鉄道をつくろう! 宇都宮編

 外出自粛ってどうしても暇ですよね。今すぐ家を飛び出して行って、ボックスシートに深く腰掛けて、頬杖ついて流れる景色に身を任せたいところですが、今は世界の一大事。みんなの命を守るためにも、家に籠っているほかはありません。

 

 どうしても旅行に行きたいと地図を延々とスクロールしても、「いつか」がいつやってくるのか見当もつかずにむなしくなりますよね。そこで、今日はそんな鉄道旅行好きのみなさんへ私がとっておきの暇つぶしをお教えしましょう。

 あ、ブログをお読みになる際には地図アプリとかを開いておくといいかもしれません。というかそうじゃないと宇都宮市民でなければ話がわからんと思う。

 

用意するもの

〇紙媒体の道路地図。昭文社都道府県別の巨大な本みたいなやつ。縮尺が大きすぎるものは向かないので択ばないこと。

フリクションのボールペン。色は黒だけでいい。

フリクション用の消しゴム。これが重要。ペン後ろに付属する消しゴムは抵抗が大きすぎて地図のような薄い紙は破れてしまう。散々破ったやつが言うんだから間違いない。まあ無くても大丈夫だけど。

〇定規。フリーハンドで線を引くのってなんか嫌じゃない?かといって定規を使ったらまっすぐ引けるというものでもないけど。

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 この4つだけ。用意できましたか?

 

まずは地図をペラペラとめくっていこう!

 今回は栃木県の地図を使っていきますよ。特に栃木を選んだ意味はありません。

 さあまずは地図を開きましょう。ペラペラとめくっていきます。これだけでもう楽しいですねえ。え?楽しくないって?そっか。

 まあ大体のページを開いたら、そこには見開きいっぱいに街が広がっています。大抵は鉄道駅を中心として町は広がっています。縦横無尽に広がる鉄道網ですが、地図レベルになると意外と鉄道がない地域があることがわかります。そう、そこがフロンティアです。鉄道空白地帯には鉄道を引きたくなるのが人間です。

 

想像力をフル回転して、鉄道路線の構想を立てよう!

 さあ、ここで一気に脳内の広大な世界へと想像のレベルを落とし込んでいきましょう。ここは自治体や住民の意向とか路線自体の収益とか建設自体の実現性とかそういうものは一切関係ない世界です。そんなものくそくらえです。好き勝手に考えていきましょう。

 今回は宇都宮という街を舞台に選ぶことにします。

 Wikipediaによると、宇都宮市は人口50万を誇る巨大な市です。さらに「宇都宮都市圏」としてとらえると、人口は110万をほこる巨大な都市圏です。っていうが都市圏の概念広すぎじゃね?

 それにも関わらず、宇都宮市周辺には鉄道路線が多いとは言えないことが、地図を開けばわかるはずです。車社会なんだね。空想鉄道にとっては格好の場所でしょう。

 さらに調べてみると、宇都宮市に通勤している人が多い自治体は、高根沢町芳賀町上三川町市貝町と続きます。高根沢町東北本線が通っていますが、それ以外の市町村には宇都宮への鉄道での移動手段はありません。これはもう、鉄道を走らせるしかありませんね。

 

実際に地図を見ながら、路線を書き込んでいこう!

 そこまで調べたら、実際に地図をめくって、フリクションで線路を引っぱって行きましょう。

 おおまかに次のような計画を立てました。

 「鹿沼から東進し、宇都宮市街を縦貫し芳賀・市貝上三川・真岡方面を結ぶ路線」

 宇都宮市内は住宅が多く、あるいは繁華街もあるため、地上に新たに路線用地を確保するのは大変そうです。ここは地下鉄という計画で行きましょう。コストが高い?知らん。まあほとんどが地下区間で相互直通の予定とかもないから、大江戸線長堀鶴見緑地線のようなミニ地下鉄ということにしましょう。宇都宮市街を東西に走り抜けるこの路線の名称は「東西線」としましょう。

 

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東西線」でない路線が書いてありますがそれは別案「宇都宮環状線」です。

 

 新鹿沼鹿沼駅から基本的には道路に沿って計画を立てていきます。地下鉄だからね。

 ある程度駅間を測った上で、任意の場所に駅を設置していきます。駅名は私の独断と偏見で決定します。ここは私の世界。駅名を巡って論争となる住民も、高〇と応募したはずなのが高輪ゲート〇ェイという名前になってしまうJR東〇本みたいな会社も存在しません。

 鹿沼市内から国道293号に沿って進んでいくと、大谷観音をかすめます。この辺は大谷石の産地ですね。地盤に不安が残りますが、まあいいでしょう。実際に作るわけじゃないし。観光客も欲しいし駅を設置。大谷観音を越したら県道70号の下を通って宇都宮市街へとまっすぐ向かうことにしましょう。街中に入ってきたら、多少駅間は狭めてもいいかもですね。

 

東西線が完成しました!

 宇都宮市街の中心部に入っていくと、そこには東武宇都宮駅があります。宇都宮はJRと東武でターミナルが分かれているんですねえ。ここも駅を設置しますが、「東武」と入れるのも何かねえ。単に「県庁前」としましょう。副駅名で「東武宇都宮」ってつければいいっしょ。ちゃんと接続はします。

 宇都宮駅を超すと、そろそろ分岐の必要に迫られます。芳賀方面へはそのまま東へ行けばよいのですが、上三川はここよりもっと南にあります。

 通称「宮環」、宇都宮環状道路より手前の陽東あたりに分岐点を設けるとしましょう。なんかヨーカドーとかTOHOシネマズとかあるしまあ、いい感じに開発してくれ。

 まずはまっすぐ東に向かうルートを決めていきましょうか。そのまま県道64・69号を進んでいくだけでよさそうです。それにしてもこのあたりは工業団地と住宅街が多いですねえ。県道69号はバイパス整備が進んでいるようです。調子に乗って市貝町役場あたりまで線路を伸ばしましょう。ここに設置する市貝駅と、真岡鐵道市塙駅との接続は難しそうですが、まあそれほど必要でもないでしょう。

 ちなみにこのルートは宇都宮BRT構想と重なっているものですね。後で路線図を上げますが、BRT構想はこの路線の駅で言うとゆいの杜~健康の森間という感じです。現実的な計画という印象を受けますね。

 次は陽東駅に戻って上三川方面へ。途中で経由するインターパークは国道4号沿いの大ショッピングモールですね。行ってみたい気がする。

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インターパークは巨大ショッピングモール。行ったことの無い街に思いを馳せます。

 日産の栃木工場を横目に南下を続けると、上三川の街に出ます。中心部は区画整理の結果か全部「しらさぎ」って地名になってますね。最近はこういう地名のキラキラネームが多いよねえ。

 この辺で大きく左に曲がり、鬼怒川を越えていきましょう。鬼怒川は地下ではなく橋梁で越えようかね。鬼怒川を渡ると真岡市街が見えてきます。大きい街ですね。この辺に住んでる人はどうやって宇都宮まで出てるんだろうか。車か、あるいは一度石橋・雀宮駅に出るのでしょうか。

 これで東西線は完成です。なんか分岐点からここまで距離があると支線って感じでもないし、陽東より芳賀方面は芳賀線・真岡方面は真岡線としましょうか。新鹿沼~陽東は毎時6~12本で、それぞれ半分づつ芳賀・真岡方面へ行く感じのダイヤのイメージですかね?可能かはしらん。なんかむしろ新鹿沼方面への需要の方が少ない気もするし、ここはもうちょっと精査した方がいいかも。

 

南北線を作ろう!

 じつはこの東西線のアイデアは、10年以上前からあったものです。でもブログにするにあたって、それだけじゃあなんか物足りないよねえ。いやあ南北線があれば東西線を作りたくなり、東西線があれば南北線が作りたくなるじゃないですか。採算なんか度外視して。ねえ仙台市さん?

 何となく市街の北側の頁をめくっていたら、豊郷台というニュータウンがあることに気づきました。ここには帝京大学のキャンパスもあるようです。通うのになんだかとても不便そうだ。よし、ここを起点として南北線を作っていきましょう。

 

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ここでも「宇都宮環状線」が顔を出しています。

 北部もたくさん住宅地があるんですねえ。富士見ヶ丘という団地の横をかすめ、八幡山の裏手に回って、県庁前駅で東西線と接続することにしましょう。

 ここからは難しいねえ。南方には東北本線東武宇都宮線が伸びていて、あまり間隙がないように見えます。一度は4号沿いに雀宮方面へ伸ばしていこうかとも考えましたが、さらにぺらぺらとめくっていくと、鹿沼IC付近に工業団地と免許センターがあることがわかりました。目的地はこことしましょう。

 東武宇都宮線南宇都宮駅との乗換駅を作るのは難しそうです。まあ県庁前で乗り換えてくれ。JR日光線鶴田駅とは接続できそうです。

 一路、免許センターを目指します。航空写真でみるとだいぶ田舎に見えますねえ。絶対大赤字の区間になる。一部は鶴田折り返しの運用になりそう。終点は「自然の森・免許センター前」駅にしました。かな16文字。最長の「等持院立命館衣笠キャンパス前」駅には遠く及ばないね。そっちが長すぎだろ。

 

路線図を作ろう!

 さあ2路線(というより2系統?)ができました!といっても地図上に線を引っ張っただけではなかなか全容を見渡せないですよね。ということで、路線図を描いていきたいと思います!

 本当はこういう時にIllustlatorを駆使して本物同然の路線図を作るとそれっぽい感じになるし、そういうレベルの高いことをなさっている方もたくさんいらっしゃいます。が、私はあまりデジタルに強くないもので......。まあ環境的にはできることにはできるので、可能なら後日デジタル版を公開しましょう。それかだれかそういうのめっちゃ強い人が作ってください......。

 稚拙な手書きで失礼しますが、どうでしょうか。

 

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手書きです。なんか傾いちゃった。ちなみに書き損じができないので一発勝負。

 思ったよりそれっぽくない?こんな地下鉄どっかにありそう。細かいとこの凡例がめちゃくちゃなのは許して。

 

 でも名前が決めらんないなあ。かなりの自治体にまたがっている以上「宇都宮市営地下鉄」とはいかなさそうだし、うーん。

 車両は既に書いたとおりミニ地下鉄なので。無塗装の車体にラインカラー一色で塗った外吊りドアとかどうかなあ。なんか新鮮さが出せそう。あ、折角だし全駅にホームドアを設置しましょう。

 

 ......と、想像は尽きないのです。ここまで考えたらだいぶ時間がつぶせそうでしょ?車両デザインを決めたり、シンボルマークを作ったり、配線図を作ったり、ダイヤグラムを組んでみても面白そう。

 いかがでしたでしょうか。想像力と地図さえあれば、どこまでも空想鉄道は作れます。そこは誰にも邪魔されない自分だけの世界。みなさんもチャレンジしてみてはいかがですか?

 

 人生22年間で積み上げてきた路線計画が死ぬほどあるので、気が向いたらまたご紹介しましょう。あ、ご自宅の地図が落書きまがいの直線まみれになるのでお気をつけて。既にわが家の地図は全部手遅れです。

 

 それではまた。

 こばと