⭐︎

ストロベリーツリー⭐︎

ジェットセッティングの2023

レイナエヴィータ

ミラージュノワール⭐︎⭐︎

エイル

ラミアスペランツァ

アウトリュコス

スイープセレニティ⭐︎

サンダーストラック⭐︎

エリカアズーラ⭐︎

アストラサンタンの2023

ミスマンマミーアの2023

シャドウマリアの2023⭐︎⭐︎

サトノクラシカル

ロードスタニング

ウィスカーパッド⭐︎⭐︎

カレリアフレイバー

スパイストワイス⭐︎

バースデイフライト⭐︎

チェリヴェント⭐︎

エーデルゼーレ⭐︎⭐︎

ルシアージュ⭐︎

サマーナジュム

ジェニサの2023

ジンカイト

エムズビギン

イクシード⭐︎

こばにゃんのPOG2025-2026 指名馬リスト

牡① マジョレルブルー

コントレイル/ブルーミングアレー(シンボリクリスエス)/社台F/栗東・友道/社台RH/黒鹿毛/5月9日

ランブリングアレー半弟。父コントレイルは無敗の三冠馬で、今年初年度産駒がデビューを迎える。コントレイル自身は母系が非常に米国色が強く、三冠馬とはいえ適距離はマイル〜2000mだったと言ってもよく、配合によっては短距離馬やダート馬が生まれる可能性も高い。本馬の母ブルーミングアレーは米国要素と欧州要素をバランス良く持ち合わせ、姉ランブリングアレー、叔父スピルバーグトーセンラーは芝で息長い活躍を見せた。本馬も、主戦場は芝2000m前後になると思われるが、この厩舎だしクラシックの時期であれば2400まではもたせてくるだろう。5月9日と遅生まれで、クラシックに間に合うかはギリギリになるかもしれないが、同厩のドウデュースのように息長くG1戦線で活躍し、父を代表するような産駒になって欲しい。

 


牡血統 リン

キタサンブラック/ティーンエイジギャル(Acclamation)/DeepCreek/栗東・四位/ヤナガワ牧場/鹿毛/4月13日

母父Acclamationは短距離馬で、ロマンチックウォリアーやDark Angelの父。キタサンブラック×母父短距離マイル馬はイクイノックス、ガイアフォース、クロワデュノール、ラヴェル、リンクスティップなどほとんどの活躍馬に当てはまる定番配合。そこに母母父Pivotal、さらにSnow Fairlyを出した重厚な牝系が加わり、スピードを補完しつつさらに欧州パワーの要素を付加する。ややノーザンダンサーの血が過剰なのは懸念点。キタサン産駒らしい、長い首差しに長い足、長躯短背でトップラインが綺麗に繋がったシルエットは、馬名の通り「凛」とした姿。近年、ノーザン生産のキタサン産駒は早熟性を付加され、2歳重賞やクラシックでもどんどん活躍するようになっているが、本馬は父の故郷でもあるヤナガワ牧場の出身。馬主DeepCreekはパンジャタワーでNHKマイルCを制し勢いに乗る。じっくりと成長して力を溜め、将来は香港や欧州でも活躍できるような大物に育っていって欲しい。

 


牡②グリオンヴール

エピファネイア/イーデンキー(No Nay Never)/キャロットF/美浦・宮田/ノーザンF/鹿毛/3月26日

エピファネイアは確実性に欠けるも大物をコンスタントに出す長距離砲。母イーデンキーはアイルランド産馬で、現役時は短距離からマイルを走った。母父No Nay Neverはユニコーンライオンの父。母母父Exceed And Excelは母父としてジャスティンミラノやライトバックを輩出。日本競馬への適正が高い血統だ。エピファネイア産駒は、当初はデアリングタクト、エフフォーリア、ブローザホーンなどサンデークロスを持つ馬の活躍が目立ったが、最近はダノンデサイル、エリカエクスプレス、ジョバンニなどサンデークロスを持たない産駒が走るようになってきている。適距離はマイルだが、2000mまでならこなせる。ただ折り合いに課題が残り、イメージは牡馬版エリカエクスプレス。また、オリオールのクロスを持つので、揉まれ弱く逃げか大外一気の競馬が合う。夏の新潟デビューを予定していて、朝日杯FSから皐月賞NHKマイルを目指す。

 


牡③イノセントホープ

エイシンフラッシュ/イノセントミューズ(ヴィクトワールピサ)/社台RH/美浦・小島/社台F/黒鹿毛/2月18日

母イノセントミューズは芝中距離で中央3勝。母母母Proudwingsは鞍上武豊キャピタルSを勝ち、香港マイルにも挑戦した。エイシンフラッシュ×母父ヴィクトワールピザはオニャンコポンが京成杯を制し、この世代はその成果を踏まえた配合が試みられている。この馬もオニャンコポンと同じ小島厩舎に預けられた。Proudwingsは欧州マイラーで、オニャンコポンも母母はサプレザで欧州で活躍したマイラーだったので、配合の輪郭は非常に似ている。この血統だが今のところ気性の悪さは見せていないし、芝マイル〜中距離での活躍に期待。既にゲート試験には合格済みで、順調なら夏デビューも視野。父はどちらかと言えば晩成よりの産駒が多いが、本馬は既にある程度キ甲も抜け好馬体を誇示。早い時期からの活躍にも期待できそう。

 


牡④サイアミーズ

ホッコータルマエ/ジェラスキャット(Tapit)//美浦・斎藤/下河辺牧場/鹿毛/2月22日

デュードヴァンの半弟で、近親にエンスージアズム。母ジェラスキャットは初仔のデュードヴァン以来牝馬が続き、本馬が久しぶりの牡馬となる。兄や姉は芝を使われることもあったが、本馬は父タルマエなのでダート一本で勝負することになりそうだ。母がStorm Catを持つタルマエ産駒にはゴライコウがいる。Unbridled4×4のクロスを持ち、比較的早期からの活躍も見込める。厩舎も骨太なダート馬との評価。父ホッコータルマエはG1を10勝した名馬であるだけでなく良血で、どこかで必ず大物を出すと睨んで狙っていた。POG5年目にして初めて純粋なダート馬を指名する。ダート三冠路線での活躍に期待。

 


牝①モンローウォーク

キズナ/アンフィトリテⅡ(Sebring)/エムズレーシング/美浦・木村/ノーザンF/青鹿毛/3月10日

トライデントスピア半妹。母アンフィトリテⅡは豪G1馬で、デインヒル4×3のクロスを持つ。父キズナデインヒルを持つ母と相性が良く、ジャスティンミラノ、ライトバック、サヴォーナ、エリキングなど活躍馬多数。母父Sebringは豪におけるMore Than Readyの代表産駒で、CriterionやLucky Bubblesらを輩出。父がダイワメジャーだった兄トライデントスピアより切れ味のある馬になりそう。距離はマイルから中距離まで対応できる。まだ馬体重は430kg台と軽く成長途上で、6月移動で秋デビューの見込み。既に脚長ですらっとした馬体だが、まだまだキ甲も伸びておらず、体高はもっと伸びる。大箱向きで、クイーンCから桜花賞オークスを目指すイメージ。

 


牝血統 ロングトールサリー

キタサンブラック/グローバルビューティー(Global Hunter)/ロデオジャパン/栗東・福永/ノーザンF/鹿毛/2月19日

ミッキーゴールドの半妹。母グローバルビューティーはG1アルゼンチン銀杯勝ち馬。兄ミッキーゴールドは若駒S2着、若葉S3着でクラシックまであと一歩届かず。勝ちきれないあたりは南米牝系らしさなのかもしれないが、本馬は父がリアルスティールからキタサンブラックに、牡馬から牝馬に変わって、兄よりは柔らかく末脚も使える馬になるだろう。母母Kiwi Girlは実質ストラヴィンスキー≒Starlyte Girl1×1とも言える強烈なインブリードの配合。母父Global Hunterは米芝マイル〜中距離で活躍した。馬体重は480kg台だが、デビューは急がず秋以降になるか。距離ははっきりと中距離向きで、目標はオークス一本になる。セレクト1億円以上の馬を指名するのはアグリ以来。キタサン牝馬初のクラシック制覇を達成し、古馬になってからもいくつもG1を取って欲しい。自信の一頭。

 


牝②アトリ

シスキン/ウィキッドリーパーフェクト(Congrats)/シルクレーシング/栗東・清水/ノーザンファーム/芦毛/4月24日

ハートレーの半妹。父シスキンは種牡馬1年目はトラブルもあって産駒が極端に少なかったが、テリオスララが萩Sを制覇するなど結果を出した。また、産駒の勝利の全てが芝で挙げたもので、日本の芝に高い適正をみせている。母ウィキッドリーパーフェクトはハートレー以来活躍馬を出せていないが、非サンデー系種牡馬の牝駒と、ガラッと方向性の変わるここで一発狙ってみたい。母父Congratsはフォーエバーヤング、ダノンデサイルなどを出し今勢いに乗る。Seattle Slewのクロスを持つのはダノンデサイルと同じで、かつ兄弟が誰も持っていなかった要素。適正はマイルよりも芝1800〜中距離くらいとのコメントがあり、テリオスララに近いイメージか。馬体重460kgで、既にしがらきに移動済み。秋デビューからオークスを目指す。

 


牝③コイバナ

モズアスコット/タイムピース(ルーラーシップ)/岡浩二/栗東・渡辺/サンデーヒルズ/栗毛/2月21日

キリンジの半妹。父モズアスコットは初年度からファウストラーゼン、リリーフィールド、ベアバッキューンらを輩出し、産駒が芝、ダートの両方で活躍した。本馬の兄キリンジキズナ産駒ながらダートで活躍したが、本馬は母にとって初めての牝馬だし、そもそも母タイムピースはルーラーシップアイドリームドアドリーム牝系だから、芝で活躍しても不思議はない。距離はマイルから2000mくらいのイメージ。リリーフィールドのように芝ダ兼用でも。既にゲート試験には合格済みで、放牧前の栗東CWではなかなかの時計をだしていた。まずは芝マイルでデビューし、阪神JFを目指す。

 


牝④ムーンリットアイル

ミッキーアイル/ムーングロウ(Nayef)/キャロットF/栗東武英智/ノーザンF/鹿毛/4月13日

モントライゼ半妹。ミッキーアイル牝駒はナムラクレア、メイケイエール、ララクリスティーヌなど芝短距離で活躍。ディープ後継種牡馬としては珍しく母方より父方の短距離色を強く出す種牡馬だが、本馬はBurghclereとHeight of Fashionの3/4同血ニアリークロスを持ち、晩成スタミナ要素が強調されているのがポイント。半兄のモントライゼも障害に転向して永く活躍している。入厩済みで、在厩のまま函館短距離でデビューする予定。ナムラクレアのようにマイルまではこなせるとみている。中京2歳Sから阪神JFを目指す。

こばにゃんの2023-2024POG指名馬リスト

昨期POGの総括と今期POGの展望

 今年の日本ダービーも、またクビ差、届かなかった。目前にして叶わなかったPOG指名馬による日本ダービー制覇の夢を胸に、気持ちを新たにして臨む今期のPOG指名馬について皆さんにご紹介したい。

 昨期POGは、勝ち上がりが5頭で、ソールオリエンスが京成杯皐月賞を制覇しダービー2着、ラヴェルアルテミスSを制覇しオークス4着、ドルチェモアがサウジアラビアRCと朝日杯FSを制覇するなどG12勝、重賞5勝。牡馬、牝馬、そしてマイル路線に重賞馬をそれぞれ送り込み、望外の結果を得た。

皐月賞を制し日本ダービーで2着となった昨年の指名馬ソールオリエンス

 一方で、クラックオブドーンは頓挫続きで6月の1勝止まり、ルクスグローリアは調教中の事故で予後不良、ヴァンビスタは装鞍所で厩務員を蹴りレース中に骨折、ランドオブラヴは馬体が増えず気性難でコントロール不能になるなど、順調にレースに使って結果を出すということがいかに難しいかということも改めて実感する結果になった。

 とはいえ、初開催のうま同POGではPOGの先輩方に食い込んで2位の賞金を獲得。POG経験者として一定の実力を示すことはできたと言えよう。

 今期POGの方針は昨期の方針を踏襲し、以下の通りである。

〇高額馬、人気馬はできるだけ避ける。誰も知らない馬を指名してその馬が活躍するのが、POGの醍醐味と考える。

〇賞金のために早熟傾向が強い馬を選ばない。POGで優勝するより、競走馬として、更に種牡馬繁殖牝馬として、これからの競馬界を担っていけるような素材を見出すことを目指す。

〇牡馬5頭、牝馬5頭。様々な種牡馬の特徴を掴むために、できるだけ種牡馬は被らないようにする。

 今期はハーツクライが最終世代。これまでハーツクライ産駒はアクアテラリウム、アッシュフォードと指名してきたが、結果が出ていない。今年は血統というより馬体や評判を重視して、牡馬のエースとして堀厩舎のインクルージョン牝馬のスケール枠で斉藤厩舎のルシフェルを指名した。

 毎年2頭指名してきたキタサンブラック産駒は谷間の世代。母サンクボヌールや母タイキオードリー、あるいはダノンチェイサーやヴィクティファルスの下が人気となりそうだが、ミスヨコハマの走りを見て早くからリストに入れていたクリスマスパレードを指名。父がカレンブラックヒルからキタサンブラックに変わるのは絶対にプラスであろう。大穴と思っていたが、ノーザンファーム早来での評価が高く各種POG本で大きく取り上げられていたのは想定外だった。

 新種牡馬レイデオロとブリックスアンドモルタルから1頭ずつ。マウリノはドルチェモアの近親だが、馬体写真をみてピンと来たので指名。小顔で馬体のバランスも良く、直感に従ってみることに。テラメリタ新馬戦初日にデビュー予定。数多くの活躍馬を輩出した一族の出で、社台ファームが高い期待をかけるブリックスアンドモルタルの看板馬として期待通りの活躍をしてほしい。

 コイヌールは見つけた瞬間指名が決まったおしゃれ血統馬。競馬オタクはこういう馬に弱い。ダイヤモンドビコーの血統も魅力だが、それ以上に父リオンディーズでありながらエピカメサンデーの配合を実現させている芸術点の高さが光る。「血統枠」にふさわしいロマンあふれる1頭。満場一致でJRA賞を受賞して祖母の名を高めたい。

 ベゼルファセットは完全に先物買い。姉のシャドウディーヴァは好きな馬だったが、この母からはまだ活躍馬が出るだろう。2022年産の弟はキタサンブラック産駒で、こちらにも熱視線。既に指名候補にリストアップしている。サトノダイヤモンド×ダイヤモンドディーヴァという絶対に砕けないダイヤモンド配合だが、馬体や気性には不安も多い。宮田厩舎には今年こそ期待に応えて大きなタイトルを奪取してほしい。

 今年はキズナエピファネイアの繁殖の質が高い。しかしエピファネイア産駒の最近の成績はあまりに不信感が強く、キズナ産駒を選ぶことになった。キズナ産駒から2頭指名するプランもあったが、やはりキズナ牡馬が走るイメージが湧かない。キズナ牝馬の中で、これを指名しなかったのに走られたら悔やんでも悔やみきれないということで、イクイノックスの半妹ガルサブランカを指名。兄は既に歴史的名馬の領域に足を踏み入れており、兄ほどの期待は禁物だが、むしろ配合の良いキズナ牝馬らしく堅実に走ってくれるだろう。

 今年からダート路線が大幅に拡充されることから、ダート馬の指名に走ったPOGプレイヤーは多いだろう。しかし、ダート馬の指名は高額良血馬が順当に走るわけではなく、知識の蓄積もないから非常に難しい。当初はシニミニやコパノリッキーホッコータルマエなどガチガチのダート種牡馬から指名する手や、あるいは昨年結果を出したマインドユアビスケッツ産駒の指名も考えたが、JRA-VANPOG動画をみてひとめぼれしたオルフェーヴル産駒のウェックスフォードを指名。姉のサラスやシャムロックヒルは芝重賞を勝っているが、高木登厩舎は芝・ダート両方で受賞制覇の経験がある実力派トレーナー。芝からダートに転向してあっという間に世界の頂点まで上り詰めた厩舎の先輩ウシュバテソーロの後を追いかけて、芝ダート兼用二刀流の怪物として活躍を期待する。

 最後まで迷ったのが牝馬のエースだった。母サミター、母スウィートリーズン、母ウィクトーリア等、様々な候補から選びきれずにいたが、Twitterで出資者の方の最近の馬体写真を見て、非常に良かったのでロードカナロア産駒のティーサファイアに決定した。先日シャンパンカラーがNHKマイルを勝つなど勢いのある血統で、牧場での評価も良くPOG本でも大々的に取り上げられていた。社台Fは近年改革によって成績を再浮上させ、スターズオンアース、ソールオリエンスと2年連続クラシックで結果を残している。今年の社台Fのエース牝馬として、母子桜花賞制覇へと邁進してほしい。

 10頭揃って最後まで心残りだったのが、ドゥラメンテ産駒が入らなかったことである。リバティアイランドの2冠制覇など飛ぶ鳥を落とす勢いのドゥラメンテだが、今年は良さそうな馬が高額馬に集中し、泣く泣く指名なしとなった。最後までリストに残っていたのが母プリティカリーナで、この馬がクラシックホースになったときは悔やんでも悔やみきれないであろうが、それでも悩んで悩んで選んだ今年の10頭を信じて、2024年のクラシックを全力で楽しんでいきたい。

 

指名馬(牡馬)

牡馬 エース

インクルージョン Inclusion

牡/黒鹿毛/1月24日生

ハーツクライ/母インクルードベティ(Include)/美浦・堀/ノーザンF/キャロットF/包括。世代をまとめるような活躍を期待して。

ハーツクライはダービー馬を2頭輩出した名種牡馬で今年が最終世代。母インクルードベティはマザーグースS(米G1)などアメリカで重賞2勝。母父のIncludeは新潟大賞典勝ちのサンデーウィザードやダービー卿CT勝ちヒーズインラヴを輩出したシーズインクルーデッドの父として知られるが、日本では馴染み薄い血統である。デインヒルストームキャットを持たないからハーツクライ産駒の定番POG向け配合とは言えないが、母系にDanzigNijinskyを内包するのはサリオスと同様であり、1月生まれのアドバンテージを活かしてクラシックの時期から一線級の活躍を期待する。セレクトセールではやや案外という価格であったが、ノーザンファーム早来では馬体の成長につれてクラシックを目指せる逸材と日々評価が高まっている。ついにダービートレーナーの称号を得た堀調教師の高い育成力のもと、その活躍で世代を、そして競馬界全体をも包み込む。

 

牡馬 血統枠

コイヌール Kohinoor

牡/青鹿毛/1月21日生

リオンディーズ/母ウインジュビリー(シンボリクリスエス)/美浦・鹿戸/新冠本牧場/キャロットF/世界最古のダイヤモンド

リオンディーズは名牝シーザリオの産駒で、デビュー2戦目にして朝日杯FSを勝利した。種牡馬としてはテーオーロイヤル、インダストリア、アナザーリリックなど多彩なタイプの競走馬を輩出する。本馬はリオンディーズに母父シンボリクリスエス、母母父サンデーサイレンスだから、エピファネイア産駒のデアリングタクト、クラヴェル、スカイグルーヴとは7/8同血の関係にあたる。祖母ダイヤモンドビコー阪神牝馬Sなど重賞4勝。曽祖母ステラマドリッドは米G1を4勝した名牝で、ミッキーアイル、アエロリット、ラッキーライラックなどを輩出した超名牝系の出である。気性面の不安こそあるが、背中の良い馬との評判でマイル〜2000mでの活躍が期待される。既にゲート試験には合格しており、7月にデビューする見込み。血統的にも早期からの活躍を期待できる。美しさすら感じる好配合で、名牝の血はとびきり大きな結晶を生み出す。


牡馬①(スケール重視)

ベゼルファセット Bezel Facet

牡/鹿毛/2月27日生

サトノダイヤモンド/母ダイヤモンドディーバ(Dansili)/美浦・宮田/ノーザンF/サンデーR/ブリリアントカットに8つある輝きを放つ面

サトノダイヤモンドは3歳で菊花賞有馬記念を勝利。種牡馬初年度からサトノグランツ、シンリョクカを輩出したが、種牡馬としてはやや晩成で、距離が伸びる程良いという傾向を見せた。半姉シャドウディーヴァは府中牝馬S勝ち馬。母父父がデインヒルでDanzig5×4だから配合としてはサトノグランツに似て、本馬も3歳になってから本領を発揮するややズブめの中長距離馬だろう。姉のシャドウディーヴァやハウメアが5歳になっても活躍したように、本馬も3歳夏を超えて本格化し、中長距離G1の常連として息の長い活躍を期待する。育成段階の今はフォームや成長度に関してやや不安なコメントも見られ、秋冬のデビューが想定されるが、血統と骨格からみて素晴らしい素質を秘めていることは疑いない。素質馬を数多く預かりながら結果が物足りない厩舎の現状だが、焦ることなく砕けぬ才能を磨き上げ続けることができれば、厩舎、ひいては父の産駒を代表して抜群の輝きを放つだろう。


牡馬②(早期デビュー)

マウリノ Mau Lino

牡/黒鹿毛/3月6日生

レイデオロ/母マウレア(ディープインパクト)/美浦・手塚/下河辺牧場/落合幸弘/永遠の輝き(ハワイ語)

レイデオロはキンカメ産駒のダービー馬で、今季から産駒がデビューする新種牡馬レイデオロ種牡馬としてのポイントはやはりサンデーを持たないことと、それでいてウインドインバーヘアの血を持っていることで、ディープ牝馬との配合はウインドインハーヘア4×3のクロスになる。このクロスがどのように作用するかが、種牡馬としてのレイデオロの未来を左右するであろう。本馬はそのレイデオロにディープ産駒を配合するパターンで、母マウレアは桜花賞アユサンの妹で阪神JF3着。おいのドルチェモアが昨年朝日杯FSを勝利するなど、勢いのある血統である。本馬は初子ながら、馬格は十分で、牧場ではドルチェモアと遜色ない動きと評価が高い。既に6月18日東京芝1600mの新馬戦でデビューが決定している。早い時期からマイル重賞で輝きを放ち、父に待望の初タイトルを届ける。


牡馬③(ダート)

ウェックスフォード Wexford

牡/芦毛/4月18日生

オルフェーヴル/母ララア(Tapit)/美浦・高木登/社台F/社台RH/アイルランドの州名

オルフェーヴルはラッキーライラックオーソリティなどを輩出。近年マルシュロレーヌでBCディスタフ、ウシュバテソーロでドバイWCと産駒が海外のビックタイトルを次々と勝利し、種付け数が増加するなど注目度を増している。母ララアはアメリカの2歳G1馬。全姉のサラス、半姉のシャムロックヒルが共にマーメイドSを勝利しているが、ともに4歳での戴冠で、シャムロックヒルが10戦目で初勝利を挙げたように、晩成傾向の強い血統と言える。母系にSeattle Slew、Sadler's Wellsを持つが、これはどちらもオルフェーヴルの成功配合パターン。母の産駒はサラス、セラピア、シャムロックヒルと牝駒が結果を出す一方で牡駒がこれまで結果を出してこなかった点はやや気がかりだが、牧場では抑えきれないほどの前進気勢で坂路を力強く駆け上がっており、担当する高木登調教師も期待の2歳馬と名前を挙げる。ダート転向から僅か5戦でG1タイトルを奪取したウシュバテソーロを育てた名トレーナーの元、芝ダ兼用二刀流の怪物として活躍し、父が僅か届かなかった憧れの大舞台へと歩を進める。

 

指名馬(牝馬)

牝馬 エース

ティーサファイア Teal Sapphire

牝/鹿毛/4月15日生

ロードカナロア/母ジュエラー(ヴィクトワールピサ)/栗東・杉山/社台F/社台RH/オーストラリアで産出されるブルーグリーンのダイヤ

ヴェールランスの半妹で、母ジュエラーは桜花賞馬。祖母バルドウィナの一族はジュエラーの他にもワンカラット、ワンダイレクト、アラタ、シャンパンカラーら国内で活躍馬を多数輩出。ロードカナロアといえばSpecialの牝系が外れない鉄板配合だが、本馬はSpecialを持っていない。とはいえ、同牝系から、ほぼ成功パターンの近いドゥラメンテとの配合でシャンパンカラーが出ているのだから、カナロアとの配合でも十分成功できる可能性があると言えよう。ただし、ワンカラット、ワントゥワン、ワンダイレクトの親子にしても、シャンパンカラーにしても、母ジュエラーにしても距離適性はほぼマイラーといった状況で、おかげに父がカナロアだから本馬も間違いなくマイラーだろう。生産された社台Fでは芝向きの素軽さを高く評価され、吉田照哉氏は「走る」と太鼓判。馬体重も順調に増え、課題であった前進気勢の足りなさも解決。牝馬三冠の経験を持つ杉山晴紀厩舎のサポートも心強い。へこたれない芯の強さで自身の才能に磨きをかけ、桜の仁川で偉大な母を超える輝きを放つ。

 

牝馬 血統枠

ガルサブランカ Garza Blanca

牝/鹿毛/4月16日生

キズナ/母シャトーブランシュ(キングヘイロー)/美浦・木村/ノーザンF/シルクR/白鷺(西)

シャトーブランシュはミスビアンカ、ヴァイスメテオール、イクイノックスとどんな父との配合でも成果を出し、母としてすでに名牝と呼ばれる域に足を踏み入れつつある。兄イクイノックスはLyphrdとHaloのクロスによってその血統表にちりばめられた名馬の才能を一頭に凝結させた名配合の傑作であったが、父がキズナに代わった本馬は、シンプルに母父キングヘイローや母系のNureyevとの相性の良さを評価すればよい。キズナは既にフィリーサイアーの傾向を示しており、牡馬はディープボンド、バスラットレオン、アスクワイルドモアと切れ味に欠け勝ちきれない先行馬がほとんどなのに対し、牝馬はソングライン、アカイイト、ファインルージュと既にG1級の名馬を輩出している。キズナ産駒最大の傑作も、おそらく牝駒となるであろう。5歳で大成した母の産駒は晩成の傾向が強く、本馬も馬体の完成は早くて4歳に入ってからだろう。しかしながら、その素質の高さからクラシックにおいても兄のように十分な成果を出してくれるであろうし、将来的には父の産駒の代表馬として大きな舞台に羽ばたいていくことを期待する。


牝馬①(スケール重視)

ルシフェル Lucifer

牝/鹿毛/4月8日生

ハーツクライ/母アルアリングスター(Exchange Rate)/栗東・斉藤/ノーザンF/キャロットF/明けの明星(ラテン語)

ハーツクライ産駒の活躍馬を見出すのは難しい。それは一重に、「これが鉄板の黄金配合」という単純な配合傾向がなく、どんな血統の牝馬とも結果を出し、また狙いすましても走らないケースがままあるからである。本馬の母アルアリングスターはBCジュベナイル2着。母母父Jump Startだから配合はハーパーに似るが、全姉のキャラメルシフォンは苦戦した。しかしながら、本馬は牧場において「切れるハーツ」、「背中がいい」等一貫して高評価で、成長曲線はゆっくりだが、クラシックを目指せる馬との評価を受けている。既に入厩の目途も立っており、ある程度早い時期から走れそうな点も良い。距離が伸びていいのは間違いなく、オークス、そして古馬になってから中距離戦線での活躍を期待する。馬名の「ルシフェル」は命名理由こそ「明けの明星」だが、どちらかと言えば「堕天使」の印象が強く、特に海外においてはマイナスイメージもついて回るだろう。しかしながら、「堕天使」は日本においては特にサブカルチャーの分野においてポジティブに使われてきた。「かわいい堕天使」ルシフェルはまずは国内でアイドルホースとして頂点に立ち、「Kawaii」カルチャーを背負って海外進出を目指す。


牝馬②(早期デビュー)

テラメリタ Terra Merita

牝/芦毛/2月14日生

父ブリックスアンドモルタル/母テラノヴァ(ヴィクトワールピサ)/栗東・須貝/社台F/社台RH/素晴らしい大地(ラテン語)

父ブリックスアンドモルタルBCターフ馬で、社台ファームが期待をかける新種牡馬。どのような配合が結果を出すかはまだ未知数で、米国産馬だがやや欧州的な要素が多く、基本はサンデーサイレンスを持つ国内の繁殖牝馬との配合でスピードを補うことになるだろう。祖母は阪神牝馬S勝ちのエアトゥーレで、スキーキャプテンスキーパラダイス以来、長年にわたってJRAで重賞馬を出し続けている点からも血統の優秀さが分かる。また、皐月賞を勝ったキャプテントゥーレ(父アグネスタキオン)や古馬になって長距離重賞で成果を出したシルヴァーソニック(父オルフェーヴル)を見れば分かるように、父の血統の美点を活かす牝系で、かつ母父ヴィクトワールピサだからサンデーサイレンスのスピードも受け継いでおり、父のポテンシャルを最大限生かすにこれ以上ない配合といえよう。父がStorm Birdの3×3と強いクロスを持つから、あまりクロスが濃くならない点も良い。牧場では吉田照哉氏が「超ピン」と評し、6月3日阪神芝1600mの新馬戦に早速エントリーされるなど、父の評価を高める孝行娘としての高い期待が伺える。クロノジェネシス以来の芦毛牝馬スターホースとして、父の名を上げる活躍を期待したい。

 


牝馬③(穴馬)

クリスマスパレード Christmas Parade

牝/青鹿毛/3月29日生

キタサンブラック/母ミスエリカ(Blame)/美浦加藤士津八/ノーザンF/G1レーシング/ツツジ科エリカ属の常緑低木の品種名

キタサンブラックは初年度からイクイノックス、2年目にはソールオリエンスらを輩出し、低評価を覆し次代のリーディングサイアー候補に躍り出た。しかし、今季は種付け頭数が少ない「谷間の世代」で、繁殖牝馬の質も高くない。本馬の半姉ミスヨコハマは赤松賞勝ち馬で、昨年の阪神JFにも出走した。父がカレンブラックヒルからキタサンブラックに変わることで、マイルをスピードで押し切る姉とは違い、本馬は中距離戦でキレを発揮するタイプである。牧場では既に抜群の動きを見せ、クラシックを意識できる馬との高評価を受ける。トップラインの美しさ、量より質の面で優れる筋肉など走るキタサンブラック産駒の特徴を持つ本馬は、厩舎に初のタイトルを、そしてキタサンブラック産駒に初の牝馬G1をもたらすことができる隠れた逸材である。まずは姉が届かなかった年末のビックタイトルを狙い、早速我々にクリスマスプレゼントを届けてくれることを期待する。

 

※競走馬の各種情報はnetkeiba(https://www.netkeiba.com/)の各馬のページを、その他POGに関連する各種情報については

競馬王編集部 『競馬王のPOG本2023-2024』 ガイドワークス 2023

須田鷹雄監修 『POGの達人』 光文社 2023

『Gallop臨時増刊 丸ごとPOG2023-2024』 産業経済新聞社 2023

栗山求 望田潤 監修『パーフェクト種牡馬辞典』 自由国民社 2023

を参考にした。

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こばとんのPOG日記 #1 ウマ娘オタクによるPOGのススメ

こばとんのPOG日記#1 ウマ娘オタクによるPOGのススメ

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2021年こばとんのPOG馬・アグリと川田将雅騎手(写真はかずや氏提供)

「この一年で週末の過ごし方が大きく変わった」。そう実感しているオタクは少なくないのではないか、私もその一人である。

 社会現象まで起こしたゲーム『ウマ娘 プリティーダービー』は、コンテンツそのものだけでなく、競馬の面白さを教えてくれるコンテンツである。自分が好きな作品の中では、例えば『ガールズ&パンツァー』がそうであるように、題材としたコンテンツへの多大な愛とリスペクトを秘めて、「こだわって」作られたアニメは、私たちの世界を広げてくれる。

 『ウマ娘』もまさにそういったコンテンツで、レースのあれこれから競馬場、競走馬に関すること、競馬の様々な要素をみごとに取り込んでいて、コンテンツに触れるだけで競馬の魅力までも知ることができる。だからこそ、この1年でオタクの土日のタイムラインはカタカナの馬名で満ち溢れることになったのである。

 

 ウマ娘は昨年の2月にリリースされたが、リリース当初からダウンロードしてプレイしていた私はすっかりウマ娘の虜になった。アニメも徹夜して全部観た。「鉄は熱いうちに打て」である。ウマ娘を知って1か月、私はついに競馬の世界に足を踏み入れることになった。

 ちょうど一年前の大阪杯。人のいない府中競馬場へと足を運んだ時のことは、以下の記事を読んでほしい。

 

tsuruhime-loveruby.hateblo.jp

 そのころの私は、競馬の競争をどう楽しめばいいのかということを、もう全く知らなかった。馬券を買うこともなんとなく怖さがあった。買い方もわからなかった。

 次第に、レースを、予想を、馬券を理解してくると、今度はうっすらとした違和感を覚えた。確かに競馬は面白い。けれど、本質的に「馬券を当てたくて」競馬を見ているのではない。ウマ娘で知った競馬の面白さと、予想して馬券を買う競馬の楽しみ方では、同じ競馬を見るのでも、微妙にズレがあると気づいたのである*1

 きっと皆さんも、初めてウマ娘のURAファイナルズで育成をしたときに、泣いたことだろう。最後まで導いてやることがどれほど難しいことか。負けても負けても笑顔でいるウララを勝たせるために腐心して、最後に観たうまぴょい伝説は、涙なしには見られなかった。

 ウマ娘の感動を握りしめたまま競馬をみると、どうしてもその感覚のズレが気になるのである。もちろん、推し馬を見つけることも、それを追いかけていくことも、そう難しいことではない。だけど、あの「担当ウマ娘が決まって、メイクデビューからクラシックへ進んでいって、グッドエンドを目指す」という体験は、ただ競馬を見ているだけでは、なかなかたどり着けるものではない。

 

 結論から言えば、ほんとうの意味でこの経験をするためには、馬主になるしかない。しかし、もちろん馬主と言うのは、東京大学に入って有名企業に入ったって手に入らない額の収入が無ければなることができない。もちろん一口馬主といって、会費を払いながら一口数万円という金額を払えば、100分の1か1000分の1の金額を払って馬主になれる。それでも、決してハードルが低いというわけではない。

 

 困った......。でも、安心してほしい。お金が無くても、馬主気分を味わいたい。古からそういう競馬ファンはたくさんいたのである。そして、そんな競馬ファンが生み出したのが、ウマ娘から競馬にであった皆さんにこそオススメしたい「POG(ペーパー・オーナー・ゲーム)」なのである。

 

POGってなに?

 POG(ペーパー・オーナー・ゲーム)とは何か。とりあえず、Wikipediaを引いてみよう。

競走馬を参加者が仮想馬主として選択し、その競走成績によって得られた賞金などをポイントに置き換えて競うゲームである。実際に競走馬を所有するわけではなく、架空の(仲間内の書類のみの)馬主として参加するのでペーパーオーナーと言われる。

参加者が馬主気分を楽しむことができ、競馬ファンである職場の同僚や学校の同級生など限られたサークルで行われることが多い。

              Wkipedia「ペーパーオーナーゲーム」より引用

 要するに、POGとは、「仲間内で馬主気分を味わう馬主ごっこ遊び」のことである。

 もともと仲間内で行われていたものだし、ルールも様々だが、ここではnetkeibaなどで採用されている基本的なルールを説明しよう。

(この記事は身内オタクへのPOG参加への啓発も兼ねており、ここで紹介するルールはそこで行われるPOGや、筆者自身が経験したnetkeibaのPOGを基に説明をおこなうものである。したがって、決して一般的なものとは限らない。多くの場合仲間内でのPOGはドラフトの要素を含んでいるが、ここで紹介しないのはその理由による。)

 

 1.その年の6月以降の2歳新馬戦においてデビューし、翌年のクラシック(皐月賞日本ダービー桜花賞オークスNHKマイルカップ)を目指して走る競走馬を、10頭指名する。このとき、多くの場合最低何頭は牡馬・牝馬を指名するなどの規則がある場合もある。期間は翌年のダービーまでが一般的で、安田記念や夏競馬、菊花賞秋華賞などは含まれない。

 

 2.それぞれの競争において得られる賞金をポイントに換算して、最高のポイントを獲得した者が勝者となる。ここでいう賞金は、1着馬だけでなく2着~5着馬に対して(ここは各POGによって違う場合もあるので注意!)も与えられる。要するに、とにかく指名した馬がG3、G2、G1に出走して、そこで高い着順を目指すことができる馬を探すことが目標である。

 

 ちょっと固い説明になってしまっただろうか。砕けた説明をすれば、来年のクラシックを目指す馬の中から、「この馬ならダービーを勝てる!」、「この馬なら桜花賞オークスの二冠を狙える!」という馬を、10頭探してくる。指名したら、あとは見守るだけである。メイクデビューを迎える新馬戦から、応援馬券を握って愛馬のレースを見届けよう。2歳はどんなレースがあって、どういう順序を踏んでクラシックに向かっていくのかは、ウマ娘をプレイしている諸君には説明不要であろう。要するに、POGとは「期間がダービーまでになったウマ娘の育成シナリオ」なのである。

 

どうやって指名する馬を探すの?

 ルールが分かったところで、きっとここまで読んだ全員に浮かんだ疑問があるだろう。「2歳馬を指名することは分かったけど、その2歳馬はどうやって探してきたらいいの?」。ごもっとも。日本には、一年に7000頭ほどの競走馬が生産されているという。星の数ほどいる2歳馬から10頭を選び出すのは至難の業である。ここからは、指名する10頭を探す方法を説明しよう。

 探し方を教える前に、「競走馬がどうやってデビューするのか」を抑えておこう。

 牧場で生まれた馬(当歳馬)は、セリや直接の取引によって、馬主の元へと売却される。「〇億円の馬」と呼ばれるのは、このセリの時についた値段である。もちろん、値段が高ければ期待度は高い。でも、期待度が高いからといって走るとは限らない。ここが、競馬の面白いところであって、難しいところである。セリにかかっていない馬は多くの場合「庭先取引」といって、馬主が牧場から直接購入する。直接買いに行くんだから、もちろんこっちだって期待度は高い。

 日本競馬において、牧場はおもに「社台・ノーザンファーム」と、「中小牧場」に分かれている。社台・ノーザンファームは、大種牡馬サンデーサイレンスを購入してきた牧場で、様々な経営努力によって日本競馬を掌握した。昨年の皐月賞馬エフフォーリア、ダービー馬シャフリヤール、桜花賞馬ソダシはみなノーザンファームの生産である。

 とはいえ、中小牧場の馬にチャンスがないわけではない。昨年のオークス馬ユーバーレーベンはビックレッドファームの生産である。一昨年の牝馬二冠馬デアリングタクトに至っては、いかにも中小牧場というかんじの「長谷川牧場」の生産であるし、なんとセリの取引価格は1296万円であった(!)。もちろん、社台・ノーザン生産の馬の方が期待値が高いことは明らかであるが、中小牧場からの成り上がりにユメヲカケルのもまた乙である。

 購入した馬は馬主のものになるが、もちろん馬主がみずから馬を飼育できるわけではない。「預託」といって、馬主は牧場・厩舎に馬を預けることになる。ここで馬はさまざまなトレーニングを施され、レースでの勝利を目指す調教が行われる。まあ「トレセン学園」に通っていると思ってほしい。

 順調に育成されてきた馬は、まず「新馬戦」に出走する。この新馬戦というのは、2歳の6月から始まり、12月まで行われる。ウマ娘ではすべての馬が6月にデビューするが、実際の競馬はそんなことはない。育成の進捗が悪ければ、メイクデビューはどんどん後ろ倒しになってゆく。

 基本的に競走馬は、一つ勝つことによって上のレベルに挑戦してゆく。みなさんはきっと、ウマ娘でメイクデビューで負けた経験があるだろう。メイクデビューで負けると、「G3〇〇2歳ステークス」みたいなレースに軒並み参加できなくなる。実際の競馬もそれと同じである。新馬戦で勝てなかった馬は、未勝利戦へと向かう。未勝利戦を勝ち上がれば、その上のクラスや重賞に挑戦するチャンスを得るが、勝ち上がれなかったら、いつまでも未勝利に挑戦し続けなくてはいけない。

 ウマ娘でメイクデビューを負けたとき、一部のウマ娘で「出走できるレースがなくて困る」経験をした人もいるだろう。たとえば、マイル・短距離の適性が無いのに、メイクデビューがマイル・短距離しかないケースである。もちろん、実際の競馬も同じである(ウマ娘ってよくできてるよね)。順調さを欠くと、勝ち上がりのチャンスはどんどん遠ざかってしまう。デビューや、勝利が遅れたら、年末の2歳G1であるホープフルステークス朝日杯FS阪神JFに出走することもできない。重賞にチャレンジすることができなければ、獲得できる賞金は少なくなる。(なお、2歳のうちにデビューできずに、年が明けて3歳になった場合、新馬戦はなくなり、未勝利からスタートすることになる。しかしここでは経験豊富な馬たちとぶつかるため、一つ勝つのはより難しくなる。)

 長々と話したが要するに「POGでは、早期にデビューして早期に勝ち上がれる馬を指名しなければならない」のである。たとえばタマモクロスのように、クラシックが終わって秋が過ぎてから活躍するような馬を指名してもポイントは稼げないし、マンハッタンカフェのように、秋以降に活躍し、あるいは3000mのような長距離を得意とする馬を指名するのもリスクが高い。とにかく、日本ダービーなどクラシックまでに結果を出してくれる馬を選ぶのが、高ポイントへのコツである。

 

 前置きが長くなった。つまりはどういうことかというと、POGの「2歳馬を10頭指名する」ということは「早期にデビューしてクラシックで活躍してくれそうな2歳馬を10頭探しましょう」というゲームと言い換えることができる、ということだ。

 本題に入ろう。POGで指名する馬の探し方は、以下のようなものがある。

 

 1.指名する馬は、2022-2023年のPOGをするとしたら、2020年に生まれた馬の中から選ぶことになる。しかし、POGを指名するとき、まだ馬名が決まっていないことがある。まだ馬名が決まっていない馬は、日本の競馬では「母名+生まれた年」で表現する。たとえば、G13勝馬スイープトウショウの2020年生まれの産駒は、「スイープトウショウの2020」と表記される(現在はスイープアワーズという馬名がついている)。

 

 2.NetkeibaのPOGページには、「POGマル秘リスト」として注目馬が多数紹介されている。期待度順にランク付けされているため、POG界隈で高く評価されている馬を手軽に探すことができる。まずは、このようなリストを活用するのがいいだろう。ただし、このようなリストで紹介されたからといって必ず活躍するとは限らないということは、もちろん留意しておく必要がある。

 

 3.POG誌と呼ばれる、POGの専門誌を購入するのもよい。POGの専門誌には、その年にデビューする2歳馬が、馬体の写真と一緒に載っている。このような雑誌は、その年の有力馬を選び出して載せているから、掲載されている競走馬が活躍してくれる確率も高い。ある程度競馬の知識があって、自分の基準で手広く選びたい場合は、このような雑誌を購入すると選びやすいだろう。

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筆者が2021-2022POGにおいて参考にしたPOG誌。このほかにも様々なPOG誌がある。どれを選んでもそれほど問題はないだろう。リストアップした馬に付箋を貼っていた。(『競馬王のPOG本 2021-2022』ガイドワークス 2021)

 

 4.これは応用編と言うべきだが、かなり情報の収集に慣れている人であったら、Netkeibaなどのデータベースから直接探し出す方法もある。たとえば、競馬を見ているときに気になる活躍馬がいれば、Netkeibaの競走馬のページの「血統」の項目をみてみよう。その馬の血統表の下に、「兄弟」の項目がある。推し馬のきょうだいを指名するのもいいし、有力な馬のきょうだいを探してみるのもまた有力である(例えば、昨年のダービー馬シャフリヤールは、2019年に大阪杯を勝ったアルアインの弟である)。

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写真はコントレイルのページ。コントレイルには2020年生まれの弟「インタクト」がおり、この馬は2022-2023POGで指名することができる。(父:ハーツクライ)。(画像はnetkeibaホームページを加工して引用)



 あるいは、Netkeiba等のデータベースを使って、「キングカメハメハ」、「ハーツクライ」といった種牡馬のページから2020年産の馬を表示させて、その中からリストアップしてゆく......という方法もあるが、なにしろ数が多い。種牡馬からさがすよりは、繁殖牝馬から探す方が効率がいいというのが、筆者の見解である。どのような馬が走るのか、ということに関しては、筆者もまだ競馬歴1年の初心者だから、ここでは解説できない。この方法はやはり上級者向けといえよう。

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netkeibaのデータベース→競走馬詳細検索から、「父名」に種牡馬の名前を入れよう。たとえば、ディープインパクトを入れてみる。年齢の項目は、2歳~2歳にしておけば2歳馬だけを表示することができる。(画像はnetkeibaホームページを加工して引用)

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検索すると、ディープインパクト産駒の2歳馬だけが一覧表示される。ディープインパクトはこの年は種牡馬として最後の年であり、体調を崩し種付けを終了したため、この年の2歳馬はわずか6頭しか表示されない。(画像はnetkeibaホームページを加工して引用)

 しかし、やはり競馬というのは「情報を制する」ことこそが他を制する最良の方法である。『種牡馬辞典』のようなものから種牡馬の特徴や成功している配合の傾向を掴んだり、POGに関する記事やニュースの中から有力な2歳馬を探し出したり......。様々なツールを駆使して、お気に入りの1頭を探しだそう。

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こういった書籍を活用するのも一つの手だ。(『パーフェクト種牡馬辞典』自由国民社 2022)

 上記説明した2、3の方法は、POGが開始される6月を前に、5月などに情報が出る。少しでも早くPOG馬をさがしていくなら、4の方法を使って探していくといいだろう。

 

 POG馬の登録方法は、各POG主催サービスによって異なる。それぞれのページにおける説明を参照されたい。Netkeibaの場合は、2歳馬の競走馬のページに「POG登録」のボタンがあり、それをタップ/クリックするだけである。

 

まとめ

 どういう馬を指名したらいいか、どうやって指名する馬を探すか。いろいろ説明してきたが、やはり大事なのは自分が良い、好きだと思った馬を指名する、ということである。競馬はデータのスポーツだ。だからこそ、「無数のデータを自分なりに解釈する」ことが、一番大事である。いろいろな情報があって迷うかもしれないが、そこはアニメを観るのと一緒、「自分が好きだ」と思える馬を指名して、応援しよう。それこそがPOGの醍醐味なのである。

 昨年のPOGを始める時に、ウマ娘ゆかりの血統馬であるピエドラデルーナ(父キタサンブラック、母スイープトウショウ)についてTwitterで投稿したところ、プチバズして驚いた。ウマ娘ファンにおけるウマ娘ゆかりの血統馬への注目は、やはり高そうなのである。そのような馬を探しだして推すこともできる。POGの楽しみ方は無限大なのだ。

 最後に、まとめとして、ウマ娘から競馬に入ったオタクにどうしてPOGがおすすめなのかを挙げて、この記事を終わりたい。

 

 〇POGは、勝ち馬を予想する以外の側面で競馬を楽しむことができる。メイクデビューからクラシックまで自分のPOG馬を応援していく体験は、ウマ娘の育成シナリオに近い。自分の指名馬が出走する、いや記事に取り上げられるだけで、ほんとうに嬉しい。自分の指名馬が重賞に出走するときの緊張感もまた、無性に楽しい。

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「推し馬」の関連グッズを集めるのも、また至福である。

 〇POGは、「競馬の教科書」と言えるほど、競馬に関するすべてが詰まっている。POGを始めれば自然と様々なレースを見るようになるし、血統や馬体など、競走馬に関する様々な知識を得られる。競馬は決して、重賞に出る有力馬だけで成り立っている者ではない。「競馬の全体を楽しめる」ことが、POGの魅力である。

 

 POGは、オタクに最も合った競馬の楽しみ方である。さあ、来年のダービーに向けて、推し馬と一緒に、自分たちだけのシナリオを始めよう!

 

[連載告知]こばとんのPOG日記は、連載記事として、2021-2022POGにおける筆者のPOG馬の記録を、何回かに分けて紹介する予定です。乞うご期待!

*1:ここで私自身感覚を述べたが、あえて注記しておきたいのが、「決して私は、ギャンブルとしての競馬の楽しみ方を否定しているわけではない」、ということである。そもそも、競馬番組を運用してくれているJRAに対して、金銭の形で貢献するためには、基本的には馬券を買うしかない。推し馬の応援馬券を握りしめて、競馬を楽しもう。もちろん競馬は公営ギャンブルだから、馬券売り上げの一部は畜産振興に用いられるから、「全く馬券を買わない」という楽しみ方はむしろ積極的に推す気にはならない。ただし、ギャンブルはそれ相応の危険性をもつものであることも、心しておく必要はある。

『無敵級*ビリーバー』と、かすみの鏡の向こう側

『無敵級*ビリーバー』と、かすみの鏡の向こう側

 

※当記事は、楽曲『無敵級*ビリーバー』、あるいはアプリ「ラブライブ!スクールアイドルフェスティバルオールスターズ」のストーリー内容のネタバレを含みます。あらかじめご了承ください。

 

 

 猫被り姫の素顔

「実は私たちは、中須かすみちゃんのほんとうの素顔を、誰も知らないのではないか......?」

 かすみちゃんに出会い、彼女のことを知っていけばいくほど、その疑問が澱のように心の底にたまっていく。

 虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会の部員、スクールアイドルである中須かすみちゃんは、「かわいいものが好きで、スクールアイドルに人一倍の憧れを持つ」女の子である。虹ヶ咲メンバーの中でもスクールアイドルへの想いは人一倍強く、同好会が解散の危機にある中でもたった一人同好会に残り、同好会を守り続けた。

 「一番可愛いのはかすみん」。堂々と言い張る彼女は、いつだって完璧な「可愛さ」を演じている。ファンにはもちろん、ニジガクのメンバーにも、「あなた」にも、かわいさをアピールすることには余念がない。特に「あなた」へのアピールは幼馴染の歩夢と張り合うほどで、「後輩キャラ」も含めて、かすみちゃんの可愛さに惚れてしまった方も数多いだろう。私もその一人である。

 「いたずら」によって、スクールアイドルのライバルたちを蹴落としていくことを狙うという「腹黒さ」とのギャップも、彼女の魅力となる。もちろん、そこには「他人を蹴落としても自分が一番のスクールアイドルになる」という彼女らしい必死さとアイドルに対するフィロソフィーを投影したものとも言えるが、しかし、そのギャップすらむしろ彼女が計算しているものではないかとも思う。むしろ、いたずらをするときに零れる他人想いな面や負けず嫌いな面、真面目で努力家な面こそが、今私たちがアクセスできる数少ない「彼女の内面的な魅力」であるように思える。

 しかし、かすみちゃんの魅力は、本当にこれだけなのだろうか......?かすみちゃんのことを知ろうとすればするほど、釈然としないものが残るような気がするのだ。

 とにかく、「可愛さを演じる」という点では、中須かすみという女の子に隙は無い。「猫を被る」といっても、全方向に向かって猫を被っているのだからすごい。とにかく徹底している。いつどこを切り取っても、かすみちゃんは「可愛い」。

 「猫かぶり系アイドル」なら、他にも同業者がいる。一例を挙げれば、アイドルマスターシャイニーカラーズの黛冬優子ちゃん。彼女は外向きでは「可愛いアイドル」を演じ切っている。しかし、彼女が猫を被る範囲は広いと言っても限られている。同プロダクションの別ユニットの前でも猫を被る姿にはもはや関心させられるが、心を許した相手の前では「素」を見せる。負けず嫌いで、口も悪く素直じゃない。しかし、そんな変化を見せるところこそ、彼女のある意味「分かりやすい」魅力と言える。

 翻ってかすみちゃんはどうだろうか。どのコンテンツを覗いても、どうにももやもやする。例えば、スクスタの「キズナエピソード」。ゲーム内で「キズナ」を積み重ねると親愛度が深まり、アイドルとの関係が深まっていく。大抵の場合、それぞれのメンバーの試行錯誤が描かれ、「あなた」が話を聞いて問題を共有して、絆は深まっていく。

 しかしかすみちゃんのキズナエピソードは、必ずしもそうではない。とにかくもやもやする。かすみちゃんとまっすぐ向き合おうとすればするほど、かすみちゃんの心は離れていってしまう。かすみちゃんのキズナエピソードは、ファンが増えないという、ライバルに打ち勝って日本一のスクールアイドルを目指すかすみちゃんにとって一番つらいはずの話である。それがかすみちゃんに与えるショックを考えたら、読む前から心配になってしまうほどである。

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少ないファンも大事にするその姿勢は、アイドルの鏡でもあるが......?

 しかし、そんな心配とは裏腹に、かすみちゃんはへこんではみせるものの、自分の気持ちや背景には立ち入ることを許さない。それどころか、「あなた」やみんなの励ましの言葉を聞いたらすぐに立ち直ってみせるし、少ないファンにも喜んで、大人な落ち着いた対応をしてみせる。

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あれだけ負けず嫌いなかすみちゃんとの温度差に、「あなた」は驚く。

 しかし、どうもそれがかすみちゃん自身の素であるようには思えないのである。この展開は、ラブライブ!サンシャイン!!1期8話の『くやしくないの?』をほうふつとさせる。サンシャイン1期でも屈指の緊張感をもつ8話では、Aqoursは東京で出演したスクールアイドルイベントで惨敗する。開き直ってみせる千歌ちゃんだが、実はこころのなかに強い悔しさがある。その悔しさを涙を流し、受け入れることで力にするとき、Aqoursは次のステージへと進んでいくのだ。それを踏まえてみると、ここでのかすみちゃんはどこか割り切った時の千歌ちゃんのような雰囲気がある。絶対に悔しいはずだ。1番になりたいに決まっている。本当は泣いたっていいんだし、投げ出しそうになってもいい。そういう気持ちを否定せずに、しっかり向き合うことこそが、私たちを強くする。

 しかし、かすみちゃんはあっさりと開き直ってみせる。これにはむしろ危うさを感じる。泣いたってわめいたっていいのだ。やっぱりどこまで行ってもかすみちゃんは猫を被っている、誰にも心を許していない。そんな気がしてならない。

 そんなもやもやした気持ちを少しでも解消して、「素顔のかすみちゃん」に近づいていくために、かすみちゃんが見せる言動について考えていきたい。

 

 その鏡に映るもの

 「キズナエピソード」では、さらに最新の18話に注目したい。部室で鏡と向き合うかすみちゃん。「あなた」は、かすみちゃんの独り言を聞いてしまう。

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「鏡よ鏡よ、鏡さん。世界で一番可愛いのは、だ~れ?

それはもちろんかすみんです!早起きしてブローをしてる髪型も最高だし、爪も磨いてぴかぴか、制服のシャツをいい匂いの柔軟剤で仕上げちゃうとこなんかもう、可愛すぎです!

......なーんてね、はぁ......。

かすみんのファンクラブだけ会員が増えないなんで変なの......。誰かの陰謀じゃないかな?そうじゃなきゃ説明がつかなくない?

......もしかして、かすみん実は......可愛くないとか......? 」

           スクスタ 中須かすみキズナエピソード18話より

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かすみちゃんが初めてみせた、無防備で不安な姿。

 「鏡」は、かすみちゃんを語る上で絶対に欠かせないアイテムである。「鏡よ鏡」と問いかけるかすみちゃんの姿は、『無敵級*ビリーバー』へとつながっていく。

 さて、最後の一文も核心に切り込むところだが、ほかにも違和感がある。

 それは、鏡を見たかすみちゃんが、可愛い点にひとつも自分の容姿を挙げていないところ。

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そこに直接容姿につながる言葉はない。

 向き合っているのは鏡なのだから、見えているのは自分の顔である。あれだけ「かすみんは可愛い」を連呼するかすみちゃんなのだから、かすみちゃん自身の可愛さに気づかないわけがない、はずなのだが......。

 気になって調べてみる。すると、一つの気づきを得る。

 かすみちゃんは自分の「可愛さ」をアピールするときに、ほとんど自分の外見をアピールしていない。すべてのコンテンツ、すべての発言を確認できないので確証はないが、全く語っていないのではないか。そうとすら思える。かすみちゃんが「可愛い」とアピールするのは、ありのままのかすみちゃんではない。「かわいい」を目指して努力を重ね計算ずくで演じる「可愛いかすみん」のことなのだ。

 かすみちゃんが自分自身のことを「可愛い」と自負するのは、自分自身の外見、もしくは内面でもなく、「可愛い」へとアプローチする努力のことを指しているように思う。

 例えば、スクスタのサイドストーリーでも、「鏡の前で笑顔の練習をしている」、「可愛く見える仕草を研究している」と、「可愛く見える笑顔」や「可愛く見える仕草」など、自分があらかじめ持っている部分ではなく、努力して手に入れる部分ばかりを話す。「努力しているからかすみんは可愛い、そうでないはずがない」。

 裏返しにすれば、「努力していなければ、かすみんは可愛くないかもしれない」。

 そういうことに、なりはしないか......?

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かすみちゃんは、強いけれど強がるほどに自信はない、そんな女の子なのだ。

 そして、上に引用した通り、かすみちゃんは、「かすみんは実は可愛くないんじゃないか?」と問いかけるのだ。

 この違和感を決定づけるのは、スクスタのメインストーリーのエピソード。「自分の魅力に自信を持つのは大切、自分を好きでないと他人を好きでいられない」とかすみちゃんを褒めるあなたちゃん。一見すると特別なことを言っているようには思えないのだが、かすみちゃんの反応は異なっている。

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もしかしたらかすみちゃんは、今まであまりまっすぐに心から褒められることも多くなかったのかもしれない。

かすみ「......先輩、変わってますね」

あなた「えっ、そ、そうかな?」

かすみ「はい、そうです。今までかすみんのことそんな風に言ってくれる人なんていなかったですもん......。」

         スクスタ メインストーリー一章4話より

  あれだけ自信満々に自らの可愛さをアピールしてきたかすみちゃんなのに、褒められただけで「変わっている」というのも不思議である。褒められて「やっぱりそうですよね!かすみんはすごいんです!」とならない、それはなぜなのか......。もしかして、かわいさの猫を被ってるかすみちゃんを、今まで心から褒めてくれる人はいなかったのかもしれない。

 ここまでのことで導き出される推論。それはこうなるだろう。

 

 「かすみちゃんは、自分自身のことをかわいいと思っていない、あるいは、ありのままの自分のかわいさに自信がないんじゃないか?」

 

 鏡と向き合うかすみちゃんの瞳には、どんなかすみちゃんが映っているのだろうか。

 

 硝子の心を持つ王女

 どうして、かすみちゃんはいつも「かわいい」を演じていて素のかすみちゃんをみせてくれないのか。どうして、かすみちゃんはありのままのかすみちゃんをかわいいと思わないのか。

 直接的な答えは、まだ私たちは知ることができていない。しかし、そのヒントは、随所に散らばっているように思える。

 かすみちゃんのキズナエピソードを読んでいくと、どうにも引っかかるところがある。

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可愛い「だけ」は、負けられない。

 「絶対一番になってみせます。可愛いだけは.........。

 可愛いだけは、絶対、負けるわけにはいかないから......。」

        スクスタ 中須かすみキズナエピソード5話より

  かすみちゃんの高いスクールアイドルへの意識を表しているように見えるシーンだが、これまで考えてきたように読めば、気になる点がある。

 そう、可愛い「だけ」は負けられない。2回も繰り返すこのセリフだが、やはり「だけ」が気になる。他のところは負けてもいい、あるいは負けているのか......?

 裏を読みすぎといわれるかもしれないが、やっぱり気になってしまう。「可愛さでは、かすみんは一番ですから!」ではない。「かわいさだけは、負けられない」のだ。

 もちろん、一つの見方とすれば、これはかすみんの負けず嫌いさを象徴していると言える。かすみちゃんは他のスクールアイドルに対して、並々ならぬライバル意識を持っている。スクールアイドルの公演に感動しても、せつ菜ちゃんは熱く語ってみせるが、かすみちゃんは悔しがる。かすみちゃんの持っている「良さ」、「魅力」のひとつであろう。

 どうして「可愛いだけは負けるわけにはいかない」のか、どうしてかすみちゃんはスクールアイドルに強いこだわりと憧れをもつのか?

 それは、かすみちゃん自身が、自分のアイデンティティを「可愛い」だけだからと思っているからではないだろうか。

 ニジガクのメンバーは、それぞれソロで活動しないと摩擦が起きてしまうほど、個性の強いメンバーが揃っている。スクールアイドルマニアとしてもスクールアイドルとしても他を寄せ付けない情熱と実力を持ち、さらに裏の顔まで持つせつ菜ちゃん、表情のなさを「ボード」を使ってカバーし、独自の表現をもつ璃奈ちゃん、抜群のコミュニケーション能力をもつ愛ちゃん、プロポーションは読者モデルとしてお金を稼げるほどである果林ちゃん、マイペースで独自の世界観をもつ彼方ちゃん、スクールアイドルと両立する演劇部で磨いた演技力を持つしずくちゃん。スイスからスクールアイドルが好きで日本に留学してきて、日本語も上達したエマちゃんがキズナエピソードで個性に悩むほど、ニジガクのメンバーは個性にあふれている。

 それに比べれば、かすみちゃんは確かに苦しいのかもしれない。「可愛さ」も「いたずら」も、それは天然ではなく、かすみちゃんの多大な努力と計算によって生み出された理想の「かすみ像」である。それ以外にかすみちゃんを個性づけるとしたら、「パン作り」くらいだろうか。

 「そうじゃない!!」という大きな声がたくさん聞こえてきそうだ。うんうん。私もそう思う。既に述べたように、かすみちゃんの魅力は違うところにもっともっといっぱいある。負けず嫌いなところ、努力家なところ、人のことを想って行動できるところ、とにかくファン想いなところ......。

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「素顔」をみせることを、かすみちゃんは始めは嫌がる。

 しかし、思い出してほしい。かすみちゃん自身はこれらの部分を自分の魅力だと思っていない。キズナエピソードで「ファンレターを読むかすみちゃんの反応を隠し撮り」した映像を流すという提案を、かすみちゃんは断固拒否している。かすみちゃんは「自分自身」のことを、まだ本当には好きになれていない。自信を持つことができていないのだ。

 「可愛いものが好き」なかすみちゃんは、自分の周りを「可愛いもの」で覆い尽くすことによって、自身をかわいく見せている。かすみちゃんは、それを自分の唯一の拠り所だと信じ、頑なにその場所を守り続けている。かすみちゃんは未だ「自分自身のほんとうのかわいさ」には気づいていないのだ。ちょっとしたことで壊れてしまいそうな危うい自我と、それを覆い尽くす完璧で隙のない「かわいいかすみん」の二面性こそが、中須かすみというアイドルそのものなのである。

 ところで、ここからは完全に余談であり、かつ妄想なのだが、これだけかすみちゃんが自信を持てずにいる理由は何なのであろうか。

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「かすかす」は昔のあだ名なのだ。

 私は、そのヒントは「かすかす」にあるのではないかと邪推している。その語感が悪いのはもちろんだが、かすみちゃんは「かすかす」と呼ばれるのを強く嫌がる。生放送らライブなどでは、半ば定番ネタ化している感もあるが、それでもかすみちゃんはやはり「かすかす」呼びを嫌がっている。歩夢ちゃんがかすみちゃんと初対面の時に「かすかす」と呼んだとき、かすみちゃんは「なんで昔のあだ名知ってるんですかー??」と言っている。「かすかす」は、昔のあだ名なのだ。しかし、本人が嫌がるあだ名を呼ばれてしまうような環境って、どんな環境なのだろうか。どうしても暗いことしか考えられない。もしかして、かすみちゃんは昔いじめられていたのでは......?これ以上はとりとめが無いのでやめておくが、いつかかすみちゃんともっと仲良くなれたときに、かすみちゃんが「昔」の話をしてくれるかもしれない。そういう時に、そんなかすみちゃんのすべてを受け止めることができていればと、強く思う。

 

『Margaret』

 近づこうとしても取り付く島もないようなかすみちゃんだが、ここまでかすみちゃんの内面に踏み込むことができたのも、ひとえに先に示したキズナエピソード18話のおかげである。

 そして、さらにかすみちゃんの内面に切り込んでいけそうなのが、先日発表された3rdアルバム収録のソロ曲『Margaret』である。


【ニジガクみゅ〜じっくウィーク!〜1週目〜】Margaret / 中須かすみ(CV.相良茉優)

鏡に映る自分に問いかけてみたの
今の私は魅力的に見えますか?
まだ答えは返ってこないままで

 

誰よりもいっぱい笑顔絶やさないように
今日も私はちゃんと可愛くいなくちゃ
部屋で一人考えたの

 

こんな素顔だけれど
もっと好きになってくれるかな?

 

聞いて!
泣き顔も笑い顔も 全部見てほしい
たまに出る変な顔も 笑って許してね
いつも好きでいてくれる君にとって

一番でいたい
想いのままを歌にのせたよ


これからも頑張ろう、

君のために!

                3rdアルバム収録曲 『Margaret』より

 

 これまでの『ダイヤモンド』、『☆ワンダーランド☆』が「可愛いかすみん」を完璧に投影した正統派アイドルソングだったのに反して、『Margaret』は、むしろこれまで全く踏み込まれることのなかった「素顔のかすみちゃん」を表現した曲と言える。

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「素顔のかすみん」を、知ってもらいたい。かすみちゃんの、成長である。

 この曲はキズナエピソード18話のエピソードの答えになるような曲であることから考えれば、「かすみんは本当は可愛くないんじゃないか」という自身への問いかけに対して、かすみちゃんが出した自分なりの答えということになる。

 そしてそれは、ついにかすみちゃん自身の口から「素顔」に言及されるものになっている。「完璧な笑顔で可愛いかすみん」とは、あきらかに違うかすみんがそこにいる。この歌詞だけではこれ以上のことを言うことができないが、きっとこれからかすみちゃん自身が、自分のことを好きでいてくれるファンのために、そして「あなた」のために、素顔を徐々に見せてくれることを予言している。その時を今か今かと待ち遠しくまつことしか、私たちにはできないけれど。でも、ついにかすみちゃんが「素顔の自分」と向き合ってくれたことが、これまでのかすみちゃんを見守ってきた私たちにとっては、涙が出るほどうれしいことには変わりはない。

 

 『Margaret』全体の歌詞とキズナエピソード20話を反映したかすみちゃん像は、次の記事を参照してほしい。かすみちゃんと一緒に、さらに先へと進んでいくことができる記事になっているはずだ。

tsuruhime-loveruby.hateblo.jp

 

『無敵級*ビリーバー』


【試聴動画】無敵級*ビリーバー / 中須かすみ(CV.相良茉優)

  かすみちゃんについてここまで考えたことを踏まえて、ついに待望の『無敵級*ビリーバ―』を聴いていきたい。

 イントロで歌われる「Mirror on the wall」は、"Mirror mirror on the wall, who's the fairest of them all?"(鏡よ鏡、世界で一番美しいのは誰?)という「鏡よ鏡」を表し、いつも鏡に向き合うかすみちゃんを描いている。そもそも、『白雪姫』で白雪姫の継母である王妃が鏡に上記のフレーズを問いかけるのは、継子である白雪姫が自分より美しいのではないかという不安が背景にあるのではないかと思う。鏡に向かって「自分が一番美しいのか」と問いかける王妃の心の奥底にあるのは、「自分より可愛い人がいる」ということを認めたくないという、自信とプライドの喪失に対する不安に他ならない。

 つまり、ここでは今まで見てきた「ありのままの自分に自信が持てない」かすみちゃんの不安が表される。「鏡」は、常にかすみちゃんを語る上で欠かせないアイテムである。

 続く「あの子」が誰なのかという話はよくされているし、たとえばそれがせつ菜ちゃんではないか、とはよく聞くが、私はここで結論を出したくない。それがどんなスクールアイドルであっても、自分よりかわいくまぶしい人がいたら、負けず嫌いから悔しがりため息をつく。それがかすみちゃんだから。

 私服・そして各衣装ともに、どのカットもとびきりかわいいかすみちゃんがみられる点は、まさに「可愛いかすみん」そのものと言えるし、選挙で1位を取ったかすみちゃんの魅力を最大限に引き出している。一番印象に残るのは『ダイヤモンド』衣装のカット。夕日を浴びながら立つかすみちゃんは、ケーキ、ぬいぐるみ、王冠といった「可愛いもの」の上に傲然と、勝利者のように立っている。これまでのかすみちゃんが、「可愛いものが好き」という点を武器にして、この選挙を勝ち抜いたことを表しているように思えるし、同時に、「可愛いもの」に拠らない、新しいかすみちゃんの誕生を象徴しているようにも見える。

 

かすみの鏡の向こう側

 「可愛いかすみん」を完璧に表現するこの曲だが、『ダイヤモンド』や『☆ワンダーランド☆』とはその内容は違っている。最もそれを象徴するのが、Bメロ部分の掛け合いである。

「努力しても追いつけないのかな」

『ううん!弱気で凹んでちゃダメ!』

「私にだってできるはずなのにな」

『超絶 誰より イチバンだもん』

                  『無敵級*ビリーバー』歌詞より 

  一番はこうである。これはかすみちゃんのソロ曲であるし、かすみちゃん自身と、それから鏡(背景のビジョンは鏡を表しているように思える)の中のかすみちゃんとの会話を表している。

 「」が、素顔のかすみちゃんのコメントであり、『』が、鏡の中のかすみちゃんである。根拠は文脈以外にもある。「」の部分ではPVの私服のかすみちゃんが動いて歌う。『』の部分では、背景のビジョン(=鏡?)の中のかすみちゃんが動いて歌う。

 『ダイヤモンド』や『☆ワンダーランド☆』は、鏡の中のかすみちゃんが歌う曲だ。逆に『Margaret』は、鏡と向き合う素顔のかすみちゃんが歌う曲である。『無敵級*ビリーバー』は、どちらであろうか?

「手強いライバル現る 焦る」

『がんばる姿 見ててほしいな』

「計画通りにはいかないな」

『ねぇ ますます目が離せなくない?』

                  『無敵級*ビリーバー』歌詞より 

  結論から言えば、『無敵級*ビリーバー』はどちらでもない。上に引用したのは2番Bメロの歌詞である。一番と同じように、素顔のかすみちゃんと鏡の中のかすみちゃんが掛け合いを見せる。

 しかし、PVの背景に注目してほしい。1番サビ前で鏡の向こう側へと誘われたかすみちゃんだが、2番のこの部分では『無敵級*ビリーバー』衣装に身を包んだかすみちゃん自身が鏡の外で両方の歌詞を歌い、むしろ鏡(ビジョン)の中にはかすみちゃんの内面が映し出される。そしてついには『ねえ ますます目が離せなくない?』の部分で、鏡の外のかすみちゃんと鏡の中のかすみちゃんは完全に動きがシンクロする。最後にかすみちゃんがとびきり可愛くダブルピースすると、ついに鏡を表すビジョンは雲散霧消し、鏡の中のかすみちゃんと鏡の外のかすみちゃんは完全に同一のものになる。

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「鏡の向こう側」へ。

 『無敵級*ビリーバー』は、かすみちゃんが演じる「可愛いかすみん」の歌でもなければ、鏡と向き合うありのままのかすみちゃんの歌でもない。これは「鏡の向こう側」にたどり着いたかすみちゃんの歌なのだ。

 ここまで読んでもらったみなさんであれば、「この世界中の全員がNoだって言ったって」という歌詞も誇張とは感じないであろう。これまでかすみちゃんは、そんな逆風の中でも、「かわいいかすみん」を演じることをやめなかった。たとえそれが「作り出した可愛さ」であったとしても、それが自分の魅力であり、それが誰にも負けない一番であると信じ続けてきた。

 かすみちゃんの最大の魅力は、武器は、一番誰にも負けないところは、「信じること」だ。

 「もう絶対めげない 負けないって決めたの」という歌詞からは、もしかしたら一度かすみちゃんが自信を失って、折れてしまったことがあったかもしれないということが伺える。

 しかし、かすみちゃんは再び自分を信じることができた。だからこそ、かすみちゃんは努力を重ね、めげずに負けずに、「可愛い」を追求し続けている。

 かすみちゃんは強い。それは誰よりも、「あなた」が、ニジガクのみんながわかっている。だから、かすみちゃんが少しへこんでいてもみんなは必要以上に励まさない。みんな、かすみちゃんが強く、自分で問題を乗り越えられることがわかっているからだ。

 かすみちゃんの強さを一番表しているのが「この世界中でたったひとりだけの私を もっと好きになってあげたい」という歌詞である。これまで心配していたかすみちゃんの弱さ、危うさは、まるで乗り越えてしまったかのようだ。かすみちゃんの成長には、目をみはるしかない。

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まさにかすみちゃんの「到達点」にふさわしいPVである。

 『無敵級*ビリーバー』は、一つのかすみちゃんの到達点だ。努力を重ねたかすみちゃんは、ついに鏡の向こうの理想の自分へと、たどり着いてみせたのだ。

 しかし、そんなかすみちゃんも、いつか心が折れてしまいそうな時がくるかもしれない。負けてしまいそうな日がくるかもしれない。

 だから、いつか必ず、かすみちゃんの「素顔」を知りたい。いつでもかすみちゃんが本音を話せる相手になりたい。そして、困ったときにかすみちゃんを助けてあげたい。

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「誰かを喜ばせたい」。かすみちゃんが目指すのは、そんなアイドル。

 いつでも「誰かを喜ばせる側」でいたいかすみちゃんは、どんどん進んでいってしまう。かすみちゃんがどこまでも進んでいくのについていって、いつかかすみちゃんが壁にぶつかったときに、かすみちゃんに手を差し伸べられるように、必死にかすみちゃんについていく。

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かすみちゃんにどこまでも、ついていきたい!

 「無敵級のビリーバー」を、支えられるような「あなた」でいたい。

 

 かすみちゃんの鏡の向こう側に、できるだけ早く、置いていかれないようについていきたい。無敵級に自分を信じることができるようになったかすみちゃんはどんどん成長していって、まだまだ未熟な私たちは置いていかれてしまうかもしれないけど、かすみちゃんは絶対に待っていてくれる。そして鏡の向こう側で会った時、かすみちゃんはきっとこう言うのだ。

 

 「遅いですよ、先輩!かすみん、待ちくたびれちゃいました」

 

出典

『Margaret』/中須かすみ(CV:相良茉優) 虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会3rdアルバム『Just believe!!!』より。作詞:鈴木エレカ 作編曲:Carlos.K 2020年

『無敵級*ビリーバー』 /中須かすみ(CV:相良茉優) 作詞:Ayaka Miyake 作曲:DECO*27 編曲:Rockwell

各画像は、アプリ「ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル オールスターズ」中須かすみキズナエピソード、あるいはメインエピソードより引用。『無敵級*ビリーバー』関連画像は、上記『無敵級*ビリーバー』PVより引用。