Sweet Sweet Soulからヒップホップの世界に導かれたおはなし


【アイドルマスター ミリオンライブ!】「Sweet Sweet Soul」「永遠の花」試聴動画

 

 「Sweet Sweet Soul」、いいですよね。かわいいアイドル達とヒップホップが織りなす不思議で最高な味付けを見つけた人は天才だと思う。背伸びしてヒップホップに挑戦するのに、歌詞がまた等身大なところもいいよね。歌詞はひらがながたくさん、かつ効果的に使われていて、これがまたいいのよ。しぇけなべいべー。

 

 さて、この曲の良さを最大限に引き出しているのは「編曲」だと思うんですよ。正統派のヒップホップでありながら、キュートでポップなサウンド。明るい曲であるはずなのに、どこか切なさがある。作りこまれているのに、無駄を感じないシンプルさがある。聴けば聴くほど深みとコクがでるような気がするんですよね。

 

 あまりに魅了されたので、編曲者を調べてみたのですが、この出会いがまた、私を新たな世界に引きずりこむことになるのでした......。

 

 

 「Sweet Sweet Soul」の編曲は元SOUL'd OUTのトラックメイカー、Shinnosukeさんが手がけたものです。SOUL'd OUTそのものの話に進む前に、Shinnosukeさんが手がけた曲をざっと見ると、見慣れた名前があるんですよね。嵐の「きっと大丈夫」と「Love Situation」。この時点で腑に落ちました。そうか、だから好きなんだ。

 

 私はかれこれ13年以上もファンクラブに所属するかなり古株の嵐のファンなのです(この経緯に関してはまたお話しますね)が、どちらも大好きな曲です。とくに「Love Situation」は今でもよく聴くかな。松潤の「チカヅキタイ」が恐ろしくかっこいい曲ですね。ファンからの人気も高いんじゃないかな。とにかくお洒落な曲なんですよね。まずイントロのピアノのメロディーラインからいって好き。ヒッピホップというよりはむしろちょっとジャズみたいなテイストなんだけどね。これが収録されている「Time」というアルバム自体が嵐を知るなら絶対に外せないアルバムなので、まあぜひ聴いてくれよ。あ、あと、いま期間限定公開で嵐のライブが見れて、「Love Situation」も聴けるので貼っておきますね。31:04~です。


ARASHI - ARAFES NATIONAL STADIUM 2012【期間限定公開/Limited Time Release】

 

 

 さて、Sinnosukeさんが自分にとって絶対に外れではないクリエイターであることを再確認したところで、本丸であるSOUL'd OUTの楽曲を聴きにいったんですよ。

 

 

 

 いやあね、ベタ惚れ。想像以上だったわ。メロディーセンスだけで殴られた感覚。

 

 

 

 そもそもヒップホップ自体が私には縁のない世界だったので、完全に先入観を崩されましたね。なにが一番いいって肩ひじ張ってない感じがいい。このあたりの音楽ジャンルって「反抗」って感じがあって実はちょっと苦手だったんですが、SOUL'd OUTからはそういう雰囲気を感じないんだよね。余裕がある。才能があって、やりたいことを全力でやりたいだけやってる。第一印象としては「ダサい」なんだけど、でも「ダサかっこいい」んだよな。精いっぱい背伸びしようとしてダサくなるのとは違うダサさがあるんですよね。圧倒的なオリジナリティーからくる「ダサさ」。すげえわ。

 

 

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 いやでもダッサいよな。なんでそんな覚えたての言葉を使いたがる中学生みたいなイントロとPVになるんだよ。でも聴けば聴くほどすごい。SOUL'd OUTで好きなところは、歌詞が前向きで背中を押してくれるようなものが多いところ。この「ALIVE」は東京ヤクルトスワローズ山田哲人選手の出場歌の一つですね。

 

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 圧倒的に個性のある「発音」も特徴ですね。なんて言ってるかわかんないし、なんで言ってるのかもわかんない。でも耳障りが良い。ひとつの完成形へと昇華されてる。あとコメント欄にいるみんながめっちゃ面白い。

 

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 ラップだけじゃなくて、メロディアスな歌いの部分が多いのも特徴ですね。ここはほんとうにSinnosukeさんの真価を発揮しているというか、とにかくメロディーラインが綺麗。Instrumentでじっくり聴きたいまであるわ。

 「何も失わずに手に入れたものなどくれてやる」ってめちゃくちゃかっこいいよね。

 

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 メロディーラインの綺麗さで言えば「GROWN KIDZ」なんかいいですね。耳に残るシンセのサウンド。あふれ出る爽やかな透明感。どこか切ないのが本当に好きです。

 

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 「FlyteTyme」もそうなんですが、とにかく耳に残る。何を言っているかはわからない。でも印象的なメロディーラインで不思議と耳に残らせるんだよね。

 

 

 個人的にSOULd'OUTのなかでベストにくるのは「イルカ」と「Magenta Magenta」の2曲ですかね。

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 「イルカ」はちょっとアダルトな内容の歌詞とPVのナンバー。でもPVは深刻にダサい。なんなんこれ。

 ただこの洗練されたメロディーラインと歌詞はすごいですね。 「Quick,Quick,Turn」というフレーズがサビにたびたび挿入されますが、これイルカの鳴き声をイメージしてるんだろうね。とにかくお洒落だわ。そしてどこか切ない。このなんとも言えない切なさこそがShinnosukeさんの最大の魅力な気がする。

 

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 「Magenta Magenta」はギャンブルの雰囲気漂うナンバー。これ聴きながらポーカーしたら絶対負けない気がする。これは雰囲気がほんとうによく出てますよね。あとめちゃくちゃかっこいい。これはダサいというか純粋にかっこいい。Diggyがなんでハットの上からキャップをかぶってんのかはわからんけど。お前が一番不思議ちゃんだろ!

 

 

 もうおしゃれすぎて全くついていけない曲も結構あります。これがまたいいんだけど。個人的には「COZMIC TRAVEL」と「TONGUE TE TONGUE」がこの領域。

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 めちゃくちゃ活舌良く自信満々に「クリストファー・コロンブス!」で歌ってくる。なんやねんそれ。あとサビの「言語プロセッサ」がよくわかんないけどダサい。でもそんなことが気にならないくらい素晴らしいメロディーライン。特にBメロの疾走感は癖になる。Aメロのなんだら忍び足な進行から一気に加速していく感じが好き。

 あとはネットでちょっと盛り上がっていたデレマスの辻野あかりさんのネタ?のたべるんごの歌の替え歌のラインナップの一つでもありましたね。オタクたちに散々遊ばれた結果かボイスがつくことになったそうで......。なんというか、おめでとうございます。

 

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 「TONGUE TE TOUNGUE」はなんというか、SOUL'd OUTのすごいところを濃縮したような曲ですね。もはや洋楽感まであるメロディーラインの独創性とお洒落さ。ほんとうになんて言ってるかまったくわからない高速ラップ。耳障りのよい不思議な「音」。サビ前の展開はもうどうやったらそんなんが思いつくのか到底わかんないよ。

 

 

 もうね、ここ最近はすごい頻度で聴いてるんですよね。とにかくShinnosukeさんのセンスがすごい。どの曲でも圧倒してくる。こういうサウンドを作れる人になりたいよね。もう完全に惚れこみました。最初に「Sweet Sweet Soul」を紹介したように、特にミリオンには数曲提供してるんだよね。これからも出してくれるといいなあ。

 今回は「Sweet Sweet Soul」を起点として、最終的にはSOUL'd OUTの楽曲へと導かれていったわけですが、結構クリエイターに注目して曲を聴いてみるのも面白いと思います。自分がどうしても好きな曲があったら、作曲・作詞・編曲を調べてみてはどうでしょう。素敵な出会いが待っているかもしれませんよ。

 

それではまた。

こばと

高輪ゲートウェイ駅に行ってきたおはなし

 こんばんは。こばとんです。

 今日は比較的「要で急」な外出があったので、実に2か月半ぶりに「上京」したのですが、次はいつ来れるかわからない都内、折角なのでかねがね行ってみたかったところに行ってきました。

 

 

 ......それは、そう。高輪ゲートウェイ駅です。あっ、いま「今更かよ」って言ったでしょ。そうだよ。今更なんだけどさ。ずっとお上の言いつけをまもって、通行手形を使うことなく埼玉に籠っていたんですよ。どうかこのスピード感をお許しください。

 

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なっげえな名前。

 というわけで、さっそく山手線で高輪ゲートウェイ駅を目指します。打ってて思ったんだけどやっぱなげえな名前。以下高ゲ駅にします。

 高ゲ駅は山手線の田町駅と品川駅の間に開業した新駅です。まあこれ以上の説明は不要でしょう。あんだけネットやテレビで叩かれればねえ。東京オリンピックに合わせての開業のはずだったのですが、オリンピックが延期になってしまったので、ずいぶんひっそりと開業することになってしまいました。かわいそう。

 

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圧倒的近未来感。めっちゃかっこいいじゃんか。

 降り立った瞬間に「未来」を感じました。「未来ずら~」って感じ。解放感のある高い屋根。シンプルでスタイリッシュなホーム。快晴だったこともあるかもしれませんが、まぶしいくらいに光が入ってきてとても明るい印象でした。

 

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まるで映画のワンシーンの様なエスカレーターからの眺め

 この駅は快速運転する京浜東北線も停まるんですね。ほとんど人がおらず閑散としているのですが、これではただ快速のスピードダウンになってるだけな気もする。ほとんど人がいないのはコロナウイルスの影響もあるかもしれませんが、まだこの駅は「暫定開業」であるという点もあるでしょう。それに、通勤定期は長期で購入するものなので、この駅を利用する客が増えるのはまだこれからといったところなのでしょう。まあ駅付近はそれほど開発可能な土地にあふれているというわけでもなさそうなので、驚異的に利用客が増えるということはなさそうですが。

 

 

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純粋にかっこいい

外に出てみましょう。ほとんどの土地が何かしらの建物によって満たされている東京では、「新駅」あるいは「新線」の開業といってもこじんまりとした設備にとどまることが多い気もしますが、ここはもともと田町車両センターといっていわば鉄道の車両基地があったところですので、スペースはふんだんに用意されています。駅舎も非常に規模が大きく、ターミナル駅並みの風格すら有しています。

 

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これ明朝体のフォントがめっちゃ批判されたよね

 といっても駅前も閑散と....というか、広いペデストリアンデッキが広がっています。タクシーなどは駅を出てすぐに跨ぐ真新しい道に進入するんだろうか。なんだかお台場にある駅のような印象ですね。

 

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これもなんだかんだ批判されたよね。個人的には何のオピニオンもありません。

 ちょっとあまりの天気のよさに綺麗に撮影できなかったのですが、駅前にはこのような案内板がありまして、AIのお姉さんやお兄さんがいろいろと教えてくれます。個人的にはこれが人間の形をしたAIでなくてはならない理由は特にないと思うんですがね。「ピーンポーン」とかいいながら無機質にしゃべる地図で事足りてない?ペッパー君でもいいよ。まあだからといって叩きまくるほどのことでもないと思うし、時と場合によっては価値を生み出すこともあると思います。

 

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見て違和感はあるよね。

 新型の改札機も投入されてました。たしかQRコードに対応しているんでしたっけ?いわれるほどタッチしにくいということはありませんでした。思ったよりタッチ位置が高いんだよね。導入されているのは中央にある2台(だったと思う)だけです。QRコード決済みたいに切符もスマホに表示されるQRを読み取らせて乗るような時代が来るのでしょうか。

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テラスより

 出て右手に進むと不案内かつ唐突に階段があり、登るとテラスに出られます。上から駅がみられますが、まあ絶景というわけでもないかな。みなとみらい駅みたいな感じです。あと、スタバがあるのですが、これは広いし居心地がよさそうでした。早速作業に使っているお客さんも多いようでした。

 

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まあまあ豊富なラインナップですかね。

 あと、駅自体が東京総合車両センター田町センターに隣接しているので、留置されている電車たちを眺めることができます。ちびっこにはよさそう。

 

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これには地味にびっくりしました。

 構内に戻りましょう。

 最近では柱に液晶パネルを取り付けて映像で広告を流すのも一般的になってきましたが、コンコースの至る所に液晶パネルの広告が取り入れられているのも印象的でした。特に階段部分はちょっとびっくりしたかも。ここ、そんなに時間をかけて見る部分でもないので、そんなに映像で見せることで広告効果が高まるとは思えないけど。

 

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入口にもゲートが。こちらに逆流して持ち逃げできないようにしているんですね。

 高ゲ駅のみどころの一つはこの「無人エキナカ店舗」ですかね。「TOUCH TO GO」と名付けられたこの店舗。入口にも出口にもゲートがあって何だか不思議な気持ちになりますが、なかに入ってしまえば普通のコンビニです。品ぞろえはちょっと小さいエキナカのコンビニくらいでしょうか。あまり広くないので、お客さんが殺到したら身動きがとれなさそうですね。

 必要十分の品ぞろえで、酒類も販売していました。年齢確認ってどうしてるんだろ。買ってみればよかったかなあ。タバコはなかったような気がします。これはあってもまず買わないけど。

 

 

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一瞬で値段が表示されるのは快感です。

 この新店舗の白眉はなんといっても会計方法にあるでしょう。商品スキャンの部分もありますが、床下の線に従って立つと一瞬で値段が表示されました。すげえ。UIもいい感じですね。ぱっと見てわかりやすい。なにより早い。特にほしいものも無かったので。お土産になりそうなチロルチョコを購入しました。

 

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いかにも「開発中」って感じがいいよね

 決済は今は交通系電子マネーのみ対応です。他の決済方法も逐次追加されるみたいですね。まあ各種QRコード決済と、あとクイックペイとかEdyとかiDとかは使えるようになるでしょ。もう今の時代、これだけ使えれば十分な感がありますね。

 使ってみて思ったのは、「客としてはこれで必要十分だ」ということですね。商品は手に入るし、手間もかからないし、何より早い。こういうお店では急いでいるお客さんが多く、回転効率を上げた方が売り上げも上がりそうですし、とても良い取り組みだと思いました。数年後には都内のエキナカはみんなこういう形態になっているかもしれませんね。まあ多分万引きとかも大丈夫なんでしょう。駅構内には警備ロボットもいましたし、ゲートを強行突破したら爆音でブザーが鳴り響いて、スムーズにお縄につくことになりそうです。人がいる店舗と比べても万引きのリスクがそこまで高いわけでもなさそうでした。

 

 

 ということで、以上が高輪ゲートウェイ駅レポートでした。

 総括すると「東京の未来がみられる駅」といった感じでしょうか。ちょっと毒を吐くなら「まるで展示場のよう」かな。よくも悪くもJR東日本ショールームみたいな空間ですね。いろんな新技術が目白押しで、しかも警備ロボットには警備会社の人がいて、質問しているお兄さんにいろいろ答えてるし、インフォメーションのところにいるロボットにも開発者らしき人たちがいろいろと動かしており、ほんとうに「展示場」といった感がありましたね。密を気にする必要がまったくないくらいに人がいないのも、よりそういった雰囲気を強めていたかもしれません。「高輪ゲートウェイ」っていう駅名がすごく似合ってると思うんだよね。これやっぱ「ゲートウェイ」だよ。「高輪」とか「泉岳寺」じゃない。良くも悪くも街から浮いてるんだよね。まあ公募なんて1位が採用されないケースは山ほどありますから、いまさら目くじらをたてても何にもならないかな。

 個人的に印象に残ったのはやっぱり無人店舗ですね。これがスタンダードになるな、という感触が強くありました。そもそも、コンビニ業界自体が慢性的に人手不足ですし、コンビニというのはレジ業務以外にもいろいろ仕事があるから、「意味のある合理化」って感じがします。もうソフト的な面では十分に実用化可能、という感覚でしたね。あとはね、多分キャッシュレスしか使えない世の中に、すぐになるんだろうな、と痛感しました。やっぱりキャッシュレスオンリーってお店側の利点が大きいんだよね。お客さんの利便性という点を除けば、すべてキャッシュレスになってくれた方が、「レジ点検」のような面倒もないし、つり銭を用意する必要もない。盗まれやすい現金を所持するのは、とくに従業員を少なくしてお店を回すときには防犯上リスクでしかないんですよね。こんど7月1日にいろんな業界で一斉にレジ袋の有料化が行われますが、そのうち同じような感じで一斉に現金が使えなくなる日が来るのかもしれないなあ、とおもいました。

 「高輪ゲートウェイ駅」。個人的にはとても面白い場所でした。みなさんもコロナ感染に気を配りながら、ぜひ「近未来」を体験しに行ってみてはいかがでしょうか。

 

それではまた。 

こばと

バンナムフェスのおはなし

 こんばんは。こばとんです。

 先日バンナムフェス特番の生放送がありましたね。個人的には「withコロナ」でのソーシャルディスタンスの中での各種生放送に何となく物足りなさを感じていたので、太鼓の達人企画がとても楽しかったです。メールを読んでいろいろお話してくれるのもうれしいけど、やっぱわちゃわちゃしてるみんなが見たいんだな。ギルキスはいつも通りでしたね。そう、あれがいつも通りです。

 

 さて、「バンナムフェス」、正確には「バンダイナムコエンターテインメントフェスティバル」は、昨年10月19日・20日に行われたバンダイナムコが版権を持つ各種コンテンツに関係するアーティストが一堂に会するフェスです。アイドルマスターラブライブアイカツはもちろん、テイルズ、ガンダムコードギアスといったコンテンツも参加するので、本当に幅広いアニソンアーティストが参加しました。

 

 

 会場はなんと思い切って東京ドーム。ただし、「得体のしれない試み」であると捉えられたのか、とーっても倍率が低かったです。アイマス勢ぞろいにラブライブアイカツもいるのにだよ?だって抽選なしで機材開放席を一週間前くらいに買えたもん。ただリコッタに、周防桃子ちゃんに、渡部恵子さんに会いたいがために、本当に寸前にチケットを買いました。いつもこのくらいの気持ちでチケットが手にはいればいいのにね。

 

 でもこれがですねえ、めちゃくちゃいいライブだったんですよね。本当によかったと思う。私には珍しく両日参戦だったんですが、どちらの日も最高に楽しめました。

 

 まずよかったのが「アイドルアニメ同士の競演」ですね。そもそもアイマスラブライブも、そこまで沢山は各コンテンツをクロスオーバーしたようなイベントって無いと思うんですよね。それが普通に、垣根を越えて集まってるのが本当に良かったです。アニサマだとなんかより紅白感があって、自分たちの名前を背負って出てくるって感じだと思うのですが、バンナムフェスでは「同じバンナムの仲間」って感じで、お互いについて普通に言及する感じがとっても良かったです。もはやラブライブアイマスアイカツが勢ぞろいしたバンナムアイドルフェスをやってほしいわ。絶対行く。

 

 

 次によかったのが、「知らないアーティストと出会える」という点。私はずっと結構メジャーなアイドルの単独公演ばかり行っていたので、こういうフェス形式のイベントは初めてだったんですが、自分の好きなアーティストの出番が少なくても、また違う楽しみがあるんだなあ、と気づかされました。

 個人的に一番印象深いのは西川貴教さんですね。もうめっちゃかっこいい。ほんとに。一人で東京ドームにいる大量の観客を圧倒してる。しかも、その観客は全員が西川さんだけを見に来たわけじゃないのに。一流アーティストの力を見せつけられた気がしました。あとMCが本当にカッコよくかつ面白い。すげえ。

 西川さんと仲村さんのもそうなんですが特別コラボ曲があったところもよかったですね。なかなか難しいんだろうけどもっともっといろんなコラボがあったらよかったかなと思いますね。

 

 

 ここからは私のごくごく主観的な感想をちょびっと。

 ラブライブサンシャインより出演したギルキスは、もう、ね。めちゃくちゃアピールできてたね。普段からファンをしてるこっちがたまげたわ。

 普段だともう見慣れてるんだけど、こうやっていろんな個性をもつアイドルコンテンツが並ぶと、普段見えない「長所」が見えてくるんですよね。ギルキスの、Aqoursのみんなが声優アイドルとしては異常なくらいの高いレベルでの歌唱・ダンスといったライブパフォーマンスができる力を持っているということを、強烈に印象付けられました。

 

 アイカツシリーズは、この後に楽曲をいろいろ知ったので、もう一回現地で聴きたいなあという感覚がありますね。単独公演だとなかなかハードルが高いけど、こういうフェスだったら行きやすいし、バンナムフェスだったら1曲2曲ではなくたくさん聴けるのでいいですよね。

 

 昨年(2019年)は圧倒的にミリオンにハマった年だったので、推しであるところの周防桃子さん、つまり踏み台内蔵の桃子であるところの渡部恵子さんを現地で見れたのは本当によかったなあと思います。けーしゃまかわいいって。ほんとに。

 

 765AS、シャニマスの皆さんはよく知っているコンテンツながら初のライブ参加だったので、本当に良かったですね。特に死ぬまでに765ASのライブパフォーマンスを見れたのはよかった。これで成仏に一歩近づいたわ。

 

 さて、そんな先日の生放送で、「バンナムフェス2nd」の開催概要が発表されました!12月に東京ドーム。もうここまで読んでいただけたらお分かりかと思いますが、めちゃくちゃおすすめです!一つでも好きなコンテンツがあれば参戦して損はないと思う。もし行く!って人がいたら、連番しましょ。そして現地でお会いしましょう!こんどはラブライブも勢ぞろいしてほしいな。

 

バンナムフェス2nd 公式ページ

https://fes.bn-ent.net/

 

それではまた。

こばと

梅雨のおはなし

 こんばんは。こばとんです。

 東京もついに梅雨入りしたみたいですね。最近は、降るんだか降らないんだかはっりきしないお天道様の優柔不断に悩まされていますが、きっとこれから雨の日が増えることでしょう。

 

 皆さんは梅雨はお好きですか?きっと嫌いという人も多いかもしれません。ちなみに私は好きです。なぜかって絵になるから。きれいに咲いた紫陽花に湛えられた雨粒が光っているのも、色とりどりの傘をさして人々が歩いているのも。

 少しアンニュイな気持ちになって、窓際にもたれかかって雨に沈む外の景色を眺めているのもまた至福ですね。頭痛まで運んでくるのはちょっと余計だけど。

 

 それに、もうすぐ降りそうな時にする、雨の匂いがまた好きです。慌てて窓を閉める時の雨の匂い。ちなみにこの雨の匂いには"Petrichor"(ペトリコール)という名前があります。植物が出す油の匂いなんだそうです。まあ実際には、オゾンの匂いがしているとか、いろいろな説があったりそうシンプルではないようですが。なによりまだ雨が降っていないのに、降りだす前に雨の匂いがするというのがとても神秘的でロマンチックな気がします。

 

 

 ここで一曲。「2つの願い」/槇原敬之

 雨音のなかで恋人からの電話を待っている、そんな一曲。タイトルの2つの願いとは、「雨がやみますように」と「電話がきますように」の2つ。最後は雨が止んで、彼女とは別れてしまいますが、それまでの心の逡巡を描いた歌詞が秀逸です。

 雨が降った日。彼女からの電話を待っている。はてさて、この電話はどういった内容なのでしょう。復縁を提案するのか、別れを切り出すのか。

 「さよならと言われるより 言うほうはきっとつらい」。これで解釈が正しいのかはわからないですが、雨が止んだら自分が別れを告げに行く。電話が来ればそれは彼女が別れを切り出すか、復縁を持ち出す。

 自分が別れを切り出すかどうかが「雨がやんだら」と他力本願なところがまたいいですよね。とにかく雨が降っているときのアンニュイな気分と、雨に沈む街の情景が見事に描かれている。雨が降ったら必ず流す一曲です。

 

 

 去年は確か梅雨入りがかなり遅くて、6月にはあまり雨が降らなかったように記憶しています。外出するには天気がいいに越したことはありませんが、雨が降らないと渇水という別な問題が起こります。現代の日本では農業に従事する人の割合も減って、どうも「恵みの雨」というより「憎い雨」といった雰囲気が増していますが、同時に雨が私たちの生活になくてはならないことも忘れてはいけない気がします。野菜の値段が高くなったりもするしね。

 

 

 続いては、「さよならレイニーレイディ」/SiSH

 ナナシスの曲ですね。ナナシスはそこまで深入りしていないコンテンツなのですが、楽曲のクオリティーが高くて、好きな曲もたくさんあります。この曲もその一つです。

 雨の日を歌った歌なんですけど、爽やかなデジタルサウンドにのせて歌われます。でもやっぱり失恋の歌なんだよね。失恋は梅雨の季語なんでしょうか。

 「春の雨」を歌ったこの曲は、いろんな解釈ができる曲みたいなんですが、何だか私は雰囲気だけを味わっている気がします。

 「街はきっと戻れたはずの 昨日を引き換えに光って」

 「僕らはそっと魔法を解いた」

 詩的な歌詞の雰囲気があまりにも好きです。失恋することを「そっと魔法を解いた」と表現するのがあまりにも奥ゆかしくて、そして切なくて。

 なによりこの曲も情景描写が素晴らしいんですよね。どちらかといえば、新緑の鮮やかなライトグリーンの世界に注ぎ込むシャワーのような雨、というか。芸術的な気分で雨の日を過ごしたいときにおすすめです。

 

 

 コロナ禍のなかで、自宅待機に向いている人と向いていない人というのが話題になりました。私はじっとしていることが嫌いですぐ外に飛び出してしまう質なので、きっと引きこもり生活は辛いだろうと思っていたのですが、想像したよりは向いていたようです。有意義とまでは言えないかもしれませんが、あまり無理することなくこの自粛期間を乗り切れました。

 思い返してみれば、雨の日が好きなのは既にその適正を示していたのかもしれません。なんか雨の日って無敵な気がしませんか?その日だけは、家の中で過ごす。雨はすべての外からの情報を窓ガラスの向こう側で遮断して、部屋の中の自分の世界を邪魔してこない。私はそんな雨の日が好きです。

 

 

 最後にご紹介するのは、「夏の終わりの雨音が」/高海千歌松浦果南(Aqours)

 雨っていつもそんなにお行儀よくしとしとと降っているわけじゃなくて、時には轟音を立てて降ることもあるじゃないですか。そんな日に聴く曲です。

 当ブログでも一度ご紹介しましたが、改めて。この曲は「9月の雨」がテーマです。梅雨じゃないのですが、それでも「雨の日に聴く曲」として。

 そしてこの曲も失恋の曲。やっぱり雨の日ってみんなテンションが下がるんでしょうか。悲しい考えに浸るのも、私は好きです。

 夏の始まりとともに始まった恋が、夏の終わりとともに去っていく。それを9月の雨に打たれながら歌う曲です。小雨というよりは大雨といった情景なんですよね。土砂降りなの。傘をささなかったら瞬時にびしょぬれになるような、そんな大雨。海岸に立っていたら遠くからどす黒い雲が流れてきて、あっという間にあたりに大雨を降らして、立ち尽くした私はびしょぬれになって、雨雲は去っていく。

 それでも、雨というのはすべてを洗い流してくれる。「楽しかったね、夏」。失った恋。最後はそれでも気持ちを切り替えて、先へ進む。雨は涙のストレス解消効果を増幅してくれるかのようです。

 

 

 いかがだったでしょうか。

 音楽の力を借りて、皆さんの梅雨が楽しく、そして大切な時間になることを願っています。私はおろしたての傘を開いて、おろしたての気持ちで雨中の散歩にでも出かけようと思います。

 それではまた。

 こばと

 

無敵級*ビリーバーのおはなし


【試聴動画】無敵級*ビリーバー / 中須かすみ(CV.相良茉優)

 

 ついに発表になりましたね!ニジガクのアニメーションPV付きニューシングル、『無敵級*ビリーバー』です。

 

 このシングルの注目点は、ラブライブ初の「表題曲としてのソロ曲」であること。それから、「アニメ映像としての初めてのニジガクの映像であること」。作曲に有名ボカロPのDECO*27さんを呼んできたこと。これまでのラブライブから考えれば相当に異色なシングルなので、情報解禁を首を長くして待っていました。

 

 曲調はこれまでのかすみんのソロ曲をは一線を画しつつも、アイドルらしいかわいさがはじけるアップテンポな曲でしたね。一線を画してくるであろうとは思っていて、QU4RTZの2曲でのかすみんはかなりボーカルとしての可能性を見せていたから、芸術性の高い曲が来るかなと思っていたのですが、それよりは素直でとてもかすみんらしい曲になりましたね。

 

 コンテンツの外側にある有名な人とのコラボって難しいところがあって、あまりコラボ先によってころころと曲調を変えてしまうと、コンテンツとしての軸がよくわかんなくなることが多々あるんですよね。今回の曲は「ラブライブ!シリーズ」として十分に系統を受け継ぎながら、ボカロ曲っぽい作曲者の個性をしっかり活かせているので、最高のタッグだったなと思います。なんか「金曜日のおはよう」っぽくない?柑橘系のフレーバーみたいな爽やかさ。好き。

 

 PVも新しい趣向ですね。作画もこれまでと違うし、なんだかテイストも違います。より「PV感」が強いというか。歌詞を大きく出す演出も新鮮でいいですね。なんかこうやって書くと岡崎体育の曲みたいだけど。より「アーティストのPV」感が強いPV。最高です。

 

 歌詞は「中須かすみ」と「かすみん」とのキャラクターの二面性を描いているという感じなのかな?中須かすみちゃんはアイドルとしてのセルフプロデュース力が高いキャラクターで、そのためには努力を惜しまない子なんですよね。にこちゃんに近いかな。それでほかのライバルを追い落とそうとするんだけど、おっちょこちょいもあってうまくいかない。そこが一番の可愛さなんだけどね。そんなかすみちゃんが、鏡越しに「中須かすみ」の視点から「かすみん」に語りかけるような歌詞は、中須かすみというアイドルのキャラクターを掘り下げるのにとても大きな貢献を果たしてくれそうです。

 

 「鏡」ってかわいいを演出するには必須のアイテムですよね。鏡越しのもうひとりの自分に魔法をかける。メークアップして、もう一人の自分にかわいいの魔法をかけて、外の世界に飛び出す。純度100%の「かわいい」が溢れんばかり。最高です。

 

 これを2ndライブで聴けると考えたら絶対行くしかないですよね。早くコロナよ消えろ。そしてチケットよ当たれ。中須かすみ役の相良茉優さんは心身ともにキャラクターとのシンクロ度合いが高い声優さんなので、ライブパフォーマンスも絶対素晴らしいに決まってる。はあ、早く現地で聴きたいなあ。

 

 


【試聴動画】未来ハーモニー / 虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会

 

 今作はc/wの「未来ハーモニー」にもアニメーションPVがついてます。これカップリングなのかな?両A面ってわけでもないけど、ジャケットはリバーシブル仕様だし......。まあいいか。PVは多分ワンコーラスだけですかね。

 

 こちらは優しい雰囲気の全員曲。後述するAqoursの6thライブテーマ曲がかなり攻めた曲調だったので、こういう曲が増えるのもまた嬉しい気がしますね。ニジガクはなんか全体的にハーモニーが優しい雰囲気になるんだよね。そこがいい。

 

 あとはこの衣装がめちゃくちゃ好みですね。かすみんカラーの黄色基調。シンプルだけど可愛い。

 そういえばどちらのPVでもしっかりレインボーブリッジを封鎖して、東京アラートを解除してレインボーブリッジを虹色に照らしていますね。ニジガク最強じゃん。

 

 とにかく早くフルで聴きたい!うずうずが抑えきれません!!

 


【試聴動画】『ラブライブ!サンシャイン!! Aqours 6th LoveLive! DOME TOUR 2020』テーマソングCD「Fantastic Departure!」

 

 おまけといってはなんですが、先日発表になったAqoursの6thライブテーマソングの『Fantastic Departure!』についても一言二言。

 

 めっっちゃ攻めてますね。攻めてる。試聴動画開いて「はえー」ってなってたもん。表題曲の「Fantastic Departure!」はEDMとテクノの中間みたいな曲。サビの展開にはちょっとびっくりしたかな。もう完全に「おしゃれ」と「かっこいい」に振り切ってる。とても好きだけど。

 

 c/wの「Aqours Pirates Desire」はもっとびっくりしました。もうほんとにどんな曲調でもこなせるんですね......。もうこれ、オリンピックのCMとかのバックでかかってるよう知らんアーティストのむっちゃかっこいい曲じゃんか。なんでちょっと大阪弁っぽくなったんだろ。

 

 「Wake, up Challenger!」もそうだったんですけど、最近ちょっと歌い方が変わったかな?という部分もありますね。もう良くも悪くも「スクールアイドル」感が無い。Daydream warriorとかスリリング・ワンウェイとかといっしょにやってTVの歌番組とか全然関係のないフェスに出てみても面白いんじゃないかな。楽曲・歌声・ダンスの全ての面で圧倒できると思う。

 

 まだ日程や詳細は発表になっていませんが、Aqoursの6thライブは5大ドームツアーです。これまでアニメコンテンツが一度もたどり着いたことの無い世界へ、どんどんと突き進んでいる感じがありますね。

 それから、このまえ配信されていた4thに続いて「アニメのストーリーに縛られない」ライブツアーでもあります。4thでは浦の星交響楽団を引き連れてまさかの演出でしたが、今回もそういうこれまでに無い演出があったら嬉しいなあ、と思います。クジラに乗って出てくるかもね。

 

 あと一つ思うのが、「本当に!!コメント欄に!日本人が!いない!!!」これですね。Youtubeってコメント欄をスクロールしながら「うんうん、わかるわかる」ってやるのが楽しみの一つだと思うのですが、最近が外国人ラブライバーの進出激しく、日本語のコメントが完全に埋もれてしまっています。もちろん素晴らしいことです。LAでもライブを成功させているAqours。そのうち世界ツアーまであるかも知れんな、こりゃ。

 

 Aqoursにはもっともっと広く大きい世界を見せてほしいなあ、と思うばかりですね。7thは国立競技場でワンマンをしてほしいな。それだけの実力はもう十分にあると思う。「ありえないことが起こる それが僕らさ」「ありえないはないよ」。

 これからのAqoursも、楽しみでしようがありませんね!

 

それではまた。

こばと

 

こばとんの読書日記 『りゅうおうのおしごと!』

 先日、藤井聡太七段が永瀬拓矢二冠に勝利し、史上最年少でタイトル挑戦の記録を打ち立て、将棋界のニュースが世間を賑わせました。

 残念ながら私はリアルタイムで観戦していたわけでは無いのですが、今回は久しぶりに将棋のことをいろいろ調べたり見たりしたなあ、と思いました。実は私は将棋を足掛け7年間、細々と習っておりました。とはいっても、継続はしても身にはならないのが私の悪いところ。あまり勝てもしませんし何となく離れてしまっていたのです。

 

 どうして今になって戻ってきたかというと、一冊のライトノベルと出会ったからです。

 

 『りゅうおうのおしごと!』は、白鳥士郎による将棋を題材としたラブコメ(というよりは、どちらかといえばロリコンものの)ライトノベルです。「このライトノベルがすごい!」や将棋ペンクラブ大賞を受賞しており、評価も高い作品です。

 将棋を題材にした文学作品なら、映画化もされた『聖の青春』といった名作が多々ありますが、それらと比肩するくらいに、おすすめします。内容的に人を選ぶだろうけど。少なくとも一切ライトノベルを読まない私が全巻購入して、何回も何回も擦り切れるほどに読んでこうやってご紹介しているわけなので間違いありません。

 

 史上最年少で「竜王」のタイトルを得た九頭竜八一ですが、タイトル獲得後は低迷。そんな八一のもとに、わざわざ石川県から単身弟子入りを申し入れる天才小学生、雛鶴あいが現れます。あいを弟子に取った八一。そんな八一の下にはもうひとりの天才小学生・夜叉神天衣が弟子入り。ライバル同士の二人の「あい」と、年下の姉弟子にして最強の女棋士・空銀子が、将棋でも恋愛でも火花を散らしつつ成長していく、そんな(要はハーレム的な要素の強い)ストーリーです。

 

 と、いうとなんだか一部の(多くの?)人には敬遠されてしまいそうですが、この本の魅力はそんなライトノベル的な要素だけにとどまりません。正直たくさんありすぎてどこから紹介すればいいか迷いますが、私はあえて「あとがき」を挙げたいと思います。本文をすっぽかしてあとがきを称賛するのは不遜で作者に失礼かもしれませんが、それでもこれほどに私の心を動かした「あとがき」はほかにないのですから、どうかお許しいただきたいところです。

 はてさて、「あとがき」をほとんどそのままご紹介することは、ネタバレに含まれるのでしょうか。もしそれが嫌という方がいたら、ここでブラウザバックして本屋に行ってください。読めばわかります。それでもやはりこの本の魅力はこの方法を取れば一番伝わると思っているので、気にならない方はぜひ読んでいってください。

 

 

 『りゅうおうのおしごと!』のあとがきは、ほとんど作者のエッセイになっています。第一巻では、本作を書くきっかけとなった、高校生時代に同級生にして当時の高校生竜王・加藤幸男さんとの思い出を綴ったものです。

 加藤さんとの対局で打ち負かされたこと、加藤さんが「竜王」になった衝撃、そしてそんなにも強い加藤さんが見せた挫折の陰。これが作者を将棋という題材へ導きます。

 

 著者は法曹の道を志し、大学院に通いますが、なかなか夢が叶わず生計のためにライトノベルの執筆を始めます。しかしそれは家族との絆を引き裂くこととなり、祖父の言によって著者は家を出ます。著者は祖父の死に立ち会えませんでしたが、祖父の家には著者の作品がたくさんありました。祖父の葬儀の後、著者はこの作品の執筆を始めます。

 

 七巻のあとがきでは、著者の母の死という衝撃的なエピソードが書かれます。私は近しい親族をまだ亡くしたことがありませんから、到底その痛みをわかることができませんが、想像を絶するものであることは間違いありません。それでも著者は、この作品の執筆を続けます。

 

 本の出版にあたって、神戸にある書店が大きくPRを打ってくれました。それは一人の店員さんの熱意によるものでした。一度は交流が途絶えますが、著者の地元の書店に移動になった店員さんと再会し、再びともに仕事をするようになります。そして、この出会いをはじめとして、二人は結婚に至るのです。

 

 

 「作者が小説を書くとき、作者はまた小説を生きている」

 名言風の言葉を勝手に生み出してしまいましたが、そう感じずにはいられませんでした。そして、作者が小説を生きれば、それは書く手に熱を加え、より熱を帯びた文章ができるのだと。

 

  『りゅうおうのおしごと!』も、巻を経るごとにその文章はどんどんと熱を帯びていくように感じます。それはまるで「あとがき」で書かれる著者の人生に比例するかのように。

 清滝桂香は、八一の師匠である清滝鋼介の娘であり、女流棋士を目指します。自身の気持ちや、他人と比較した自分の才能。嫉妬と後悔。そんな桂香の苦悩が描かれる3巻は、本作の最初の山場だと思います。作者自身が「自分のすべてを背負ってもらった」と語る桂香のエピソードには、私も少なからず心を動かさせられました。

 

 アニメでは5巻までが描かれますが、私はぜひ6巻以降も、というか6巻以降をこそ、読んでほしいと思います。とにかくどこまでも右肩上がりに、話が面白くなっていくからです。

 7巻では清滝鋼介の進退をかけた勝負が描かれます。鋼介の苦悩と奮闘、奨励会員との激突、鋼介自身の変化と成長、また対照的な八一の破竹の連勝とぶつかる壁......。もはやラブコメじゃないじゃん。とにかく巻を追うごとに深く、深くなっていくんですよね。

 

 私がこの作品の中で一番好きな登場人物は夜叉神天衣です。まあ理由は性格が似てるから......かな?素直じゃないところが。

 夜叉神天衣が主人公となる9巻はもちろん、空銀子とのタイトル争いを含めて注目のストーリーなのですが、そんな天衣の「ライバル」である鹿路庭珠代とのバチバチした感じがいいですよね。ひとつひとつの対局が運命を分ける勝負の世界。努力と才能。あるいは年齢制限、男女の差、若きと老い。そういった残酷な部分を丁寧に描き切っているのは、本当にすごいと思います。ライトノベルという舞台でそれをしているからこそ、むしろ引き立っているのかもしれません。

 

 著者は徹底した取材によって本作を書き上げています。それはもちろん、本作の中には今の将棋界が抱える問題、例えばコンピュータソフトの問題などもしっかり投影しています。先述した「勝負の世界」の描写も含めて、著者の精緻な取材もまた、本作に命を吹き込んでいます。実際の将棋にまつわるエピソードも随所にちりばめられていて、将棋という世界を知るためにも、そしてそこから深く好きになっていくためにも、最適な作品であると思います。

 

 

 「私のすべてを注ぎ込んだ作品」と著者は表現していますが、本当にその通りであると思います。なんだか非常に不遜な紹介になってしまったような気がしますが、どうにか魅力を伝えきれたでしょうか。

 子どものころから英会話にピアノ、水泳と習い事三昧であった私ですが、ひとつもしっかりとものにすることはできませんでした。それは冒頭で述べた通り、将棋も同様なのです。

 しかし、この本を読んで思い出したことがあります。ほかの習い事は違いますが、将棋だけは自分の希望で始めたことです。将棋教室では「めっちゃ弱いお兄さん」だった私ですが、弱くても堂々と、将棋を好きでいようと、そう思うことができました。

 

 それになにより、『りゅうおうのおしごと!』が、そして白鳥先生の人生が、私に勇気をくれました。何も人並み以上にはできるようにならない私には、書くこと、話すことといった言語的能力が数少ない取り柄のようです。どんなフィールドが舞台になるかはわかりませんが、多くの棋士が戦ってきたように、そして白鳥先生がそうしてきたように、苦悩して挫折して、それでも立ち上がって、自分の望むものに少しでも近づきたい。そのための立ち上がる勇気を教えてくれる、そんな作品だと思います。

 

 皆さんもぜひ、手に取って読んでみてはいかがでしょうか。

 

プロ野球開幕が待ちきれないおはなし

プロ野球開幕が、待ちきれません!!!

 

 名乗り遅れました。こばとんです。

 淡々と課題をこなしながらかわいいスクールアイドルたちに現を抜かす日々を送っていますが、なんだか物足りません。理由の一つはそう、はっきりしています。

 プロ野球の試合が無いからです!

 

 オフシーズンは野球ファンにとって文字通りの冬、冬眠期間です。コロナ禍はその冬眠を長く長く引き延ばしています。一度春先に穴から出かけただけに余計にもどかしい。もちろん仕方のないことではありますが。

 

 先日、開幕が6月19日とついに決まりました。あと2か月。あと2か月......。それでも、

 

プロ野球開幕が、待ちきれません!!!

 

 失礼しました。

 

 野球を趣味にすると本当に生きがいになるんですよね。まず一週間にだいたい5日か6日は試合があります。もちろん試合も観戦しますし、なにより暇な時間に関連記事を読み漁ったり選手成績のページをうろうろしたりプレー動画を見るのが至福です。野球ファンの友だちと野球談議に花を咲かせられればなお良し。

 あんまり野球を知らないよって人にもぜひおすすめしたい。オタクには向いてるスポーツだと思うな。あ、オタクは「パ・リーグ」を観ようね。プロ野球にはセ・リーグパ・リーグと2つのリーグ各6球団づつがあります。強いのがパ・リーグ、弱いのがセ・リーグです。失敬。

 もちろんオタクにパ・リーグをおすすめする理由はあるよ。単にパ・リーグファンを増やしたいというのもあるというか、それが一番大きいけど。以下3つ。

 1.強い

 端的に強い。交流戦を見れば一目瞭然。でもパ・リーグファンにとって交流戦はかなりプレッシャーがかかるんだけどね(負けたらリーグ順位を詰められるから)。今年は交流戦は無いらしいです。残念。あとはメジャーリーグへ選手を輩出している数も近年はパのが多いですかね。

 2.オタクに嬉しいコラボが多い

 全体的に、パ・リーグ各球団の方が全体として経営努力をしている感があるんですよね。アニメという急成長する巨大コンテンツとのコラボも比較的頻繁にある気がします。アイマスとコラボしたのは記憶に新しいよね。佳村はるかさんとライオンズ野田昇吾選手、立花理香さんとオリックス若月健矢選手がデレマス声優が野球選手と次々と入籍して話題になったけど、こういう背景もあったかなあ。去年は新田恵海さんと降幡愛さんが西武ドームで始球式と場内アナウンスをしてましたね。なんか行けなかったけど。

 3.パ・リーグTVがある

 まあまずはYouTubeに行って観てほしい。まずね、シンプルにYouTubeでその日のハイライト動画が見れるだけでも優秀。試合をみられなかった日でも、ハイライトでしっかり復習です。まとまってるからほかの2試合もちゃちゃっと確認しちゃいましょ。加えて素晴らしいのが、その日の珍プレー好プレーや、ちょっとした面白いプレーの動画をあげてくれること。勝敗だけが野球観戦の魅力ではありません。例えば一塁上で一塁手とランナーが談笑しているシーンだったりとか、そういう細かい部分に注目してみても面白い。そういう意味で、パ・リーグTVはいろんな視点を教えてくれるかなあって思います。意味わかんない動画もあるけど、それはそれで面白い。

 あとこれは単におすすめの試合の見方でもあるんだけど、選手ひとりひとりにフィーチャーした動画をあげてくれるのが良いんですよね。わかりますか皆さん。「推し」を作るんですよ。この際どこのチームかなんてどうでもいいです。プレーとかフォームとか所作とか顔とかをみて推しを決めるんです。何人かいてもいいと思います。これだけで試合観戦はぐっと楽しくなると思います。パテレの動画をうろうろして推しを探してみるのも楽しいとおもうよ。おすすめです。日本の野球はアメリカの野球に比べてチーム間でのトレードなど移籍が少ないことで知られ、時には問題点として語られることもありますが、一方でそんな日本野球には選手一人ひとりにストーリーがあります。それはスタープレイヤーだけではありません。期待に応えられなかったトッププロスペクトにも、渋いバイプレイヤーにも、それぞれのストーリーがあります。そんなストーリーを深く知れば知るほど、推しへの愛が深まるはずです。

 

 なんかセ・リーグファンに夜道で刺されそうな勢いになりましたが、別にこれは個人的な意見ですし、セ・リーグのファンになるのでもいいと思います。別にセ・リーグファンを片っ端から片付けていったりはしません。とにかく野球談議ができる人を増やしたいんや。わかるやろ?大体どのチームでも背番号を聞けば選手名略歴成績が語れる重度の野球オタクであるこばとんならどのチームの話でもできます。多分。あ、なんもわかんなくてもいろいろ教えるし大丈夫。オタク語りになったらごめん。

 

 あ、最後にわたくしの推しチーム(なんだその表現)であるところの埼玉西武ライオンズのお話でもしましょうかね。現在絶賛パ・リーグ2連覇中の我等がライオンズですが、私自身は今期も優勝が狙えると思っています(まあファンだから当たり前だけど)。

 不動のリードオフマンである秋山がメジャー移籍しましたが、外野には川越・愛斗・鈴木・戸川・高木渉と開花寸前の若手がひしめいています。内野に至っては既にスーパースターたちで固められた布陣ですが、山野辺・佐藤龍といった期待の若手もひかえています。あ、佐藤龍世くんは私のイチオシです。思い切りのよいバッティングと堅実な守備。小谷野や今江のような選手になってくれると思ってる。あとなんか可愛い。応援したくなる。パレテの魅力も伝えたいし動画でも貼っときましょうか。


L佐藤 今季2号『唐突なギアチェンジ』でベンチも戸惑う!?

 捕手も昨季首位打者の森に他球団ならレギュラーが張れそうな岡田。さらには今期、面白い存在になりそうな柘植が加入しました。柘植が第3捕手に定着すれば打撃でも高い能力をもつ森や岡田をもっと柔軟に使えそう。

 これに栗山・メヒアといった実力者もひかえているんだよね。どうなってんだこのチーム。

 

 一方で投手はもうほんとうに課題です。スリルしかないわ。もちろん期待はありますよ。ニール・髙橋・松本・今井・本田・十亀。駒だけはそろってんだけどね。それでもうまくいかないのもまた野球の面白さかな。

 中継ぎは増田・平井・平良・小川ら先発よりは安定か。新外国人のギャレットもよさそうだし。やっぱり平良には期待しちゃうかな。160km出してほしいよね。

 個人的に注目しているのは新人サウスポーの浜屋アンダースローの與座。二人ともオープン戦でかなり好投してましたね。新人王を期待します。特に浜屋くん。チームの救世主になってほしい。

 

 今年はパ・リーグ他球団も大きな補強をしていて、なかなか一筋縄ではいかなさそうですね。それでも、ハイレベルな戦いがみられることを楽しみにしています。どこかが独走するよりは混戦の方が楽しいしね。

 

 なんだかまとまりがつかなくなりましたが、こんなところで。

 早く球場で大声援を送りながら野球を観れるようになったらいいですね。それまでは自宅から精いっぱいの声援を送りたいと思っています。

 それではまた。

 こばと